球 脱獄(改)


Shyrock作


<登場人物>

小路 球(こうじ きゅう) 18才。167センチ。まだ女子高生だが抜群のプロポーションが原宿でスカウトの目に留まり人生初の水着モデルとなった。趣味はピアノ。

原口勲(はらぐち いさお) 42才。185センチ。強盗、傷害、強姦等の罪で服役中であったが、機会をうかがい脱獄を果たす。





第1話「脱獄者」
第2話「家宅侵入」
第3話「食欲と性欲」
第4話「節くれ立った指と窮屈な秘裂」
第5話「どす黒く汚れた麻縄」
第6話「巨大な肉柱 圧倒的な雄の存在」
第7話「不本意な濡光」
第8話「野蛮なる巨根」
第9話「理不尽な食卓」
第10話「羞恥のM字開脚縛り」
第11話「鏡に映った無毛痴態」
第12話「極太ソーセージはどこまで入る?」
第13話「おぞましき口移しビール」
第14話「野獣の雄叫び」
第15話「浴室で濡らされて」
第16話「強制自慰と愛撫と」
第17話「浴室で背後から攻められて」
第18話「変化」
第19話「自首」
第20話「夏祭りのリンゴ飴」



第1話「脱獄者」

刑法第九十七条
『裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。』

◇◇◇

「はぁはぁはぁ……、看守の目を盗んでうまく逃げ出せたが、さて、この先どこに行けば良いのやら。駅に行ってもおそらく警察がうろうろしてやがるだろうし、都内の叔父のところに行ってもたぶん匿ってくれないだろうよ。ちぇっ、仕方ねえや。とりあえず昔の仲間の所にでも転がり込むとしようか」

 原口勲、まるで仁王のような強面だが、180センチをはるかに超える高身長で、しかもがっちりとした屈強な肉体を持つ。
 幼い頃から家庭環境に恵まれず非行に走り、鑑別所や少年院暮らしが続いていた。成人してからも悪癖は治まることなく、強盗、恐喝、傷害、強姦、強制猥褻等を繰り返し前科が重なるばかりであった。
 そんな悪人の見本のような原口であったが、人をあやめなかったことだけが唯一の救いと言えた。
 服役中の原口は看守の行動をつぶさに記録し、常々脱獄の機会を模索していた。
 そしてついに決行の日がやって来た。
 原口は冷静沈着に実行し、ついに成功を収めた。
 彼は走った。ひたすら走った。
 だが、追っ手はそんなに甘くはなかった。

(ウゥゥゥウゥゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~!)

 遠くでサイレンが鳴り響いている。

「わっ!いけねえ!こんな所まで追っ掛けて来やがったか!くそっ、そう簡単に捕まって堪るものか!絶対に逃げ切ってやるぜ!」

 原口は西陽を背にして無我夢中で駆け出した。
 大通りを左に曲がると、道路幅員の狭い住宅地へと逃走していった。

◇◇◇

 小路球は現在18才。まだ高校生だが、持ち前の美貌とプロポーションから、某有名ブランドの水着モデルとして抜擢されていた。将来は大学へ通いながら、モデルの仕事も引続き行なうつもりでいた。凛と張った涼しい目をした球は、両親の自慢の娘であった。
 その日、球は自宅に一人いた。両親は結婚25周年記念で海外旅行に出掛け、4日後に帰宅する予定である。

 球は学校から帰ってから、着替えもしないでずっとピアノにかじりついていた。
 コンクールを1週間後に控えていたため、寸暇を惜しんで練習に励んでいた。
 そのため最近では水着モデルの依頼も断ることが多くなっていた。

「もう5時ね。ぼちぼち夕飯の支度をしなきゃ。でも1人分作るって何かつまらないなあ。それにしてもお父さんとお母さんがいないと1日が長いなあ。どうしてだろう? こんな時、嫁いだお姉ちゃんでも帰ってきてくれたらいいんだけど、今、子育てで忙しいからなあ」

(ポロン~ポロン~)

 発表曲はショパンの「幻想曲へ短調Op.49」の予定であった。曲の構成は自由なソナタ形式で、ショパンの作品の中でも非常に大規模な作品である。
 球の部屋はピアノ用に防音工事をしてあるから、音が漏れる心配がなく安心して練習することができた。

◇◇◇

「はぁはぁはぁ、疲れた。心臓が破裂しそうだぜ。どこかに隠れなければ……」

 原口は周辺を見廻した。
 周囲はどちらを見ても立派な邸宅ばかりが建ち並んでいる。
 どうも高級住宅街に迷い込んでしまったようだ。
 原口は思った。

(この際どこでもいいや。とり合えず警察の目から逃れなければ。しかし騒がれると困るから、留守宅がありがたいな……)

 原口はもう一度周囲を見廻した。
 昔ながらの堂々とした和風建築が建ち並ぶ中、一軒だけ重厚な石貼りの外壁で西洋のホテルか邸宅を思わせるような洋風の建物が目に飛び込んできた。
 原口は住宅の裏側に回り込んだ。
 勝手口があるが当然鍵が掛かっている。
 ドアの横に大きな窓があった。
 カーテン越しに中を覗いてみたが、人の気配はない。

(よし、この家にしよう。誰もいないようだし……)

 窓にはクレセントキーが掛かってる。
 原口は年季の入った鞄の中からガラスカッターを取り出した。
 二重ロックになっていない限り、クレセントキー周辺のガラスさえ切り落とせばガラス戸は開く。
 原口は馴れた手付きで作業を始めた。
 ガラス切りも熟練者が行なうとほとんど音がしない。

 ガラスは床に落ちることなく、受けていた布の中に滑り落ちた。
 さすがにプロの技といえる。
 五センチ四方の穴がぽっかりと開き、クレセントキーは簡単に開錠された。

 最近はサッシ窓の性能が上がったこともあって、戸車が転がる音はほとんどしない。
 原口は足を忍ばせ室内に入り込み静かに窓を閉じた。
 そして穴の開いた部分には、まるでガラスと見間違えるほどの小さなパネルが貼られた。
 ガラスが切られたことを、外部から発見されにくくするためのものだ。

 原口が侵入した部屋は夫婦の寝室のように見受けられた。
 部屋はきれいに整頓されていた。

「もしかして旅行中か? しめしめ、これはラッキーだぞ。ふっふっふっ……」

 原口は過去の経験からこの家の住人がしばらくの間、留守であると確信した。
 だが熟練した原口ではあったが、一つだけ判断ミスをした。
 娘の球がひとり在宅中であるとは想像もしなかったのだ。
 原口は部屋から廊下に出た。

 ちょうどその頃、球はピアノの練習を中断して、夕食の準備に取りかかっていた。
 台所で炊事をしていると、わずかな物音ぐらいでは案外気づかないものだ。

(トントントン……)

 球は炒飯に入れるタマネギを刻んでいた。




第2話「家宅侵入」

 足音を忍ばせ廊下をゆっくりと進む原口。
 台所から聞こえてくる音に気づいて台所の手前でぴたっと足を止める。

(ん……? 誰かいるぞ……)

 聞こえてくるのはまな板の上で何かを刻む音であった。

 原口は廊下の壁に背中をぴたりとつけて台所の様子を伺った。

(トントントン……)

 包丁を持っている人間を襲うなど愚の骨頂である。
 ましてや相手は素人だ。
 驚いて包丁を振り回すかも知れない。
 あるいは大声で喚き助けを求めようとするかも知れない。

 原口は台所にいる者が包丁を置く頃合いを計った。

(う~ん……誰だろう? 妻か? それとも……?)

 顔が見えないので誰なのか分からない。
 まもなく包丁で刻む音が途切れ、「ジュ~ッ」とフライパンで炒める音が聞こえてきた。

(炒め物を作っているのだな? よし、今がチャンスだ)

 原口が巨体に似合わぬ身の軽さで、球の前に現れた。
 球は驚きのあまり悲鳴をあげた。

「きゃあ~~~!」
「騒ぐな! 静かにしろ!」

 原口はまな板に乗せてあった包丁を奪い、球に襲いかかった。

「ひぃ~~~!」

 球の首筋に包丁があてられた。
 冷たい感触が恐怖のどん底に突き落とす。

「おい、静かにしろ!」
「あぁぁ……あわわわわ……」

 あまりに突然の出来事に、球は言葉を失ってしまった。

「騒がなければ命までは取らない。分かったか?」

 球はぶるぶると震えながら、ようやく咽の奥から声を絞りだした。

「は……はい……」

「俺は今、警察に追われてる」
「……」

 震えてしまってまともに返事ができない。

「だからしばらくの間、ここで世話になるぜ」
「……」
「分かったら返事をしろ」
「は……はい……}

 原口は球の頬を包丁の背(みね)でぺたぺたと叩いた。

「今、一人か?」
「はい……」
「家族は?」
「旅行に行ってます……」

 正直に言う必要などなかったが、ついありのままを告げてしまった球。
 もうすぐ親が帰宅する、というような機転を利かせた言葉が、今の球に浮かぶはずもなかった。

「ほう、旅行に行ってるのか? 娘のおまえを一人残して行ったのか?」
「はい……」
「で、いつ帰ってくるんだ?」
「え~と……あのぅ……今夜……今夜帰ってきます」
「嘘をつくな」

 原口は球をキッと睨みつけた。

「本当だわ。本当に今夜帰ってくるの」
「嘘はつかない方が身のためだぜ」

 原口は包丁をゆらゆらと揺すりながら凄んでみせた。
 
 球のどぎまぎした態度から、その言葉が偽りであることを、すぐに見破ってしまった。

「本当はいつなんだ?」

 原口はにやりと不敵な笑みを浮かべた。
 しかし眼光鋭く球を捉えて放さない。
 球はまるで蛇に睨まれた蛙のように、嘘をつけなくなってしまった。

「四日後に帰ってくるわ」
「ふむ、四日後か。まだ先じゃねえか。まあ、その方が俺にとっては好都合だがな」
「あのぅ……お金……が目当てなの?」

 球は恐る恐る尋ねてみた。

「金か? はっはっはっ、ついでもらってやってもよいが、俺が忍び込んだ目的は別にある」
「じゃあ、何なの?」
「俺は今、刑務所から脱獄してきた」
「えっ! まさか!?」
「嘘じゃねえよ」
「……」
「さっきパトカーのサイレンが鳴ってたろう?」
「そういえば……」

 目の前にいる男がまさか脱獄囚だとは、思ってもみなかった。
 球は激しい恐怖に襲われた。

「俺は脱獄した後、ダチ公ところに世話になろうと思っていた」
「……」
「ところが意外に早く警察が追いかけて来やがって、俺は逃げ場を失っちまったってわけだ」
「……」
「そんなわけで、ここに転がり込んで来たってことさ」
「……」
「いずれ出ていくけど、ここ一、二日、ここにお世話になるぜ」
「そ、そんな……」
「おおっと、嫌だなんて言わせねえぜ」

 原口は球を威嚇した。

「……」
「俺のいうことをちゃんと聞いてりゃ、危害は加えねえから安心しな」
「……」
「だけど、少しでも俺に歯向かったら、容赦はしねえぜ。いいか?」
「はい……」

 原口は台所で怯えながら突っ立っている球を見つめた。

「たしか料理中だったな。おい、俺にも何か食わせろよ。必死でずらかって来たから腹が減ってるのも忘れちまってたぜ」
「炒飯だけど……」
「炒飯か。何でもいいや。早く食わせてくれ」
「分かった……」

 球は再びキッチンに向かった。

「あのぅ……包丁を返して欲しいんだけど……」
「ん? 包丁か? 料理に包丁はいるよな。だが今はちょっと無理だな」
「じゃあ、料理作るの無理だわ」
「無理か?」

 原口は調理場を覗き込んだ。

「なんだ。タマネギはほとんど切れてるじゃねえか。残りは丸ごと入れときな」
「……」
「何だ。不服か?」
「いいえ」
「じゃあ、俺のいうとおりにしな」
「……」

 球はフライパンに飯を入れ、そこに切り刻んだタマネギを放り込んだ。
 さらに剥きエビを数尾入れ、かき混ぜた卵を二個分流し込んだ。
 サラダ油、こしょう、醤油、それに塩を少々加えて炒めた。
 香ばしい香りが漂ってきた。




第3話「食欲と性欲」

「おまえは高校生か?」
「はい」
「何年生だ?」
「3年……」
「どうして家で制服を着てるんだ?」
「ピアノコンクールが近くて、着替える前に練習したくて……」
「ふうん、ピアノが弾けるのか?」
「うん」

 原口は調理中の球の斜め後方から、制服姿をなめるような視線で見つめている。
 そして突然球に襲いかかった。

「きゃあ~~~!」
「制服姿を見ていると急にムラムラしてきたぜ! 少しぐらいいいだろう? な? 触らせろよ」
「やめて~~~!」
「おい! 大声を出すな!」

 球は手を振りまわし抵抗したが、包丁で脅されあえなく諦めた。

「おとなしくした方が身のためだぜ。今度暴れると承知しねえからな。冗談じゃねえぜ」
「……分かった」
「分かったならいい」

 原口はにやりと笑って、球のスカートを捲くりあげた。

「いやっ! やめて!」
「えへへへ、かわいいパンツを穿いてるじゃねえか」

 スカートを捲りあげられ、純白の木綿ショーツが完全に露出してしまった。
 ごつごつと節くれだった手が、よく引き締まった臀部に伸びる。

「やめてっ!」
「へっへっへ、久しぶりの感触だぜ」
「いやぁ……やめて……お願い……やめて……」
「ふん、何を言ってやがる。触ったって減るもんじゃねえし。仲良くしようじゃねえか。俺もムショ暮らしが長かったものでこの感触は久しぶりだぜ。へっへっへ、それにしていいケツしてやがるじゃねえか?プリプリして最高だぜ。おまえ、歳はいくつだ?」
「18です……」
「ほほう、18か。18と言えばもう大人だ。もちろんセックスの経験はあるんだろう?」
「そ、そんなこと……言えません!」
「ちゃんと答えろよ」

