静 個撮

Shyrock作

第7話「大開脚の証明」

 三好と山根にとって静は大切な商品だ。
 大切な商品に傷をつけてはならない。
 山根は果物ナイフからハサミに持ち替えた。

 ハサミが静のスカートをゆっくりと切り裂いていく。
 布地を裁ち切るときのジョキジョキという音に、早くも男たちは興奮の笑みを浮かべる。
 男たちはスカートに興味があるというよりも、著名なネットアイドルの服を切り裂くというシチュエーションを楽しんでいると言えよう。

「や……やめてぇ……」

 静は唇をわなわなと震わせながら訴える。

「心配しなくていいわ。傷をつけたりしないから」

 山根はこともなげにさらりとかわす。

 生地が厚手ということもあって、切り落とすまでに少し時間が掛かるようだ。
 しかしハサミが移動していくに連れ、切り裂かれた隙間から静の白い肌が次第に見え隠れしてきた。
 スカートの下に着けている下着も。

 男たちはゴクリと生唾を飲みながら、じっと状況を見つめている。

 静の下半身を覆っていたものが、惨めな布片と化し床にパラリと落ちた。
 その瞬間、静まり返っていた場内に、拍手と喝采が巻き起こった。

 男たちの視点の先には、目も眩むほどに美しい女の姿態があった。
 贅肉がなくよく引締まったボディに量感のある見事な胸は女性として申し分ない理想的な体型を誇っている。

 まさか見知らぬ男たちの前で、下着姿を晒すことになってしまうとは。
 静は全身を紅潮させじっと震えている。

「おお! 素晴らしい!」
「噂どおりの、いや、噂以上の美女だな~」
「顔もいいが、スタイルも抜群じゃないか」
「ええ体してるやないか。わしはこんな女とやれたら死んでもええで~」
「聞きしに勝るベッピンじゃのう。ふぉっふぉっふぉ~」
「おい、三好さん、早く次にコマを進めろよ~」

 三好が静の横に立ち淡々と語り始めた。

「皆様、本日の美女にかなりご満悦なご様子で、主催者といたしましては嬉しい限りです。しかしお楽しみはこれからです。では、今から静ちゃんにビリヤード台の上へ座っていただくことにしましょう」

「いや!」

 静が拒絶の態度を示すと、後方の山根が冷ややかにささやいた。

「今のあなたに『嫌』と言う台詞はないのよ。覚えておいて」

 山根は静の尻をギュッとつねる。

「いたいっ!」
「さあ、ビリヤード台に上がるのよ。目隠しで見えないだろうから、私の言うとおりにするのよ。いいわね」
「……」

 静は無言でうなづいた。
 そして、山根の手を借り、ためらいながらもビリヤード台にゆっくりと上がる。
 ラシャ特有のねっとりとして柔らかな感触が肌に伝わってきた。

 ビリヤード台は高さが七十九cmあるが、目隠しをされている静にとって、台の高さなど大した意味は持たなかった。
 山根はコーナーポケットとコーナーポケットとのちょうど中間の位置に静を誘導した。
 静は屈辱に耐えながら、山根の誘導する位置へ這うようにして移動する。

(どうして私がこんな目に……)

 指示されるがままにラシャの上に座り込む静。
 膝はピタリと閉じ合わせている。
 さらに山根はクッションを背に台の中央を向いて座るよう促した。

「もう少し右を向いて。そうそう、それでいいわ」

 男たちは静の動作をつぶさにじっと見つめている。

「脚を閉じないで。さあ、大きく開いて」

 静は頬を真っ赤に染めて、しなやかな下肢をゆっくりと開き始める。
 九十度ほど開いたところで止まった。

「ダメよ。もっと開くのよ」
「もう無理です……」
「そんなに身体が硬いの?」
「はい……」

「ちょっと待って! 皆様、これをご覧ください」

 その時、三好がパワーポイントでスライドショー画像を公開した。

「おおっ!」

 場内はざわめき立った。
 三好が公開した画像は、静が自身のウェブサイトに掲載しているものであった。
 ストレッチをしながら猫と戯れている静の姿が数枚写し出されている。
 最後の一枚を見ると、かなり関節が柔らかいのか、両脚を左右に百八十度拡げ大開脚している場面であった。
 三好は説明を続けた。

「皆様、いかがですか? この画像で静ちゃんがいかに柔軟な肉体の持ち主かお分かりいただけたでしょう」
「おお! 股関節がすごく柔らかいじゃないか! さあ静ちゃん、早く拡げてくれ~!」
「まるで新体操の選手のようじゃな。ふぉっふぉっふぉ、こりゃ面白くなってきたぞ」
「遠慮しないでいっぱいに拡げるんだ!」

 山根はにやりと笑うと静の肩を軽く叩いた。

「さあ、静さん、皆様がお待ちよ。もう広げないわけにはいかないわね」
「……」
「さあ、早く」

 静は覚悟を決めて長い脚をゆっくりと左右に拡げていく。

「もっと広がるわね?」
「……」

 大開脚姿勢は次第に画像に近づいていく。

(あぁ……三好のメールを無視していれば、こんなことにはならなかったものを……)

 アイマスクをつけているため周囲からは分からないが、静は悔やんでも悔やみきれず涙した。




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