Shyrock作
第５話「クロッチの上から」
不満そうな表情を浮かべるもえもえ。
俊介は女性から愛撫を受けるよりも、自らが女性を愛撫し歓喜させることを至上の歓びとする男であった。
そんな俊介の愛撫が再始動し、もえもえの興奮は一層高まっていった。
もえもえの乳房を愛撫するかたわら、もう一方の手は純白のショーツに包まれた秘所に伸びていた。
ショーツ越しではあるが指が秘所に触れた瞬間、もえもえはピクリと反応した。
指はクロッチに達し二重布の上から亀裂をなぞり敏感な突起を旋回する。
蜜がクロッチから滲みだし、愛撫箇所を滑らかにしていく。
亀裂を形成するぷっくらとした両脇の土手を慈しみながら、俊介の指が竿となってうごめく。
もえもえは歓喜に身を任せながら、ふたたび手を伸ばして俊介の股間を触れようとする。
今度は拒もうとしない俊介。
俊介のそれがひときわ大きくそして硬くなっているのが分かる。
すでに女体を満足させられる状態に達している。
（あぁ、私のせいで俊介のモノがもうこんなになってるんだぁ……）
もえもえが怒張している俊介に感動していると、下着の上から亀裂をなぞる指の動きが止まり、入替わって柔らかい舌の感触が触れた。
下着越しではあるが熱い舌が活動する。
ペチョペチョペチョ……
「ああっ……俊介、そ、そんなこと……あああ～っ……」
秘所を直接クンニリングスされるのは当然気持ちが良いのだが、一枚の布を挟んで愛撫されるのも、得も言えぬもどかしさがあって堪らなく良いのだ。
ペチョペチョペチョ……
羞恥と歓喜……ふたつの想いがもえもえの身体を駆け巡り、全てを俊介にゆだねる。
舌は薄い布の向こう側にひそむ繊細な個所を的確に攻めてくる。
ピチョピチョと音を立てて、俊介は舌先でクリトリスを転がし、花びらは舌で一周させて、ズルズルとわざと音を立てて吸い付く。
まるで布など存在しないかのように。
「あっ……いや……やめて……あんっ……」
もえもえはむず痒くも感じる秘所がヒクヒクしながらも、俊介の舌に快楽を覚え、言葉とは逆に、もっとして欲しくなり、腰が自然にせり上がり、俊介の舌の感触が強く感じる方向に誘う。
俊介はそんなもえもえに向かって、
「もっと、みだらになって。ベッドではもっと正直になればいいんだよ」
と挑発する。
俊介はしばらくもえもえの下着を脱がすことなく、舌先や指でクリトリスをいじった。
クリトリスを舌先で転がされ、全身の力が抜けるほど、快楽の沼へと沈んでいくもえもえ。
一回目の絶頂が訪れた。
「あぁ……しゅんすけぇ……」
「もっと恥かしいことをしてあげようかな？」
俊介が小声でそう囁ささやくと、ゆっくりとショーツを脱がし始めた。
もえもえははにかみながらも、俊介が脱がしやすいように重心を移動させる。
足首から抜きとり小さく丸まったショーツを、俊介はきっちりと四つに折りたたみ枕の周辺にそっと置いた。
「もえもえ、俯きに寝転んでくれる」
「え？ 俯きに……？」
「そう、いいことしてあげるから、俯きに寝てみて」
「うん、分かった」
（『俯く』ということはバックでするのかな？ それとも別のことを考えているのかな？）
もえもえの胸は高鳴った。
今まで付合った男性の誰よりも、俊介は性戯に長けている。
夜を共にするたびに、今まで体験したことのない体位やテクニックを繰り出してくる。
それも自分自身の快楽よりも、女性を歓ばせることに惜しみない努力を費やしてくれる。
そんな俊介の恋愛に対する姿勢が、もえもえはとても好きだった。
ただ、会える頻度があまりにも少な過ぎる。
もっと会いたい。
たくさん会ってもっともっと愛されたい。
だけど遠距離恋愛だとそれは望めない。
もえもえはそんな叶わぬ願いを心に秘めて、会ったときは懸命に愛し愛されようと考えていた。
期待に胸をときめかせながら俯きになった。
俊介が後背位で挑んでくるものと思い込んでいたもえもえは肘をベッドに着けて尻を高々と上げた。
ところがすぐに俊介は触れてこない。
「……？」
「いや、そうじゃなくて、うつ伏せでお腹をつけて寝転んで」
「うつ伏せで寝転ぶの？」
もえもえは俊介のいうとおり、うつ伏せで寝転んだ。
「うん、そう。で、脚をちょっと広げてみて……」
「えっ！？ この格好で脚を広げるの？ 恥ずかしいなあ」
「いいから、いいから」
もえもえが現在身に着けている衣類は白いガーターベルトと白いストッキングだけ。
ショーツはすでに脱がされてしまっているので、股間を隠すものは何もない。
ショーツなしのガーターベルト姿は淫靡さが一層強調される。
俊介はもえもえの股間に顔を埋めた。
「え？ うそっ、やだぁ……」
予期せぬ俊介の行為に、もえもえは驚きを隠しきれない。
腿の裏側に俊介の肩が入りこみ、両脚が九十度以上ひろがっている。
まるでベッドの上でカエル泳ぎをしているような体勢だ。