 原口は節くれだった指で球の尻肉を揉みながら、耳元ですごんでみせた。
 恐怖感と不快感が球を支配する。
 小声ではあっても、前科を重ねてきた男の凄みのようなものが感じられる。
 突然不法に侵入して来た見ず知らずの男に対して、答える必要のない私事であったが、今は正直に答える方が安全と考えた球は喉の奥から声を絞りだした。

「あるわ」
「やっぱりな。最近もやったのか?」
「そ、そんなこと……」
「答えなよ」
「先週、土曜日にしたわ……」
「へっへっへ、まだ最近じゃねえか? この可愛いケツをたっぷりと可愛がってもらったんだな?」
「……」
「どうなんだ?」

 原口は球の尻をギュッとつねった。

「痛い! 乱暴はやめてください!」
「じゃあ、ちゃんと答えろ」
「そうよ」
「なるほど、このケツをたっぷりと可愛がってもらったんだな? だけど尻だけじゃねえだろう?」
「……」
「どうなんだ?」
「ううっ! 他もたくさん可愛がってもらったわ」
「そうか、妬けるじゃねえか。じゃあ、俺も同じことをしてやるぜ」
「冗談を言わないで」
「冗談かどうかすぐに分かる」

 原口はそうつぶやくと、突然、球の股間に指を伸ばした。

(グニュ……)

「いやっ!」

 ショーツの上からではあったが、生地が薄いため秘密の花園の形状は手に取るように分かる。
 無骨な指はその形状を探るようになぞった。

「あぁ……やめて……許して……」
「ぐっふっふっ」

 原口は口元に卑猥な笑みを浮かべながら、球の最も恥ずかしい箇所を蹂躙しつづけた。

「あっ、炒飯が焦げちゃう。ねえ? 炒飯が焦げるよ……」
「火を消せ。飯は後でいい。こっちが先だ」

 球は空腹の原口に食事を提供することで、自分への注目から逃れようと考えたが、原口の興味はすでに球本人へと移行してしまっていた。

 人間には『三大欲求』と言うものがある。
 それは、睡眠欲、食欲、性欲を三大欲求と言う。
 人はみんなこの三つの欲をもっていて、どの欲も抑えることはできないと言われている。
 しかし、睡眠、食、性、どの欲求を満たすことが一番大切か、そしてその順位は、人によってみんな異なる。
 一般的には性欲よりも、食欲が優先されることは言うまでもないだろう。
 ところが、時として性欲が食欲よりも優先されることがある。
 飢餓状態であれば食欲が優先されるだろうが、原口の場合、刑務所では三度三度の食事が提供されていた。
 脱獄してから数時間が経過し、空腹であることは確かだったが、耐えられないほどのものではなかった。
 人一倍女好きな男が長い刑務所暮らしにより激しく性に渇望している状況を考慮すると、秀麗な女子高生が突然目前に現れたわけだから、食事を差し置いてでも性を優先するのは火を見るより明らかであった。

 原口の激しい息遣いが球の耳に届いた。
 鼻息がかなり荒くなっている。
 男が野獣化している証だ。
 球はおびえた。
 逃げ出せるものならば、この場から逃げ出したかった。
 だが野獣のような男に包丁を突きつけられては、逆らうことなどできなかった。

「スカートを押さえていろ」

 原口は捲りあげたミニスカートを球自身に押さえさせた。
 そして一気に白いショーツを引き摺り下ろした。

「きゃぁ~~~!」




第4話「節くれ立った指と窮屈な秘裂」

 原口の目は獲物を狩る猛獣のようにギラギラと輝いている。
 襲い、捕獲し、そしてその美肉を喰らう瞬間、今まさにその時の目だ。

「へへへ、すげえ美味そうな尻じゃねえか。こりゃあ、堪らねえぜ」

 嫌らしく舌なめずりをしながら、球のよく引き締まった臀部にしゃぶりついた。
 ジュポジュポと卑猥な音を立てて尻を舐めまくる。

「いやぁ!やめて!」

 例えようのない不快感に襲われる球。
 悲痛な声で叫んだ。
 だが悲痛な訴えも原口を喜ばせる結果にしかならなかった。
 臀部への愛撫に夢中だが、左手に包丁を握り、威圧することも忘れてはいない。
「抵抗すれば容赦しないぞ」という無言の威嚇である。
 うかつに反抗することができない。

「流し台に肘をつけろ」
「え?」

 流し台に両手をつけると、臀部を後に突き出したような姿になる。
 背後を許す……女性にとっては無防備で不安な体勢だ。
 球はためらった。
 
 すると間髪入れず原口が包丁をかざし催促をしてきた。

「早くしろ」
「は…はい……」

 ここは従順に対応するのが賢明だろう。
 球は原口の指示に従った。
 流し台に両肘をつけると、必然的に前傾になってしまい臀部が後方に突き出てしまう。

「へっへっへ、いい格好だぜ。よし、そのまま動くんじゃねえぞ」

 原口は球を威嚇すると、そのまま屈みこみ、視線が球の臀部に投げかけた。
 次の瞬間、厳つい手が臀部の割れ目に伸びてきた。

「ひぃ~~~!」
「大声を出すな」
「……」
「へっへっへ、さあ、どんな味かな?」

 そうつぶやくと、突然、臀部の割れ目に唇を押しつけてきた。

「いやぁ~~~!」

(ベチョベチョベチョ……)

 くっきりと縦に走った秘裂を、とめどなく野卑な舌が襲う。
 まるで幼虫が敏感な部分を這い廻るような不快感に苛まれる。

(ベチョベチョベチョ……)

「ひゃぁ……あぁ……いやぁ……」

 飢えた獣が美肉をむさぼるようにねっとりとした舌を駆使する。
 おぞましさから逃れたい一心で腰をよじって逃れようとするが、圧倒的な力がそれを拒む。

(ベチョベチョベチョ……)

「あぁぁ……許して、お願い……もうやめてぇ……」
「うめえなぁ、久しぶりの味だぜ。やっぱり生の女に勝るものはねえぜ、ぐぁっはっはっは~」

 うら若き少女の秘裂は野卑な唾液でぐしょぐしょに濡らされてしまった。
 その大部分が己の唾液であるにもかかわらず、原口はそれを球が溢れさせた愛液であると痛い勘違いをして、やけに機嫌がよかった。
 ところが、球がその後とった態度で、状況は一変してしまう。

「へへへ、感じてきたようだな?」
「感じてないわ!」
「ん……? もうビショビショになっているんだぜ?」
「全部、あんたの唾だわ」
「ちぇっ、口の減らねえ小娘が! じゃあ、本気で濡らしてやるぜ! 覚悟しな~!」

 激高した原口はそう言い放つと、唾液でてかてかに光っている秘裂に、節くれ立った指を一気に挿し込んだ。

「いたいっ!」

 ズブズブと食い込んでいく厳つい指。

「いたいっ! やめて!」
「うるせえんだよ! この小娘がっ!」

 ピシャッっと平手打ちが球の臀部に炸裂した。

「いたいっ!」
「ぎゃあぎゃあと騒ぐと、今度は尻じゃ済まねえぞ! いいか!?」
「乱暴はやめて!」
「痛いめにあいたくなけりゃ、大人しくすることだな。分かったか?」

 球は流し台に押さえつけられながらも、うしろを振り返りギュッと原口を睨みつけた。

「何だよ。その反抗的な目は? おい、どうしても俺に抵抗するって言うなら、このかわいい割れ目ちゃんに刃物を突き刺してやってもいいんだぜ? えっへっへ」

 原口は球の顔に包丁を近づけると、キラリと光らせた。

「そ……そんな恐ろしいこと……言わないで……」
「おい、俺を舐めるんじゃねえぞ。俺は冗談は言わねえぜ」

 原口は凄んでみせた。

「分かったわ……大声は出さないわ。だから乱暴はやめて」
「よし、分かったようだな。じゃあ続きだぜ。せっかくいいとこまで行ってたのに。へへへ、夜は長いし焦ることはねえけどよ。まあ、ゆっくりと可愛がってやるから楽しみにしてな。へへへ」

 原口はそうつぶやくと、再び球の秘裂に太い指を突き立てた。

「い、いたい……」
「へへへ、こりゃかなり狭いようだな? 指一本がやっとじゃねえか。へへへ、ほれほれほれ~」

 ぐいぐいと指が捻じ込まれていく。

「ううっ……いたい……」
「指一本で痛いなら、俺のデカイ竿を挿し込んだら、どうなるんだろうな? 気絶するかも知れねえな? こりゃ愉しみだぜ。けっけっけっけ~」
「そ、そんなこと絶対にやめて……」
「うるせえんだよ。つべこべ言ってねえで、指をしっかりと咥えこまねえか!」
「……」

 挿しこまれた指が前後に律動する。
 たとえ薄汚い男の唾液であっても、つけないよりはつけてくれる方が痛みが和らぐ。
 濡れてもいない窮屈な秘孔に節くれ立った指を挿し込まれ、球は裂けるような痛みにじっと堪えていた。

(コリコリコリ……)

「ん? 何だ? この感触は……。コリコリしてるじゃねえか? あ、そうか、ここがおまえのGスポットだな? おい、彼氏にいつもここを擦られてるんだろう?」




第5話「どす黒く汚れた麻縄」

「そんなことされてません」
「ほう? そうか。されてないってことは彼氏がいるんだな?」
「……」
「まだ高校生なのに、男といやらしいことをしてるんだろう?」
「してないわ!」
「嘘をつけ! 彼氏がいるのにいやらしいことをしてねえなんて話は通らねえぜ。白状しな。本当はしてるんだろう?」

 原口は蜜壺に右手の中指を挿しこんだまま、包丁を持った方の左肘で球の背中を小突いた。
 右手の中指は相変わらずGスポットを擦っている。

「ひぃっ!……ああっ……や、やめて……!」
「どうしたんだ? ここが感じるのか? どうなんだ。感じるんだろう?」
「か、感じないよ……」
「ふん、そうかい。じゃあ、感じさせてやろうじゃねえか。ここを擦られると、たいていの女は『ヒイヒイ』と喚き散らすものだぜ! さあ、いい思いさせてやるぜ!」

(グリグリグリ、グリグリグリ~!)

 原口は吐き捨てるように言うと、膣口から3センチ奥の内壁を激しく擦り始めた。

「いや! いや! や、やめて! お願い!やめて~~~!」
「気持ちいいんだろう? なぁ? 気持ちよくなって来たっていいな!」
「う……ううっ……気持ちよくないよ!」
「ほほう、気持ちよくねえってか? じゃあ気持ちよくなるまでたっぷりと擦ってやるぜ!」
「いやっ! やめて~~~~~!」

 流し台に腹這いになっていた球であったが、隙を見て反撃に転じた。
 振り返りざま原口に体当たりし、間隙をぬってスルリと抜け出した。
 包丁を持っている相手なので、危険な賭けと言えるだろう。
 原口がいくら大男であって腕力にすぐれていても、油断をすれば獲物に遁走された猛獣と同じだ。

 球は台所から飛び出し、玄関口へと駆けて行った。
 懸命に追いかける原口としても必死の形相だ。
 ここで球を逃がしてしまえば、自身はふたたび逃亡しなくてはならない。
 原口とすれば逃走中やっと見つけた束の間のオアシスである。
 蜃気楼にはしたくない。

 球は戸口まで辿り着き、なんとか逃げ切れるかに思われた。
 ところが、皮肉にも防犯のため玄関ドアを二重ロックにしており、そのうえドアガードまでかけていたので、開錠するのに時間を要してしまった。
 球がもたついている間に、男の影が球の背後まで迫った。

 そそくさと二つの鍵を開けドアガードに手をかけたとき、丸太のような腕が球の首に巻きついた。

「うぐぐ……」
「ちょっと油断した隙にこのアマがっ!」
「うううっ……く、苦しい……」

 首をグイグイと絞め上げる原口のいかつい手。
 球は遠ざかっていく意識の中で懸命に抵抗を試みた。

「俺から逃げようなんて考えない方がいいぜ! 包丁で一突きにしてやってもいいが、殺すにはちょっと惜しい娘だからなあ」
「ううう……」

 そうつぶやきながら原口は絞めあげていた手の力を抜いた。
 これ以上絞めたら窒息死してしまう。だが早めに手を放せば死ぬことはない。
 悪行に長けた原口は絶妙のタイミングを心得ていた。

 球は苦しさのあまり床に崩れてしまった。
 フローリングに倒れ込みぐったりとしている。
 原口は逃走中ずっと担いでいたリュックサックを肩から下ろし、袋の中をゴソゴソと探し始めた。
 そしてリュックサックの中から一本の麻縄を取り出した。
 麻縄はかなり使い込んでいるようで、うす黒く汚れている。
 刑務所暮らしの間、このようなものを一体どこに隠し持っていたのだろうか。
 原口は慣れた手付きで球を縛り始めた。
 球の意識はまだ朦朧としている。
 原口は早速球を縛りはじめた。
 両腕を背中側で組み、その腕を束ねるように縛った所を起点とし、背中の中央を展開点として上腕と胸元に縄をかけていく。
 後手縛りの完成である。

「お願い……ひどいことはやめて……」
「けっ!よくいうぜ。逃げようとしたくせに」

 原口は球の哀願を鼻先でせせら笑った。

「さあ、立ちな。ほかの部屋を案内してもらおうか」

球は立ち上がろうとしたが、両手を後手に縛られているため、バランスを崩し倒れそうになった。

「おっとっと、危ねえぜ、お嬢ちゃん」

 よろめく球を分厚い身体が受け止めた。
 ぷんと匂う男の体臭が球の鼻をつく。
 原口にかかえられるようにして球は廊下を戻り、ふたたびリビングルームに入った。
 左側には大きなピアノ、そして右側にはソファが配置されている。
 原口はぐるりと部屋を見渡した。

「おまえところはなかなかの金持ちのようだな?」
「そんなことないよ」
「隠しても無駄だぜ。調度品を見りゃ俺だって分かるさ」
「……」
「さっきの続きをしようじゃねえか?」
「さっきの続き?」
「へへへ、そうだよ。台所でせっかくいいとこまで行ってたのに、突然逃げたりするから中断してしちまったじゃねえか。なあ、おまえは名前は何て言うんだ?」
「……球」
「球か? 珍しい名前じゃねえか。俺は原口って言うんだ」
「……」
「ははははは、脱獄犯の名前なんてどうでもいいよな? まあ、それはいいとして……」

 原口はそういった後、ふたたび球のスカートの中にその厳つい手を忍ばせてきた。

「きゃぁ~~~!」




第6話「巨大な肉柱 圧倒的な雄の存在」

 ショーツはすでに剥ぎ取られていたため、防御のない球の下半身はいとも簡単に原口の侵入を許してしまった。

「ひぃ~~~!」

 強い力で身体を押さえつけられ、亀裂に指を突き立てられた球は涙声で哀願した。

「へっ、泣いても無駄なこった。女の涙なんてこの俺には通用しねえぜ。覚えておきな。さあ、そこのソファでいいことしようじゃねえか」
「いやっ……」
「おい、そこに座れ」

 両手を後手に縛られた球は、原口に押し倒されソファに尻餅をついてしまった。
 尻餅をついた瞬間、スカートはめくりあがり下穿きを失った下半身が丸見えになってしまった。
 手を拘束されているためスカートで隠すこともできない。

 球の前に仁王立ちした原口はズボンのベルトを緩めはじめた。
 原口がベルトを緩め、ズボンと下着を下ろすと、腹につくほどに反り返った巨大な肉柱が球の目の前に姿を現した。
 肉柱には脈打つ血管が浮き上がり、皮がずる剥けで巨大な亀頭が黒光りしている。
 球は彼氏の肉柱しか見たことがなかったが、原口のそれは彼氏のモノより長さも太さも比べ物にならないほど巨大だということは一目でわかった。
 その圧倒的な雄の存在から思わず視線を逸らせてしまった。
 肉柱から漂う濃厚な雄の臭いが球の鼻腔を突いた。

「これをしゃぶってもらおうか」
「いやっ……」
「俺の命令に逆らえると思っているのか。逆らうとどうなるか教えてやろうか?」

 原口は左の頬に強烈なビンタを浴びせた。

「いたっ!」
「二発目を食らいたくなけりゃ、黙って咥えろ!」

 原口に一喝され、球は小さく口を開いた。
 しかし顎から力は抜けており、原口が強引に肉柱を押し込んでくると、一気に侵入を許す結果になった。

「う、うぐ……」

 球はうめいた。
 口内奥深くまで肉柱を咥えさせられては、泣き言を吐くことすら不可能である。
 呼吸が苦しいだけでなく、鼻に当たる陰毛も不快だ。
 顔をしかめていると、原口は左右から球の顔を掴み、口内の肉柱を出し入れし始めた。
 まるで、口を性器に見立てているかのように、腰を突き出してくる。

「もっと舌を使うんだ」
「うんぐ……ぐぐ……」

 肉柱の先端で喉を何度も小突かれて、陰毛の不快感どころではなくなった。
 原口は、自分の腰だけでなく、両手でつかんでいる球の顔も、無遠慮に前後させていた。
 球は屈辱と息苦しさに震えながら、大粒の涙を流した。
 落とした涙が咥えている肉柱にポタリとしたたり落ちた。
 涙には関心がなさそうに原口は腰を動かせる。

「かなりうまくなって来たぜ。やりゃあできるじゃねえか。へへへ」

 後手に縛られている球は、おぞましい物体を口だけで受けている。
 ジュポジュポという淫靡な音が鳴り響いている。

「へへへ、効いて来やがったぜ。さぁて、それじゃ、そろそろぶち込むとするか……へへへへへ」
「いや! いやです! それだけは許してください!」

 球は咥えている肉柱を吐き出し原口に訴えた。

「この期に及んでよく言うぜ。さあ観念しな!」
「お願いです! それだけは許して!」
「ちぇっ! うるせい! さあ、股を開きな!」

 胸元を小突かれた球はバランスをくずしソファに倒れ込んだ。

「きゃっ!」

 原口は球の両足をつかみ、左右に広げようとしたが、球が足をばたつかせ懸命に抵抗する。

「やめてっ!」

 すでにショーツを剥ぎ取られているため、恥部を隠すことができない。
 深く縦に走る陰裂が露わになっている。
 球は足をばたつかせ抵抗するが、強引に足を割り裂き広げる原口。

「いやぁ~~~!」
「パックリと裂けて中が丸見えじゃねか。けっけっけ~」

 原口は卑猥な笑みを浮かべて舌なめずりをする。
 そして猛然と恥部にしゃぶりついた。

「きゃぁ~~~~~~!」

 チュチュチュチュとわざとらしい音を立て吸いつく原口の唇。

「ひぇ~~~!」

(ペチョペチョペチョペチョ……)

「いやぁ~~~!」

(ベチョベチョベチョベチョ……)

 秘所全体を隈なく舐めつくし、陰裂に舌を挿しこむ。

「ううっ! や、やめて! お、お願い! やめて~~~~~~!」
「っるせえんだよ!」

 原口は球を一喝し、ふたたび平手打ちがさく裂した。

「ううっ……ぼ、暴力はやめて……」
「殴られるのが嫌なら、ぎゃあぎゃあ騒ぐんじゃねえよ! おとなしくしろ! いいな!」
「うううっ……」

 球はしくしくと泣きじゃくる。

(ベチョベチョベチョベチョ……)

 抵抗の意欲も薄れた球は脱力し、翻弄されるがままに身を任した。

「さあてと、それじゃあ、入れてやるか。でへへへへ、すげえ久しぶりで、よだれが出そうだぜ」

 原口の目はまるでかよわい野兎を追い詰めた猛獣のようにギラギラと血走っている。
 ゆっくりと重量が球にのしかかってくる。
 もがいてはみるが球の抵抗を物ともしない。
 おぞましい唾液で濡らされて光る亀裂に怒張した肉柱を宛がう。
 しかし球は最後の抵抗を示し、挿入がうまくいかない。

「おい! 大人しくしねえか! またぶたれてえのか?」
「いや! 絶対にいや! お願いだからやめて~~~!」

 必死の哀願も空しく、巨大な肉片はついに少女の花芯を貫いた。




第7話「不本意な濡光」

「いやあ~~~!」

 ズニュッと音を立てて踏み入る。
 亀頭が姿を隠し、さらには肉柱がゆっくりとめり込んでいく。

「ひぃ~~~……」

 膣肉をかき分けて奥まで挿入しても、ほとんど濡れていないせいで、原口としては満足のいくものではなかった。
 しかし征服欲だけは原口を満たした。征服欲の次に欲しいものは快感だ。

「濡れてねえからちょっときついぜ」

 恐怖におびえる球が濡れていないのは至極当然のことである。

「「い、痛い……や、やめてぇ……お願い……」
「無理だな。ケケケケ」

 冷徹な微笑を浮かべる原口。広げた太腿をしっかりとかかえて、腰を深く突き入れる。

「うううっ……うぐっ……」
「ケケケケケ」
「い…いたいっ……、あぁ、やめてっ……」

 原口は前後動を始めた。
 乾いた膣内に怒張したものを何度も突き込んでいく。
 しかし膣圧がすごく強烈に反発してくる。
 反発力のある膣ほど、挿しごたえがよいと言えるだろう。
 原口は構うことなく球を蹂躙する。

 まもなく花芯が潤い始めた。
 ようやく愛液が分泌され出したようだ。
 もちろん球が感じているわけではなく、異物の侵入に対する防衛本能からくるものだろう。

「ううっ……うぐぐぐ……いやぁ~……うう~……」
「へへへ、この肉の感触は何年ぶりだろうなあ。ムショに入る前にやったっきりだから、2年は経つかな? やっぱり女は最高だぜ」
「いや……いやっ……抜いて……お願いだから……」
「それは無理な注文だなあ。へっへっへ」

(ヌッチャヌッチャヌッチャ)

 白いブラウスのボタンを引きちぎり、ブラジャーをずらし剥き出しになった乳房を握り締めた。
 すべらかな感触を堪能しながら、肉柱の突き込みを繰り返す。
 一旦腰の動きを止め、球の顔にキスをした。
 頬にキスをし、鼻の頭にキスをし、唇とその周囲を舐め回す。

「てめえも舌を出せよ」

 原口は球の唇に自分の唇を寄せた。  
 しかし球は応じようとしない。露骨に嫌そうな顔をして、顔をそむける。

「舌を出せって言ってるだろうが」
「…………」

 原口は威圧する。
 球は涙を流しながら唇を開き、おずおずと舌を突き出した。
 原口は球の舌に吸いつく。
 舌と舌を絡ませ、しゃぶりつく。
 そうしながらも肉柱の抜き差しは決して怠らない。

 秘孔内は今やしっとりと濡れていた。
 腰を引けば肉柱が粘膜を滑るように抜け出る。
 腰を押し込めば肉柱は膣壁と擦れ合いながら奥を突く。
 潤いのおかげで出し入れがスムーズになったといっても、膣肉の締めつけはむろん健在だ。
 まるで、初めての男を必死に繋ぎ止めようとしているかのように、強く締まっている。
 女子高生の味を堪能しつつ腰の動きを強めていくと、久しぶりの快感が原口の乾ききった心を潤していく。

 原口は球を犯しながら、乱暴にブラウス下のブラジャーを引きはがした。
 後手に緊縛してしまっているため、ブレザーとブラウスを脱がすことができないのだ。
 形のよい乳房が露出した。
 
「へっへっへ、上はそのままでいいや。スカートだけ脱がしてやるぜ」
「いや、いや、いやぁ~~~!」
「うるせえんだよ!」

 平手打ちが球の頬に炸裂した。

「いたいっ!」

 一旦球から離れると、紺色のスカートのホックを外し、脱がしにかかる原口。
 簡単にスカートは剥ぎ取られ、足首に辛うじて残っているショーツと白い靴下が痛々しく映る。

「きれいな胸をしてるじゃねえか。どれ」

 原口は嬉しそうに目を細めながら、舌先で乳輪を舐めまわした。

「きゃ~~~!」

 舐めているうちに次第に乳首は尖っていく。

「あれ? 乳首が硬くなってきじゃねえか」

 涙目の球は身震いをしている。

「やめて……」
「やめてと言われたら、余計に責めたくなるのが男なんだよな。分かってねえな~」

 そう言い放つと、乳首に新たな刺激が襲った。
 原口が突然乳首をくわえると、強く吸ったのだ。

「あぁっ!」

 唇を離すことなく、息が続くまで強く吸引する原口。
 球がガクガクと震えたところで、やっと唇が離れた。

「乳首の感触が良すぎて、なかなか口が離れたくないってよ~。ガハハハハ~」

 原口は上機嫌だ。
 ふたたび乳首を口に含み、空いている方の乳房を搾るように揉みしだく。
 形のよい乳房が変形するほど、つよく揉みつよく吸う原口。
 与えられるつよい刺激に、球は耐えきれなくなっていた。

「あぁっ……やめてぇ……」

 チュパチュパ……チュウチュウ……卑猥な音と、球の切なそうな声が部屋に響く。
 飽きることなく乳房をむさぼる原口。
 時折「ジュジュジュッ!」と大きな音を立てて乳首を吸引する。

「だめぇ……」

 球の肉体がビクッと大きく揺らいだ。

「やめてとか言いながら、本当は感じてるんじゃねえのか?へへへ」

 球が困惑する様子を見て、わざと音を立てながら、頬が凹むほどに強く乳首に吸いつく原口。

「あぁ……やめてっ……」

 球は上体をのけぞらせ、ぶるぶると小刻みに震えはじめた。
 その様子を見ていた原口が乳首を甘噛みした。

「あぁぁぁぁっ……!」

 大きく身体を仰け反らし、球は気を失ってしまった。
 イってしまったのだ。

「あれれ、そんなに気持ちよかったのか?」
「……」
「高校生なのに、おっぱいだけでイっちまうとは、将来有望だぜ。がはははは~」

 原口は高笑いをしながら、かすかに濡れて光っている箇所に視線を移しニヤリと笑った。




第8話「野蛮なる巨根」

 ソファを背にしてもたれかかる球は、浅く腰を掛けていたため、ようやく臀部がソファに乗っている状態であった。
 原口は球の太股をエビのように折り畳んだため、縦に走る陰裂が丸見えになってしまった。
 屈曲位の体勢でふたたび球に挑みかかる原口は野獣と化していた。

「いやぁ……いたいっ……」
「はぁはぁはぁはぁはぁ~」

(ヌチュヌチュヌチュ……)

 滲ませた愛液がわずかであってもお構いなしに抽送を繰り返す。
 次第に滑りがよくなっていく肉道に、原口は満足そうな表情を浮かべ豪快に腰を動かす。
 原口の肉柱があまりにも巨大であるため、深く挿入してもすべてが入りきらない。
 その証拠に、原口が腰を引いたときときおり覗く接合部は白濁色にまみれているが、肉柱の根元はまったく付着していない。
 弓なりに反り返った肉柱が球を激しく犯しつづける。
 球の喉奥からは苦悶にあえぐ声が漏れていた。

 ソファに肘を着け四つ這いになり、尻を突き出すよう指示された球は泣く泣く従ったが、もっと上げろと命じられ尻を強く打たれた。

「うううっ……打たないで……」
「へへへ、尻を叩くと締りがよくなるんだよ」

 まったく根拠のない持論を述べながら、ふたたび肉柱を押し込んだ。

「ひぃっ!」
「どうだい、気持ちいいだろう? どうだ?」
「い、いたいっ!ああっ……、いたいっ……!」

 苦痛に歪む球の顔。
 腰をがっちりとつかみ激しく腰を前後に振る。
 そして間もなく球に屈辱を与える言葉が飛び出す。

「おめえ、無理やりやられてても濡らすタイプか!ぐふふ、濡れて来たじゃねえか」
「いやっ!そんなこと言わないで!」

 皮肉にも痛みが和らぎ、肉柱を潤滑に迎え入れるようになってきた。

「どうだい? 彼氏でもない俺に濡らされる気分は?」
「やめてぇ……、お願いです……やめて……」
「安心しろよ、おめえは『あんあん』わめいてりゃいいんだから。中に出してやるまであんあん言ってな」
「な、中になんてダメ……!」
「おめえに選択権なんてねえんだよ。おめえは俺に犯されて中出しされることが決まってるんだよ」
「何で中出しなんてするんですかっ!」
「ん?気持ちいいからさ」
「き、気持ちいいから……?女がどうなるか考えたこと……」
「ねえな! ああ、うるせい! 四の五のぬかすんじゃねえ! おめえはあんあん言ってりゃいいんだよ!」

 さらに激しさを増す腰の動き。

「ああん……!あっ……!いやっ……!」

 球はこんな状況であえぎ声を漏らしてしまう自分が情けなかった。

(ごめんね……浩治……許して、浩治……)

 浩治の顔が頭に浮かぶ。そんな球を背後から犯す原口。

「女子高生をバックで犯すって最高だぜ! ほら、もっとケツ上げろよ! ほらっ!」
「ああんっ……! いやっ……!」

 悲しいくらいに結合部からネチャネチャという水音が聞こえる。
 原口のされるがままに犯される球。
 なすすべなく後背位で巨根に突き上げられ、激しく喘いでしまう。
 凌辱されて感じている自分が情けなく思えた。
 彼氏である浩治への罪悪感も加わり、球は胸が苦しくなる。
 その胸を背後から無遠慮につかみ荒々しくいたぶる。
 原口はまるで球の心までも蝕むかのようにその柔らかい胸を揉みしだいた。

 原口のそれはまるで獣の交尾を彷彿させるほど、野卑で獰猛な行為に見えた。
 フィニッシュが近づいたようである。

「はぁはぁはぁ~、ううっ、もう出そうだぜ~!」
「ええっ……? 抜いて! お願いだからもう抜いて!」

 球は必死に原口に訴え掛けた。
 しかし、原口に抜く気配はまったくなく、むしろ巨根を深く押し込み抽送運動が激しさを増した。

「いやあ~~~~~~~! やめて~~~~~~~! 中に出さないで~~~~~~!」
「うるせえんだよ~~~! ぎゃあぎゃあほざくな~~~! いまさら抜いて堪るか~~~~~!」
「いや~~~~~!」
「おおっおおっおおっ、おっ! おおおっ! おおっ! おおおおおおおおおお~~~~~~~!」

(ドッピュ~~~~ン!)

 雄叫びのような原口の声とともに、熱い液体が球の体内に大量に放出された。

「やめて~~~~~~~~! 離れて~~~~~~~!」

(ドックンドックンドックン……)

 押し込まれた野蛮な巨根から逃れようと、放出中も球は必死にもがいた。
 しかし、抵抗しようにも無防備な体勢で犯されているため、なすすべがなかった。
 前面にソファがあって動きを封じられていたことも、もしかしたら原口の計算ずくだったのかもしれない。

 球の膣内におびただしい精液が注ぎ込まれた。
 原口は放出中、できるだけ奥深くに発射しようと腰を押しつける。
 最後の一滴が球の中に注ぎ込まれた頃、球は脱力感に襲われていた。
 泣き過ぎて涙も枯れてしまったのだろうか、虚ろな瞳で、自失呆然としていた。




第9話「理不尽な食卓」

 まもなくぐったりと横たわる球から原口が離れた。
 だらしなく萎えた物体が、一戦終えたことを彷彿させるように生々しく光っていた。

「ティッシュはどこにある?」

 球は返事をしなかった。
 いや、正確にいうと返事ができなかった。
 自失呆然としている球に、原口の言葉など耳に届くはずもなかった。

 原口はきょろきょろと辺りを見回している。
 まもなくぬいぐるみのティッシュケースを見つけると、引き千切るように数枚取り出した。
 そして自身にのモノを拭ったあと、さらに数枚取り出すと球の秘所にティッシュをあてがった。
 球は脚を閉じ拒もうとしたが、原口はそれを許さない。

「へっへっへ、俺が拭いてやるよ。こう見えても俺は女にゃやさしい方でね」

 原口は薄笑いを浮かべながら、球の秘所を丁寧に拭いてやった。

「おい、腹が減ったぞ。さっき作りかけてたものを温めろよ」
「じゃあ、縄を解いてよ」
「そうだったな。縛ったままだと料理は作れねえよな。解いてやるけど妙な考えは起こすなよ。いいな」
「分かったわ」

 球は縄を解かれ、キッチンに戻った。
 背後には原口が金魚の糞のようにぴったりとつきまとっている。
 料理がしにくいから離れるよう頼み、原口はすごすごとテーブル席に腰をかける。

「途中だったからもう少し時間がかかるよ」
「もう包丁は使わねえんだろう? タマネギは切れてたし」
「うん」

 球はフライパンに少量の油を注ぎ熱し始めた。
 警戒心の強い原口は至近距離に包丁を置き、注意を怠らない。
 球が逃げ出したりしないか不安で仕方がないのだ。
 原口の椅子が徐々に球の背後ににじり寄る。
 球に手が届く位置まで近づき、ときおり尻を触ったりとちょっかいを出す。
 堪りかねた球が料理中は危ないから触れないでくれと釘を刺す。

「ねえ、もう少し離れてくれない? 料理しにくいから」
「ん? じゃまか? けどよ、妙な気は起こすなよ。いいな」

 原口が念を押す。

「分かってるよ」

 ジュウジュウと油が弾ける音がする。
 フライパンが熱くなった証拠だ。
 しゃもじで冷や飯を入れかき回す。
 そしてすでに切り終えた材料を入れ調味料と油を加え炒め出した。

「さっきは気持ち良かったか?」
「……」
「おい、どうなんだ?」
「え? 炒める音で聞こえないよ」

 球は調理の手を止めて、振り返った。
 原口はもう一度たずねると、球は即座に答えた。

「いいはずないじゃない」

 球は目を吊り上げて言い放つと、ふたたび炒飯を中火弱で炒める。

「ふうん、そうか。良くなかったか。じゃあ、いい気持ちになるまでかわいがってやるとするか。へへへ」
「……」

 球は原口の言葉を無視し、黙々と調理に専念した。
 まもなく炒飯ができあがり二枚の皿に盛られた。
 先にできあがっていた中華スープも二つの椀に入れられ、冷えた麦茶がガラスコップに注がれた。

「できたわ」

 球は原口に告げると、テーブルに食事を運んだ。

 ふたりは食卓に向かい合う。

「うまそうじゃねえか。じゃあ、いただくぜ」

 球は沈黙した。
 原口は飢えた獣のようにガツガツと食べ始めた。
 球は原口の掻きこむように食べる様子を見ていて、あらかじめ彼の皿の盛りを多めにしておいたことが正解だったと思った。
 球はスープを少しだけ口にしたが、炒飯はほとんど口にしなかった。
 それは当然のことだろう。
 突然、脱獄犯が住居に侵入して来て、その男に散々犯されたあげく、さらにいっしょに食事をとらなければならない状況になってしまって、食が進むなどあろうはずがなかった。

「おめえ、食わねえのか?」
「うん……欲しくない……」

 返事が重い。

「ふん、俺がそばにいると食えねえってぇのか? そうか。まあ、仕方ねえや。じゃあ、おめえの飯、俺が食ってやるからよこしな」

 さすがは巨体に相応しくよく食べる。
 瞬く間に、球が残した炒飯を平らげてしまった。
 そしてコップの麦茶をごくごくと流し込む。

「ふ~、食った食った~。うまかったぜ~」
「……」
「なんだよ、その不貞腐れた顔は」
「……」
「そのつらそうなツラを見てたら、またムラムラして来やがったぜ。さあ、こっちへ来な」
「……」

 球は立とうとしない。

「来いと言ってるのだ」

 語気を荒げる原口。
 その言葉の裏には「来なければただでは済まさない」という韻が含まれているように思われた。
 球は心ならずも従った。

「膝に座れ」
「……」
「聞こえないのか? 座れと言ってるのだ」
「……」

 球は涙をのんで原口の指示に従った。
 いや、従うよりほかなかった。
 球は泣く泣く原口の膝に、後ろ向きで座った。
 がっちりとした太股が尻に触れ、球に虫唾が走る。
 原口は間髪入れず、スカートの中に手を差し込んできた。
 ショーツはすでに剥ぎ取られているため、じかに秘所に触れる。

「いや……」

 野卑な指が亀裂をなぞった。
 さきほどの不条理な交尾のぬめりがまだ残っている。
 原口はにやりと笑うと、ふたたび蹂躙を始動させた。

「もう許して……」




第10話「羞恥のM字開脚縛り」

 原口は球の訴えを軽く一蹴した。

「お願い……あと一回だけなら我慢するから、済んだら出ていって……お願いします……」

「あと一回だけだと? それは無理な注文だな。楽しみはこれからだぜ……エヘヘヘ」

『楽しみはこれからだ』と、ふてぶてしく語る原口に球は深い絶望感に襲われた。
 この先原口はどんなことを企んでいるのだろうか。

「うっ……いたっ!」

 その時、球の局部に痛みが走った。
 原口の手がスカートから出てきた。
 指先に何かをつかんでいる。

「……!?」

 よく見ると、縮れた毛が二、三本つままれているではないか。
 しばらくは言葉を失った球であったが、まもなく我に返り、原口に激しく抗議をした。

「何をするの!」
「別に大したことしねえぜ。邪魔だと思ったからちょっこら抜いてやっただけだよ」
「どうしてどんな酷いことするの!」
「うるせいな~! つべこべぬかしやがったら、残らず抜いちまうぞ!」
「冗談はやめて!」
「冗談じゃねえぜ。俺はやると言ったらやるぜ! だけど俺も人間だ。おめえに痛い目させるつもりはねえよ。その代りにツルツルに剃ってやるぜ~!」
「きゃあ~!、そんな~~~!」
「ギャーギャーうるせえんだよ。騒ぐんじゃねえ~!」

 激高した原口は猫脚椅子に球をロープで縛りつけてしまった。
 両手は椅子の肘掛に固定され、両脚はM字開脚の状態で固定されているため、脚を閉じることもできない。
 また声を封鎖するため、口には猿轡の役目としてタオルが噛まされている。

「ううっ……うぐぐぐっ……」
「ちょっとの間、静かにしてもらおうか」
「ううっぐっ……うぐうぐっ……」
「ぐふふ、スカートをまくってやるぜ」

 スカートがまくりあげられてしまった。
 すでにショーツを剥ぎ取られているため下半身を覆うものは何もない。
 さらにM字開脚で椅子に結わえられたことによって、恥ずかしい部分が丸出しになってしまった。
 繁みの真下には縦に亀裂が走り、亀裂内部のサーモンピンクの肉襞までが顔を覗かせている。
 球は膝を閉じその辱しめから逃れようと試みるが、硬く縛った荒縄はぴくりともしなかった。
 原口はわざと顔を近づけ、卑猥な言葉を並びたてる。

「ほほう、まんこの中はきれいな色をしてるじゃねえか。まだ黒ずんでいないところを見ると、まだ経験は少ないようだな?」
「うううっ……」
「その彼氏とやらはまだ一人目か?それとももっと多いのか? へへへ、どうなんだ?『一人目』なら首を縦に振れ。『二人以上』なら首を横に振れ。いいか?」
「……」
「おい、どうなんだ?」

 原口は飛沫が顔にかかるほど至近距離で球に問い続けた。
 球は半泣きになりながら首を縦に振った。

「へへへ、そうか。一人目か。今、楽しいんだろう?」
「……」
「首を振って答えろ」

 球は首を縦に振った。

「そうか、楽しいか……。ふん!妬けるぜ!」

 原口は突然、中指を亀裂にねじ込んだ。

「うぐっ!」

 先程不本意にもわずかに濡らされたが、今はすっかり乾いている。
 厳つい指が乙女の花園を蹂躙する。

「うううううっ……!」

 髪を振り乱して拒絶をする球。
 指は容赦なく、肉壷をかき回す。
 濡れていないのでかなり痛む。
 球は顔をしかめ、腰をよじりながら、懸命に耐えた。

「でへへ、夜はこれからだぜ。さあて、たっぷりと可愛がってやろうじゃねえか。その手始めにちょっこら面白いことを思いついたので、そいつからおっぱじめようか? へっへっへ、楽しみにしてな~」

 現在椅子にM字開脚で縛られ、指でなぶられている。
 この上、まだ何をしようというのか。
 狂気に満ちた原口の行動に、球は血も凍るような恐怖を感じた。

◇◇◇

 原口は球のそばから離れ洗面所の方へ向かった。
 はたして何をしに行ったのか。
 球はいぶかしく思った。

 まもなく原口はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて戻ってきた。
 手には洗面器を持っている。
 洗面器を球の足元に置いた。
 湯気が上がっている。湯が入っているようだ。
 洗面器のほかに何やら持っており、それを洗面器の横に置いた。
 それは安全カミソリと、球の父親が使っているシェービングフォームであった。
 原口がここで髭を剃るはずがない。
 球は原口の意図を察知し、顔色を変えた。
 悲しいかな球の予想は的中した。
 原口がシェービングフォームを手にすると、球は首を横に振り拒絶の態度を示した。

「おめえは勘がいいな。今から何をされるか分かっているようだな。へっへっへ、説明の手間は省けたってもんだよ。さあて、そんじゃ今からお股をツルンツルンに剃ってやるぜ。楽しみにしてな~。産まれた時の姿に戻るのも悪くはねえぜ。へっへっへっ」

 球は懸命にもがいてみたが、椅子に緊縛され目隠しをされているために、弱々しい抵抗しかできなかった。
 球には現在付き合っている彼氏がいる。
 今度彼氏と愛し合ったとき、大切な箇所が無毛になっていたいたとしたら、彼氏はいったいどう思うだろうか。
 暴漢に襲われ剃毛されたこと、肉体を奪われたことを正直に彼に打ち明けらることができるだろうか。
 いや、それよりも、この難局を無事に乗り越えることができるのだろうか。
 陵辱の渦中にある現在、球としては先々のことを考える余裕などまったくなかった。
 突如降り掛かったこの災禍から脱出することが先決なのだから。




第11話「鏡に映った無毛痴態」

「じっとしてろよ。動くと大事な場所を切っちまうぜ。ぐふふ」

 ドスの利いた低い声が耳に突き刺さる。
 その一声だけで球の動きは封じられてしまった。

 原口がシェービングクリームを、球の陰毛に隈なく塗りこんできた。
 シェービングクリームの冷たい感触に、腰をびくつかせる球。
 原口はその外見とは裏腹に丁寧な指遣いで、泡だったクリームをしっかりと広げていく。
 やがて塗り終わると、ふたたび「動くなよ」と球に釘を刺すと、カミソリを構え慎重に陰毛を剃っていった。
 今日突如家に侵入してきた原口に、大切な箇所の毛を剃り落とされてゆく球。
 その冷たい感触に、球は身をよじろうとするが拘束されているため思うように動けない。
 球の恥丘を、指とカミソリを丁寧に走らせ、原口はあっという間に剃毛してしまった。
 無毛の状態になってしまった球の恥丘とともに、サーモンピンクの美しい花裂が眼前に現れた。

「よし、終わったぞ。へっへっへ、ツルツルマンコと言うのも、なかなか可愛いもんだぜ。ふうむ、このままだと石鹸まみれだから、濡れタオルで拭いてやるから、ちょっと待ってな」

 原口は台所の温水でタオルを濡らし戻ってきた。
 球の恥丘を濡れタオルで拭う。

「ううっ……」

 恥丘を拭いていた原口は、なにを思ったのか、突然包皮をめくると、念入りにクリトリスを念入りに拭き始めた。

「うぐうぐっ!」

 恥丘とは違って、クリトリスは粘膜でできており、女性に性的な快感を起こさせる8,000以上の神経が高密度に集まっているため、ちょっとした刺激にも敏感に反応する。
 そのため濡れタオルで軽く擦るだけでも強烈な刺激を与える。

「ううっ!」
「へっへっへ、隅々までちゃんとクリームは拭っておかねえとな。さあ、きれいにしてやったぜ」
「……」
「どれ、おめえも見てみたいだろう? ツルツルになったマンコを。鏡はどこにある?」

 原口はそうつぶやきながら、部屋内を探し始めた。
 しかし部屋内には鏡は見当たらなかった。
 球の猿轡を解いて尋ねるのも面倒と思ったのか、原口はそのままふらりと部屋を出ていった。
 球や母親など女性の部屋、もしくは洗面所にあるものと考え、探しに行ったのだろう。

 球は気が気ではなかった。
 自分の部屋にはたとえ家族でもあまり出入りして欲しくないもの。
 ましてや見ず知らずの男に部屋内を物色されるなど、とても耐えられなかった。
 しかし身体を拘束され、さらには口も封じられている状態では、原口の行動を阻止するすべなどなかった。

◇◇◇

 まもなく原口が戻ってきた。
 驚いたことにふだん母親が使っている三面鏡ドレッサーを軽々と抱えている。

(まさか……)

 洗面所に置いてある手鏡を持ってくるものと思っていた球は、原口の大胆な行動に唖然とした。

「待ちくたびれただろう? 三面鏡を借りてきたぜ。どこに置こうか……?」

 そうつぶやくと、球の真正面に三面鏡をどんと置く。
 三面鏡に映った自身の破廉恥な姿が否が応でも球の目に飛び込んできた。
 さっきまであったはずの股間の黒い翳りがすべて除毛され、恥かしい秘裂までが丸見えになっている。
 しかもM字開脚にされているため、秘裂内部の美肉までが覗いている。
 
(ダメ! 見たくない!)

 屈辱的な痴態を見せつけられた球は、まるで後頭部を鈍器で殴られるような衝撃を受けた。
 懸命に抗議をしようとするが、口惜しいかな猿ぐつわをされているので声にならない。
 憎き原口に首を横に振って拒絶を示すしかほかになかった。

(鏡をどこかにやって!)

「へっへっへ、どうだ? きれいさっぱり剃りあがった自分のツルツルマンコを拝む気分は? ぱっくりと割れて奥まで丸見えじゃねえか。がっはっはっは~!」

(いやぁ……そんな恥ずかしいこと言うのはやめて……)

 恥辱に耐えきれなくなった球は顔面を紅潮させて、鏡から視線を逸らせた。
 上半身も心なしか赤らんでいる。

「おい、せっかく三面鏡を運んできてやったんだ。しっかりと見ろ。聞こえねえのか? 真っ直ぐ鏡を見るんだ!」

 原口は球の両顎に手を副え、むりやり三面鏡に目を向けさせた。

(いやっ……見たくない!)

 涙をポロポロ流す球に、原口は非情の微笑を浮かべる。

「へっへっへ、マンコの中を見られるのは恥ずかしいか?」
「うぐぐっ……」
「それじゃあ、中が見えないようにしてやろうか?」

(……?)

 原口はすくっと立ち上がると冷蔵庫に開け、何やら物色を始めた。
 いったい何を探しているのだろうか。

(アソコの中が見えないように……と言っていたけど、いったいなにを考えているのかしら……)

 不安が心をよぎった。

◇◇◇

 まもなく原口が戻ってきたが、彼が持っている物を見た球は愕然とした。
 原口が持っていた物は、長さが25センチメートル、直径が4センチメートルある魚肉ソーセージであった。




第12話「極太ソーセージはどこまで入る?」

「でへへへへ、これが何か分かるか?」

(うぐぐ、うぐっ……!)

 原口は極太の魚肉ソーセージを見せつけ、性具を連想させるかのような卑猥な笑みをこぼし球を威嚇した。
 球はもう18才、原口が画策することは十分に理解できる年齢である。
 予期しない食品の登場に、球は驚愕と狼狽を禁じ得なかった。
 市販のソーセージとしてはかなり大きな部類になるだろう。
 原口は極太ソーセージの端部についている金具を鋏で切り落とし、ソーセージを包装しているビニールを剥き始めた。
 作業の最中、球の方をチラリと見ては、ニヤリと薄笑いを浮かべている。

「へっへっへ、おめえ、まだ飯を食ってなかったな~?」

(うぐぐぐ!)

「腹減ったろう? この極太サイズのソーセージを食わしてやるぜ。ただし下の口にな。でへへへへへ」

(うううっ!)

 サイズは原口のモノよりさらに大きい。
 こんな極太サイズのソーセージなんて絶対に無理だ。
 球は首を横に振り懸命に拒絶の態度を示した。

「まあ、そう嫌がるなよ~。さあ、食いな~!」

 原口は親指と人差し指を宛がい、小陰唇をムギュッと広げる。

(いや~~~~~~っ!)

 極太ソーセージが秘所に密着した。
 小陰唇が覆われて見えなくなってしまうほどの大きさだ。
 原口が極太ソーセージを握り、ねじ込もうとするが容易には入らない。

「へっへっへ、こりゃあ、簡単に入りそうもねえや。しかしマンコってのは、少々デカイものでも入るようにできてるんだ。ふふふ、絶対に入るはずだぜ」

 原口の手に力がこもる。
 まるでねじ回しを回すようにグイグイねじり始めた。

(うううっ!!)

「ふう~入らねえや。ソーセージが太すぎるのかなあ。だがよ、無理にでも入れてやるぜ」

(うぐぐっ! やめてよ~~~! そんな太いの、無理だよ~~~!)

「やっぱり無理か……濡れ方が足りねえか?じゃあ、クリを擦ってもっと濡らしてやるか」

 原口は吐き捨てるようにつぶやくと、ソーセージを2センチほど挿しこまれて腫れあがっているにもかかわらず、陰裂上部にあるクリトリスを擦りはじめた。
 敏感な個所を擦られた球はたちまち火が点いたように悶えた。
 女子高生が大開脚で椅子に縛られて、秘所にソーセージを咥えさせられたうえに、クリトリスまでなぶられる。
 何という淫猥な構図であろうか。
 原口の陰湿なところは、責める姿がすべて球の目に触れるように、わざと鏡を前にして行なっていることである。

(んぐぐっ……!)

「へっへっへ、どうだ? ソーセージをぶち込まれたうえにクリトリスをいじめられる気分は。だんだんねっとりと濡れてきやがったじゃねえか。こりゃ面白くなってきたぜ。もっと濡れやがれ! びしょびしょになって、この極太ソーセージをマンコの奥まで咥え込むんだ!」

(うううっ……うぐぐぐっっ……)

 原口の指はまるでローターと化し、小刻みに敏感な箇所をもてあそぶ。

「だいぶ濡れてきたな。そろそろ極太を奥まで挿し込んでやるとするか」
「ううっ……うううっ……!」

 原口はクリ責めの手をゆるめ、極太ソーセージ挿入に専念した。
 潤滑油があるとすべりが違う。
 先程あれほど苦労した極太ソーセージがゆっくりと食い込んでいく。

(グググ……)

「うううっ……!」

(グイ……グイ……)

「うううっ……!」

 すでに3センチメートルは沈みこんだ。
 極太ソーセージを咥え込んだ大陰唇は苦しそうに膨れあがっている。
 原口は口をあんぐりと開け、今にもよだれを垂らしそうな表情で凝視している。

(グイグイ……)

「ううっぐっ……!」

 極太ソーセージは着実に奥地へと侵攻していく。
 肉道はピッチリ詰まって1ミリメートルの隙間もないだろう。
 原口はまるで大型のドライバーでも捻るかのように、ソーセージを押し込んでいく。
 球の額には大粒の汗が滲み、少し苦しそうに眉をひそめている。

「へっへっへ~、気持ち良いのか?」
「うぐっ……うぐぐ……」

 異様に太い物体を無理やり押し込まれ苦しさはある。
 だが、苦しさの奥には、かすかに悦楽の炎がちょろちょろと燃えている。
 その炎が次第に大きく変化していくのに、多くの時間を要しなかった。

「くぅ…っ……ううっぐ……」

 すでに7センチメートルは入っただろうか。
 極太ソーセージを呑み込んで小陰唇が広がって苦しそうに見える。
 エロティックというよりも少々変態染みた光景といえるだろう。
 最奥まで押し込もうとする原口の眼光はまるで野獣さながらに輝いている。

「ううう……うぐぐっ……!」
「どうだ? 気持ちよくて死にそうか?」
「うぐぐぐっ!」
「突き当りか? やっと一番奥まで入ったぞ。実に見事な光景じゃねえか。ふう、ちょっと休憩だ。おい、おめえはそのま極太ソーセージを咥えてな。へっへっへ」

 原口はすくっと立ち上がると冷蔵庫の扉を開け、缶ビールを出して来てグビグビと飲みはじめた。




第13話「おぞましき口移しビール」

「ん……どうした? おめえも飲みたいのか? 飲ませてやろうか?」

 球は首を縦に振った。
 喉が渇いたのだろう。
 原口は球の猿轡を解いてやった。

「ふう~……」

 球は長時間に及ぶ猿轡にかなり疲れた様子で、大きく呼吸をすると、原口に訴えた。

「ビールは飲めないの……水をください……」
「ほう、ビールは飲めねえのか? まだガキだもんな。だがよ、こっちの方はもう立派な大人だぜ。でへへへ」

 原口は極太ソーセージの突出している部分を軽く小突いてニタリと笑った。

「見れば見るほどいいマンコしてやがるぜ、へへへ。後から俺の鉄柱をたっぷりとご馳走してやるぜ。楽しみにしてろよ。ところでビールを飲んだことがねえのか?」
「ないです……」
「一度飲んでみろよ。美味いぜ」
「みず……水が欲しいの……」
「俺が薦めるビールが飲めねえって言うのか!?」

 原口は急に険しい形相になり、球の顎をつまみあげた。
 だが拘束されている球は抵抗ができない。

「な、なにをする気なの!?」
「へへへ、ビールを飲ませてやるぜ」

 原口は吐き捨てるように言うと、缶ビールを一旦自身の口に注ぎ込み、すぐさま口移しで球に飲まそうとした。

「いや!やめてっ!」

 拒絶する球にひるむこともなく原口は強引に唇を押しつけた。

「んぐっ……!んぐぐぐっ!」

 見ず知らずの野卑な男から口移しでビールを飲まされる口惜しさ。
 球にとって、それはある意味、犯されることに匹敵するほどの屈辱であった。
 椅子に緊縛された状態では逃れるすべもなく、あえなく原口の唾液の混じったビールを口に含まされた。
 原口が口に含んでいたのでかなり生ぬるい。
 球は不快感をもよおし堪りかねて吐き出した。
 球の吐き出したものは原口の顔面にダイレクトに振りそそいだ。

「このアマが~~~~~!」

 顔にビールをかけられた原口は鬼の形相と化し、球の頬を平手で打った。

「うっ!」
「くそ~! 口移しで飲ませてやったビールを俺の顔にぶっかけやがって~! よし、こうなりゃ、無理にでも飲ませてやるぜ!」
「いや~~~! やめて~~~! ビールは飲めないよ~!」
「うるせんだよ! さあ飲むんだ!」

 原口は、今度は口移しではなく、直接缶ビールを球の口に押しつけた。

「うぐぐっ!」

 むりやり飲まされるのは、例え水であっても苦しいものだ。
 ましてや飲んだことのないビールを飲まされるのは苦痛以外なにものでもない。
 怒り心頭に発した原口は、ためらうことなく缶ビールを球の口内に注ぎ込む。

「ううっ……うぐぐっ……ゴク……ううっ……げぼっ……ううっ……!」

 球はもがき苦しみながら缶ビールを飲んだ。
 口に収まりきれなかった液体は溢れ、首筋から乳房へと伝っていく。
 苦しさと口惜しさで涙がとめどもなく溢れた。

 ふたたびプルトップを開ける音がした。二本目の缶が開けられ、球の口内に注ぎ込まれていく。
 ときおり原口自身が口をつけるが、ほとんどが球に与えられた。

(ううっ……苦しい……どうして私はこんなに酷いことをされなければならないの……?)

 初めてのビールを強引に飲まされた球の身体中に、アルコールが染み渡るのに多くの時間を要しなかった。
 顔が火照りはじめ、ほろ酔い加減に陥った。
 まもなく酔いが回り、酩酊が球を支配しはじめた。
 酩酊は抵抗する意欲を奪いとり、平衡感覚が失われていく。

「へへへ、缶ビール二本で酔っちまったか? 俺が介抱してやるから安心しな~」

 秘所に挿し込まれていた極太ソーセージは、いつのまにか引き抜かれていたが、それに代わって原口の怒張したイチブツが球を貫こうとしていた。

「やめて~~~!」

 極太ソーセージには及ばないが、西洋人サイズといっても過言ではないほど大きい。
 しかもソーセージであればいくら大きくても先端が反り返ったりはしないが、原口のそれは弓なりに反っている。、
 亀頭が大きいうえに、ポール本体が反り返っていれば、明らかに女性に深い悦びを与えることが可能となる。
 もしも神が存在し、男子を造形する際に意図して男根を創造したならば、その精巧さは実に理に適っており、神とは女体の神秘を知り尽くした猛者なのかと思ってしまう。
 猛者の創造した猛々しき男根が、球の秘孔目掛けて食い込んでいく。
 おそらく神はこのような悪行をなす男子のために猛々しい肉柱を創造したわけではなかったろうに。

「ううっ!いやぁ~~~!」
「でっへっへ、さっき、ぶち込んだばかりなのに、もうこんなになりやがって。俺の息子は孝行者だぜ~!がっはっはっは~! ほれほれほれ~」

(ズンズンズン!)

「いやあ~~~、許して~~~!」
「まあそういわずにしっかりと咥え込んで、思い切りよがるんだよ~。ほれほれほれ~!」

(ズンズンズン!ズンズンズン!)

「いやあああああ~~~~!」
「ちぇっ、嫌だ嫌だと言ってやがるわりに、マンコもうビショ濡れじゃねえか~! え~? どうしてなんだ!? 本当は気持ちがいいんだろう? え~? 気持ちいいっていいな~」
「いやぁ~、き、気持ちよくなんか……はぁはぁはぁ~……ありません……はぁはぁはぁ~」
「ふん、この嘘つきが!」
「や、やめて! お願い! 抜いて!」
「うるせえんだよ! それっ、もっと奥までぶち込んでやるぜ!」




第14話「野獣の雄叫び」

 嫌がる球をものともせず、原口はさらに腰をグイッと突き出した。
 額には玉のような汗が浮かんでいる。
 秘孔からしだいに粘液が滲み出し、抽送する肉柱に絡み付いてグチュグチュと卑猥な水音を奏で始める。

 椅子に緊縛されて身動きの取れない球を思う存分責めまくる原口。
 球の背中が椅子に密着しているため、原口は椅子を抱きかかえるような体勢で腰を激しく律動させた。
 球の狂おしげな、それでいて悦楽に咽ぶような声が痛々しく聴こえる。
 原口は猛スパートを掛け、フィニッシュの体勢に入った。

「ひゃぁ……!いやあ……!うはぁ……!あぁ~~~!くはぁ~~~~~~~~!」
「うおっ、うごぉ~~~~~~~!」

 野獣の雄叫びが響きわたると、白濁の液体は花弁の奥深くに注がれた。
 精を放出した原口は、球のきめこまやかな肉体に頬を埋める。
 これほど凶悪な脱獄犯であっても、男としての役目を果たした後は少年のような仕草を見せるものなのだと球は不思議に思った。
 しかし少年に戻ったのは、ほんの一瞬であった。
 原口はすぐに野太い声を発し球を威圧してきた。

「おい、風呂を沸かすんだ」
「え? 風呂を?」
「俺は逃げ回って疲れてる。風呂に浸かりたいんだ。それとも何か? 脱獄犯の俺などお前の家の風呂には入れられないって言うのか?」
「そ、そんなことはないけど。分かったわ……じゃあ、縄を解いて」
「いいだろう。縄は解いてやる。だけど妙な気は起こすなよ。逃げたりしたらただじゃおかねえからな」
「分かってるわ」
「でへへ、言わなくても分かってるだろうが、風呂はもちろんお前と混浴だぜ。俺の身体を洗わせてやる。ありがたく思え」
「……」

 球をいっしょに風呂に入れるのは性的な目的もあったが、逃走防止のためでもあった。
 球に対して原口は、常に注意を怠ることはなかった。

 球の縄は解かれた。
 長時間緊縛されたことで手足が痺れている。
 球はふらつきながらもリビングに設置されている浴室操作盤を開いた。
 自動湯張りのボタンを押す。15分もすれば湯が溜まるだろう。
 ボタンを押すと、球は急に力が抜けてへなへなと床にしゃがみ込んでしまった。

「どうした? 脚が痺れたか? この後大人しくしていれば、縄は軽めにしてやってもいいぜ。とにかく言われたとおりに従うことだ」
「……」
「おい、ちゃんと俺の着替えを用意するんだぜ」
「着替え? 男物なんて持ってないよ」
「親父の物があるだろうが」
「お父さんの? うん、あるけど……」
「じゃあ、用意しろよ」
「分かった」

 風呂を沸かしている間に、球は父親の部屋にシャツとトランクスを取りに行った。
 その間、どういうわけか原口は球の監視の手を緩めた。
 もしかしたら、上半身が裸なので、逃走しないと思ったのだろうか。
 しかし、半裸であっても球にその気があれば、父親の部屋の窓から逃走できないわけはなかった。

 球は父親の肌着を持って戻ってきた。
 原口はにやりと微笑むと、球が差し出した下着を受け取った。

「ねえ……」
「なんだ?」
「上に何か着ていい? ガウンとか」
「寒いのか? 着ていいぜ。風邪を引かれたら困るからな」

 球は小猫柄をプリントした光沢感のある素材のガウンを羽織った。

「あのぅ……」
「ん?」
「あなたはいつまでここにいるつもりなの?」
「そうだなあ。お前の両親は4日後に帰ってくるんだったな」
「そうよ」
「じゃあ、その直前に失せることにするかな?」
「どこへ行くつもりなの?」
「どこって……そんなことをお前に言えるわけねえだろう」
「じゃあ、聞かないわ」
「うん、聞くな」
「ずっと逃げ続けるつもりなの?」
「そりゃそうさ。俺は脱獄者だ。捕まればまたムショ暮らしだ。ムショはもううんざりだぜ」
「捕まったら懲役が延びるんでしょう?」
「まあ1年は延びるだろうなあ」
「じゃあ、自首すれば?」
「な、なんだと!? ふざけたことを言うんじゃねえ!」
「ふざけてないよ、真面目な話だよ。そのほうが少しは刑期が軽くなるんでしょ?」
「バ、バカなことを言うんじゃねえ! 苦労してやっと逃げて来たのに、あんなむさくるしい所に戻ってたまるか!」
「脱獄していなければ、あとどのくらい刑期が残っていたの?」
「1年だ」
「えっ? あと1年だったのに脱獄したの? じゃあ、捕まったらまた2年かかるじゃないの」
「ちぇっ、そんなこと、おめえに言われなくても分かっているさ。捕まることを恐れて脱獄なんかできるかってんだ!俺はムショ暮らしに飽き飽きしたんだ。早く娑婆の空気を吸いたかっただけさ」
「でもねぇ」
「おい、ごちゃごちゃとうるせえんだよ! 風呂だ、風呂! もう湧いてるんじゃねえのか?」
「うん、ちょっと待って」

 浴室操作盤を確認してみると、すでに風呂は沸いているようだ。
 湯張り時に流れる自動メッセージにまったく気づかなかったようだ。

「ちょっと熱いかも知れないよ。熱ければ水を足して」
「おい、俺を1人で風呂に入らせる気か?」
「でも、狭いし……」
「狭くてもいい。おまえも入れ」
「……」
「まさか俺が風呂に入っている間に、逃げようなんて考えてるんじゃねえだろうな?」
「そんなことしないわ」
「ふん、どうだかな。とにかくおまえも来い。俺の背中を流すんだ」

 散々犯されたあげく、まだこんな野卑な男の背中まで流してやらなければならないのか。
 球は情けなくて、泣きそうだった。

「おい、来いと言ってるのが聞こえねえのか……」
「分かったわ」




第15話「浴室で濡らされて」

 球は背中に羽織っていたガウンをおどおどと脱ぎはじめた。
 ガウンを脱ぐと白い裸身が現れた。

「先に入れ」

 原口は球の背中を小突いた。
 球はよろめきながら先に浴室に入り、シャワーを浴びた。
 長時間に及ぶ拘束のせいでところどころ関節に痛みがあるが、温かい湯が心地よく素肌に染みわたった。
 球がかかり湯の最中に、原口はずかずかと入ってきて扉をバタンと閉めた。
 球はシャワーを中断し、原口にシャワーを手渡そうとした。

「おまえ、まだ浴びてねえだろう? 先に浴びろ」

 原口は思いがけない言葉を発すると、浴槽の湯を混ぜ始めた。

「あっちっち~、おまえ、熱い風呂が好きなのか?」
「42度だけど……」
「みず、水!」

 蛇口をひねって浴槽に水を継ぎ足す原口。
 水が勢いよくほとばしる。
 球はシャワーでのかかり湯が終わると、原口にシャワーを手渡そうとした。

「かけてくれ」
「え? 私が……?」
「そうだ、おまえがかけろ」
「……」

 原口の語気は鋭く、逆らうことなど許されない空気が漂っている。
 球は仕方なく原口にシャワーをかけてやった。

 それにしても原口はすごい肉体をしている。
 肩の筋肉も隆々と盛り上がっており胸板も厚い。
 例えるなら格闘家のようだ。
 本当に刑務所暮らしをしていたのだろうか、と思わせるほど見事な体格をしている。
 おそらく獄中にあっても筋肉トレーニングを怠らなかったのだろう。
 いや、重労働に携わっていたのかも知れない。
 刑務所の労働のことなど知るはずもない球であった。

「気持ちいいぜ~。生きた心地がして来たぜ」

 脱獄でかなり神経をすり減らしたのだろう。
 原口は大きく息を吐いて膝を伸ばそうとしたがつま先がつかえてしまった。
 大きめの浴槽だが、巨体の原口が入ると狭く見える。

◇◇◇

 湯船から出た原口は大きく息を吐いた。

「おい、身体を洗ってくれ」

 球は原口の指示に逆らうことはなく素直に対応した。
 ボディタオルにボディソープをたっぷりと垂らし、椅子に座っている原口の背中を洗い始めた。
 原口は振り返ってニタリと微笑んだ。

「ふう、極楽だぜ。まさか逃走中にこんなハクい娘に背中を流してもらうことになるとは夢にも思わなかったぜ。脱獄した甲斐があったぜ。へっへっへ~」
「ハクい……?」
「ヤクザや不良だけが使ってる言葉で、きれいとかイケてるって意味さ」
「……」

 球は背中を懸命にこすってみたが、長年の垢のせいかあまり泡立たない。
 球はボディタオルを湯で浸して、もう一度ボディーソープを垂らした。
 ふたたび幅の広い背中をこする。

 原口は振り返り、突き刺すようなまなざしで球を見つめ、次の注文を出した。

「背中はもういい。次は股間を洗ってもらおうか」
「え……?」

 球は躊躇いながらも黒々と繁った原口の股間にボディタオルを近づけた。

「タオルは使うな」
「え……?」
「素手で洗うんだ」
「す、素手で……?」
「そうだ」
「……」
「早く」
「分かったわ……」

 球は表情を強張らせてる。
 自分を犯したおぞましい物体を素手で洗わなければならないのか。
 球は屈辱感に苛まれながらも、ボディソープをてのひらに垂らして黒い繁みへと伸ばした。
 最初は繁みばかりを洗っていたが、原口に一喝され、仕方なく醜い肉塊に触れた。
 てのひらに収まりきらないほど量感のある肉塊を握る、そしてこする。
 肉塊は球のてのひらに包まれて、急激に変化を見せた。
 肉塊がムクムクと成長していくのをてのひらの中で感じた。

「どうだ? チンポがでっかくなっていくのが分かるだろう?」
「……」
「まだまだでっかくなるぜ。さあ、遠慮しねえでしっかりとこすりな」
「……」

 球は指示されるがままに指を動かした。
 手の中の肉塊は大きくなるだけでなく、一段と硬さを増していく。
 肉塊はまるで“生き物”であるかのような錯覚を覚えた。

「おい、おまえのモノも洗ってやるぜ」
「い、いいよ……私は……」
「遠慮するんじゃねえ」

 原口には、球に有無を言わせないような威圧感がある。
 球の繁みを、節くれだった指の感触が襲った。
 繁みは水分を帯びて、ぺたりと肌に付着している。
 繁みの間からチラリと覗くクリトリスに触れた。

「ああっ……」
「へへへ、もう濡れてるじゃねえか」
「お湯のせいだよ……」
「そうか?湯か? じゃあ、湯じゃなくマジで濡らしてやるぜ」

 指がクリトリスを撫でる。

「いやっ……」
「遠慮するな。へへへ」

 原口はそのまま、指の腹でクリトリスをこね回す。

「……くっ、は……う、ん……」

 顔が、身体が、熱くなる。
 原口が割れ目に沿って指を移動させると、蜜をすくい取ってクリトリスになすりつける。

「くぅ……っ!」

 突き抜けるような快感に、一瞬球の目がくらんだ。

「オナニーしたこと、あるだろう?」
「そ…そんなこと……」
「答えろ」

 語気が強くなると同時に、原口は、小豆のように硬さと丸みを帯びてきた陰核をきゅっとつまんだ。

「きゃうっ!」

 仔犬のような声を上げ、くずおれかけた球だったが、辛うじて踏みとどまってぶるぶると首を縦に振る。

「……したこと……あるよ……」




第16話「強制自慰と愛撫と」

「じゃあ、やってみろ」
「え……? そんなぁ……」
「断ったらどうなるか分かってるな? 俺の目の前でやってみろ」
「……」
「シャワーを使ってやるんだ」
「わ、分かったわ……」
「浴槽の縁に座って、俺に見えるように脚を開いてやれ」
「そんな恥ずかしいこと……」
「いいからやれ」
「……」

 球はバスタブの縁に座って、両脚を少しだけ開く。

「もっと開け」
「……」

 原口の語気が強くなると、球は覚悟を決めて脚を九十度開いた。
 上気し顔がほんのりと赤い。

 シャワーを少しぬるま湯にして、水圧を肌に当てても痛くない程度に調節する。
 実は球にはシャワーオナニーを数度行なった経験がある。
 身体を洗っているとき、偶然クリトリスに湯が当たり「今の気持ちいいのどうして?」と思い、それから数度シャワーオナニーを経験した。
 しかし彼氏ができてから、いつの間にかしなくなっていた。

 シャワーがクリトリスを刺激する。
 ぞわっとしたものが球の背中に走った。
 原口に見つめられていることを忘れるため、目を閉じて、効き手でクリトリスを包皮からむき出しにしてシャワーをあてる。

「あぁぁっ……」

 原口は食い入るように、球の行動を見つめている。
 水圧が少し弱かったのか、少しずつ水流を強めていく球。
 シャワーオナニーをする女性は、二つのタイプに分かれる。
 シャワーを当てると気持ち良すぎてイキすぎる『連続絶頂タイプ』。
 そして、気持ちはいいのだが水流だけではイクまでにはいたらない『寸止めタイプ』。
 球の場合は後者であった。
 シャワーは確かに気持ちがよい。だけどシャワーだけで昇りつめるのは困難だった。

「おい、シャワーを止めてマンコをこすってみろ。俺にいやらしい音を聴かせるんだ」
「そ、そんなこと……」
「いいから、やれ」

 球は命じられるがままにシャワーを止め、もう一方の手を滑り込ませた。
 秘裂に指をあてがい動かしてみる。
 原口が望むクチュクチュという恥ずかしい音が聞こえてきた。

「ヘヘヘ、いい音するじゃねえか。その調子でもっとこすれ」

 球の指は秘裂に沿ってうごめく。
 思わず身体に力が入り、「……んっ」と息を呑んでしまった。
 ふと素にもどりやめようとした球を原口は引き戻す。

「イクまでやめるな」
「そんなの無理……」
「じゃあ、俺が手伝ってやるぜ」

 原口はにたりと笑うと、強引に包皮をめくりクリトリスに触れる。
 原口の中指の先端が当たったその瞬間、下半身から頭まで、しびれるみたいな快感が走り抜けた。
 口惜しいけど気持ちいい。
 原口の指がクリトリスをなで続ける。
 指がとまらなくて、すごく気持ち良くて、いつの間にか、球は大きなあえぎ声をあげていた。

「ああ…ん……やん……やだぁ……!」
「よし、その調子だ! 自分の左手でオッパイを揉むんだ。そして右手で乳首をつまんでみろ!」

 球は無意識のうちに原口の言いなりになっていた。
 自身で乳房を揉み、乳首をはじく。そして股間は原口の指が激しく動いている。
 秘裂からは熱い蜜が滲んでいる。

「おい、腰を引くな。『もっとこすってください』と俺に頼みながら、股間をもっと突き出すんだ」

「そんな恥ずかしいことできない……」
「チェッ、いまさら何を言ってやがる! 痛い目に遭いたくなけりゃ腰を突き出せ!」
「いやぁ~……」

 バスタブの縁に腰をかけ、開脚で腰を突き出すという悩ましいポーズを命じられた。
 不安定な体勢だが左手で手摺を握ることで、ようやくバランスを保っている。
 
 原口の指は断りもなく挿入され、指にまとわりつく愛液の音が粘着質のように鼓膜へ張り付いてくる。

「はぁっ……んぁ……」
「こんなに濡らして、そんなに気持ちいいのか?」
「あぁ……っ」

 原口の指がもう一本増やされたが、球の秘孔は苦もなくそれを受け入れた。
 次第に速くなっていく指の愛撫は羞恥心さえも奪っていくのだ。

「そ、そこは……っ、そこ……だめっ」
「ダメだと言うのはもっとこすってくれということだな?」
「んああっ……ちがう……いやっ……」
「その声、たまんねぇ」

 ぐちゅぐちゅと膣内をかき乱す音と、淫靡な原口の表情が球の思考を奪う。

「も、そこ……やだ……」
「やだ、じゃないだろ? おめえの感じるところを覚えておいてやるから、しっかりあえぎな」
「や、ああ……っ、イッちゃ、う……っ」
「イケよ」

 膣の奥まで指先を挿入し何度も感じる部分を刺激されてもう限界だった。
 原口の腕をぎゅっと掴み、与えられる快楽に溺れていく準備をする。

「もう……も、う」
「一回イッとけ」
「まってっ……そんなに、されたら……イク……イッちゃう……んあぁあっ……!」

 グッと原口の指を締めつけて、球は腰を浮かせながら達した。
 それは口惜しいかな彼氏から受けた愛撫よりも、原口にされて気が狂いそうなくらい感じてしまった。
 乱れる息を整えていると、掻き乱していた指はするりと引き抜かれる。
 その後もヒクヒクと痙攣を繰り返す膣内は物足りなさを覚えていた。

 原口は球の目前で濡れている自身の指を舌できれいに舐め、その光景に球は顔をそむける。




第17話「浴室で背後から攻められて」

 自分の恐ろしく歪んだ快楽思考に驚いていると、原口と目が合った。

「かわいい声で鳴くんだな」
「……」
「もっともっと犯したくなるぜ」
「冗談はやめてください」
「俺が冗談を言うと思うか? おい、俺のサオを咥えろ」
「……」
「咥えろと言ってるんだ」
「……」

 原口は浴槽の縁に腰をおろしている球の正面で仁王立ちになり、巨大化したものを見せつける。
『怒張』という言葉のとおり、肉柱は大きくそして硬く怒り狂ったようにそそり立っている。

「咥えろ」
「……」

 球は悲しげな表情で、目前の肉柱を咥えた。

「歯を立てるなよ。舌を使ってしっかりとしゃぶるんだ」
「……」

 亀頭はすっかり球の口内に隠れてしまっている。

「ふう、いい具合だぜ。表と裏、それに根元から先端までしっかりとしゃぶるんだ」

 なにかと注文の多い男だ。
 原口は自分の腰だけでなく、両手でつかんでいる球の顔も、無遠慮に前後させた。
 口を犯されているというより、顔を犯されているような錯覚に陥る球。
 フェラチオの間、花弁も太い指で蹂躙され続けていた。

「おい、どうした。しっかりとしゃぶらねえか」

 球の顔を押さえている原口の手に力が入った。
 逆らうことを許さないという意志が感じられる。
 球は顔を前後動させながら、唇で肉柱をしごき上げる。

 フェラチオが佳境に入ってくる頃には、球の唾液が垂れ流れたせいで、原口の陰毛がかなり濡れている。
 肉柱にいたっては、球の唾液ですでにべとべとになっていた。
 自分のものとはいえ、原口の肉柱にまみれた唾液を飲み込む気にはなれず、溢れた唾液は唇からこぼれ落ちた。

「よし、フェラはもういい。浴槽の縁に手を付いて尻をこっちに向けろ」
「……」
「もたもたするな」
「……」

 原口が催促する。その態度から短気な性格であることが手に取るように分かる。
 抵抗しても無駄だということは分かっている。
 球は抗うことなく浴槽に手を付き、四つん這いになった。

「おい、もっと尻を上げろ」

 原口からさらに注文をつける。

「尻をもっと突き出すんだ。頭は下げたままでいい」
「……」

 さらに屈辱の体勢を要求してくる原口。
 口惜しさで涙がしたたり落ちた。
 繊細な少女の心中など無視して、ささくれ立った無骨な指は亀裂を蹂躙する。
 無遠慮に谷間を広げ指を擦りつける。
 包皮をめくりクリトリスを強くこする。
 球は堪りかねて、うめきにも似た喘ぎ声を漏らせた。
 すでに全身びっしょり汗まみれだ。
 亀裂からはおびただしい蜜液がほとばしり、原口の指にまみれている。

「へっへっへ、じゃあ、ぼちぼちぶち込んでやるぜ」
「……」

 次の瞬間、身体を貫かれるような物凄い衝撃が走る。

 「いやぁっ……!」

 規格外のモノが身体の中に打ち込まれていく。

「くっ、いい締まりだぜ。へへへ」
「いやっ……、許して……赤ちゃんができちゃう……許してぇ……」
「もう諦めな。奥までズンズン突いて、子宮まで届いてるからな」
「抜いて!」
「冗談いうなよ、今さら抜けるか。てめえのマンコにザーメンをいっぱいぶちまけてやるぜ」
「やめて~~~~~~~!」
「それそれそれ!それそれそれ!」
「いやぁ~~~~~!」
「だがよ、一つだけ中出しを逃れる方法があるぜ」
「え? なに?」
「もし、おまえが俺のチンポでイキまくったら直前で抜いてやってもいいぜ。だけど、なかなか気を入れねえようなら中出し決定だ。分かったか?」
「そんなぁ……中出しはやめて!」」
「てめえに選択権はねえんだよ」
「なんで中出しなんてするの!?」
「気持ちいいからに決まってるじゃねえか」
「気持ちいいからって……女がどうなるか考えたこと……」
「ねいな! つべこべ言ってねえで早くイキやがれ!」

 さらに激しく突き込む原口。

「ああっ……! あっ……! そんなっ……! あうっ……!」

 こんな状況であえぎ声を出してしまう自分が情けなかったが、今は自身の気持ちに素直になる方が得策だと思った。
 そんな球の心中など察することもなく、本能のままバックで犯し続ける原口。

「女子高生をバックで犯すって最高だぜ! ほら、もっと尻を上げろ! ほらっ!」
「ああっ……!いやっ……!」

 結合部からは悲しいぐらいにネチャネチャとした粘着音が聞こえる。
 原口のされるがままに犯される球。
 なすすべなく後背位で巨根に突き込まれ、激しくあえいでしまう。
 レイプされて感じている自分が情けなく思えた。
 彼氏への罪悪感も加わり、球は胸が苦しくなる。
 後方からその胸をグッとつかみ荒々しく蹂躙する原口。
 原口はまるで球の心までも蝕むかのようにその柔らかい胸を揉みしだいた。

 パンパンパンと後背位特有の空気の破裂音が狭い浴室に鳴りひびく。

「ああっ……いやあ~……あぁ~……だめぇ~やめて~……」
「はぁはぁはぁ、はぁはぁはぁ」

 原口もすでに全身汗びっしょりになっている。
 額から滴り落ちる汗が球の背中にポタポタとしたたり落ちる。
 浴室でのバックはベッドでのそれよりも、より深く挿入された気分になるものだ。
 それは支えとなっている浴槽の縁が、クッションのあるベッドと比べて硬いせいかもしれない。

 球は身体の中心部に、熱い何かが走り抜けていくように感じた。
 それは抑えようとして抑えきれるものではなかった。




第18話「変化」

「あぁぁぁ~~~……くはぁぁぁ~~~……あぁ~いやぁぁぁ……」

 グッチョグッチョという卑猥な粘着音が原口の欲望に拍車をかける。
 球の中で原口のイチブツが一段と膨張している。
 そのイチブツが球の中でピクンと魚が飛び跳ねるように大きく揺れた。
 そして球は胎内が急に熱っていくのを感じとった。

「いや!抜いて!お願い!」
「う、うぜえ!今、抜いてたまるか!」

 ドピューンと数回熱い物がはじけ散った。
 球は逃れようともがいてみたが、原口ががっちりと腰を掴んでいて微動だにしない。
 ドクドクドクと熱いものが奥地に注ぎ込まれる。

「だめぇ……」
「はぁはぁはぁはぁはぁ……」
「あぁ……」」
「ふぅ~、気持ち良かったぜぇ、でへへへ」
「中に出さないでって頼んだのに……」
「約束しただろう?おめえがイったら直前に抜いてやるって。だがよ、イカなかったじゃねえか。仕方ねえな、諦めな」
「……」

 うなだれる球の背中に、原口は唇をつけた。
 目的を達したのに球から離れようとしない。
 まるで動物の交尾のような痴態のままで、原口は背後から球を抱きしめた。
 さきほどまでの荒々しい態度とはかなり違う。

「俺……」
「……?」
「俺、おめえに惚れたかも知れねえ」
「冗談はやめて……」
「冗談じゃねえよ」

 原口の言葉には妙に真剣味が感じられた。
 球は返事に困ってしまった。
 不法侵入して来た脱獄犯に散々犯されて、あげくの果て、好きになってしまったと告白されても、受け入れられるはずもない。

「からかわないでよ」
「からかってなんかねえぜ。マジだよ」
「……」

 わずかな沈黙のあと、原口がポツリとつぶやいた。

「だがよ、気にすることはねえぜ。おめえに惚れてもらえるなんて思ってねえからよ」
「……」

 重い空気が周囲を漂っている。
 沈黙を破ったのは球の方だった。

「ねえ?」
「なんだ」
「自首して?」
「何を言うかと思えばそんなことか。やなこった」
「でも、このまま逃げ続けたとしても、毎日警察を気にしなければならないよ」
「……」
「それに警察だってあなたに脱獄されて面目丸つぶれだから、必死であなたを探してるはずだよ。絶対に逃げ切れないわ」
「ふん、小娘が。生意気な口をきくな。俺は絶対に逃げ切ってやるぜ」
「うまく逃げれるかも知れない。でもね、毎日がつらいと思うよ」
「……」
「それよりも、あっさりと自首して刑期を軽くして、堂々と社会に戻った方がいいよ」
「堂々と社会に? チェッ、前科者の俺が堂々と社会に復帰なんかできると思ってるのか」
「でも逃げ続けるよりマシよ」
「ふん、高校生のてめえにこの俺がどうして説教されなきゃならないんだよ。けっ、ふざけるな」
「関係ないわ! 高校生も大人も関係ないわ! これだけ一生懸命言ってあげてるのに分かってくれないのならもういいよ!」

 球はキュッと原口をにらみつけた。

「……」

 風呂場の中で長い沈黙が続く。
 球も原口も全身湯気と汗にまみれてびっしょりだ。

「ふう、のぼせて来たぜ。俺、もう風呂を上がるぜ」
「私も出るわ」

 球たちはシャワーで汗を流したあと、浴室を出ることにした。

 球は父親の部屋から下着類を取り出して原口に手渡した。
 いつのまにか原口は球を警戒しなくなっていた。
 原口は下着を着替え、リビングルームへと戻っていった。

 ソファに座り、テーブルに置いてあった折込みチラシを束にして、団扇代わりに扇ぐ原口に球がささやいた。

「クーラーつけてあげるよ」
「ん? いや、いい。それより冷たい水をくれ」

 球は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出しコップに注ぎ込んだ。
 原口はかなり喉を乾かしていたようで、一気に飲み干してしまった。

「お代わり入れようか?」
「へへへ、急にサービスがよくなったな。どうしたんだ?」
「いや、別に……」
「じゃあ、もう一杯もらおうか」
「うん」

 原口の差し出すコップに再びミネラルウォーターを注ぐ球に、原口は思いも掛けない要求をしてきた。

「電話を貸してくれ」
「え? 電話? いいけど……」
「警察に電話をする」
「ええっ! 警察に!?」
「そうだ。今から自首する」
「ま、まさか……マジで!?」
「こんなこと冗談で言えるかよ。へへへ」
「あなたがしにくければ、私がしてあげてもいいよ」
「いいや、それはいい。おまえが電話をすると、おまえまで巻き込むことになる。お前には迷惑を掛けたくない」
「……」
「もうかなり迷惑を掛けたけどな。ははは」

 原口の変貌ぶりに、驚きを隠しきれない球。

「よく決心がついたね」
「おまえの言うとおりだよ。いくら逃げても毎日追われるのはきついぜ。怯えて暮らすと寿命が縮まりそうだしなあ。ははははは~」
「そうね。でも良かった。ちゃんと務めを果たして出所したら、胸を張って世間を歩けるものね」
「胸を張るところまではいかねえが、逃げてばかりよりマシだろうよ。さあ、電話を貸してくれ」




第19話「自首」

 原口は固定電話の受話器を握った。

『はい、110番警視庁です。事件ですか。事故ですか』
「原口だ……」
『は? どちらの原口さんですか? ご要件をおっしゃてください』
「自首したい……」
『えっ!?……自首って……もしかして!?』
「そうだ。刑務所から脱走した原口だ。今から近くの警察署に自首する」
『本当ですか?わ、分かりました。署からパトカーを向かわせます。現在どちらか教えてください』
「そんなこと言えるわけねえだろう! 迷惑がかかるじゃねえか! 俺がそっちに行くと言ってるんだ。おとなしく待ちやがれ!」
『分かりました。では警察署の入口で名前と要件を告げてください。でも絶対に逃げないでくださいよ。逃走すると罪がさらにかさみますからね』
「つべこべとうぜえや! 今さら逃げてたまるか!」
『わ、分かりました。では待ってます』

 原口は受話器を置いた。
 そして受話器を見つめたまま、しばらく動かなかった。
 球は原口の様子をうかがっている。
 二人とも言葉を発することなく奇妙な沈黙が訪れた。

 球がポツリとつぶやいた。

「ついに電話したね」
「うん」
「よく決断したね」
「うん」

 言葉少なだが、球の問いに原口はきっちりと返す。

「俺を訴えても構わねえぜ。おめえをやっちまったのは事実だし」

 球は口元をキュッと引き締め真顔で答えた。

「訴えないよ。あなたとのことが世間に知れたら、お嫁に行けなくなるもの」
「そうかもしれねえなあ……」
「それに……」
「ん?」
「あなたの罪も重くなるし」
「ん? あんなことをされたのに俺のことを気にかけてくれるのか?」
「そんなんじゃないけど……」
「理由はともあれ嬉しいぜ」
「……」

 球は俯くだけで口を閉ざした。

「世話になったな」
「いいえ」
「じゃあな」
「うん」
「最後に『さよなら』ぐらい言ってくれたっていいだろう?」

 原口の言葉に球は微笑みを浮かべた。

「じゃあ、元気でね。ちゃんとお務めをして、出てきたら真面目になってね」
「へっへっへ、20以上年下の女から説教されたぜ。だけど嬉しいぜ、そういってくれて。出てきたら今度こそ真面目になるぜ。世間からいくら冷たい目で見られてもな」
「うん、がんばって。じゃあね」
「じゃあな……」
「さようなら」

 原口は逃走してきたときのくたびれた靴を再び履くと、正面玄関からそっと出て行った。
 球はまるで腰が抜けたかのように、へなへなと上がり框にしゃがみ込んでしまった。
 突然襲ってきた悪夢のような出来事は呆気ない幕切れとなった。

 原口は人通りの少ない夜更けの街をとぼとぼと歩き最寄りの警察署へ向かった。
 いくら警察署であっても深夜ともなれば入口は閉まっているものだが、事前に最寄りの署を聞いていたこともあって、ロビーには刑事らしき男が二人と警官一人が立っていた。
 原口の姿を確認すると、すぐに彼の元に近づいて来た。

「原口か」
「そうだ」
「よく自首する気になったな」
「まあな」
「とにかく中に入れ」

 原口は手錠を掛けられることもなく、両脇から刑事に付き添われ署の奥へと消えていった。

◇◇◇

 それから3日後、球の両親がキャリーケースを引き海外旅行から帰ってきた。

「球、ただいま。ああ、疲れたよ~」
「お帰り。空港に迎えに行かなくてごめんね」
「うん、すぐにタクシー乗れたからね。それより家は特に変わったことなかった?」
「うん? うん、だいじょうぶ。ちゃんと留守番してたよ」
「そう、それはよかったわ。お父さんが球のことをやけに心配してね。旅行先でも『球は今頃どうしてるかな~』って何度も言っていたわ」
「おい、つまらないことを言わないで。早く荷物を運ばないか」
「はいはい」
「お風呂沸かしておいたわ。すぐに入る?」
「うん、まあ、ちょっと休憩してから入るよ」
「じゃあ、お茶でも入れようか」
「球、どうしたの? えらくサービスがいいわね」
「そう? いつもと同じだよ」
「そうね」

 その後、母親は1階奥の和室、父親は2階の洋室へと、それぞれが荷物を自室に運び込んだ。
 その間、球はキッチンで両親のためにコーヒーを淹れている。
 2階の洋室に荷物を下ろした父親がふと室内に異変を感じた。
 いつも下着類を入れている収納ボックスの引き出しが、わずか数センチだが開いていた。
 きっちりした性格の父親とすれば考えにくいことであった。

「おや? どうしたんだろう。引き出しが開いている……。おかしいなあ。旅行に出かける前だったし、慌てていたのかな? う~ん……」

 父親は普段着に着替えたあと、コーヒーをトレイに乗せて運ぼうとしている球にたずねてみた。

「球、変なことを聞くけど、この家に誰か来なかったか?」
「え? 別に、別に誰も来なかったけど。どうかしたの?」
「いや、下着を入れている収納ボックスが少し開いていたので気になってね」
「そうなの? さあ、知らないわ。お父さん、旅行前で急いでいたからちゃんと閉めなかったんじゃないの?」
「そうかも知れないね」
「で、何か見つからないの?」
「いや、下着の数なんてちゃんと覚えていないから分からないよ」
「いやだあ。干していた女性下着が盗まれた話はたまに聞くけど、男性下着が盗まれたなんて話は聞いたことないよ」
「ははは~、それもそうだな~」




第20話「夏祭りのリンゴ飴」

「どうしたの?ふたり楽しそうに語らって」
「いや、大した話じゃないんだけどね、2階の引き出しが開いていたもので少し気になってね」
「あら、そんなことで? いやだわ。お父さんって相変わらず神経質ね。いつまで経ってもその性分は治らないわね」

 このあと球が参加し旅行の話題に華を咲かせながら、一家団欒のひとときを過ごしたのだった。
 両親はまさか数日前、この家に脱獄犯が侵入し、娘の球がとんでもない目に遭ったなどとは夢にも思わなかった。
 球もまた悪夢のような衝撃的な事件で受けた深い心の傷をできるだけ早く忘れようとしていた。

◇◇◇

 それから2年の歳月が流れた。
 球は高校を卒業後、大学理工学部へと進み、すでに2年生になっていた。
 幼い頃から自分でロボットを制作してみたいという夢もあって、機械システムデザイン工学科を専攻していた。

 夏のある日、球は彼氏の浩に誘われて、例年開かれている地元の花火大会に浴衣姿で訪れていた。
 花火大会と言えば出店も楽しみの一つである。金魚すくいやヨーヨー釣りを楽しんだあと、浩とともに談笑しながら歩いていた。
 店頭に並んでいるリンゴ飴を見つけた浩が球に語りかけた。

「球、リンゴ飴を売ってるけどいらないか? 俺、久しぶりに買おうかな?」
「私も食べたいなあ~」
「じゃあ、俺、買ってくるよ~、待ってて」
「おじさん、リンゴ飴、2つくれる?」

 浩が的屋の男性に1000円札を差し出したそのとき、球は何気に店主を見て愕然とした。

「……!」

 金を受け取ったその男性は、忘れることのできないあのときの男『原口』であった。
 原口も球のことを気づいている様子であったが、表情を変えることはなかった。
 球の横にいる男性に覚られるまいと気を配ったのだろう。
 原口から話しかけてくることはなかったが、じっと懐かしそうな眼差しで球を見つめていた。

「あいよ、じゃあ、お釣りの400円。ありがとうよ~」
「うん、ありがとう」

 弘が釣銭を受け取りリンゴ飴を球に手渡したとき、店主は店を立ち去ろうとする2人を呼び止めた。
 球はその場を少しでも早く立ち去りたいと思っていたから、背筋に冷たいものを感じた。

「1本、おまけしとくよ」

 弘は笑顔で答えた。

「え~? どうしておまけなんかくれるの?」
「ははは~、何となくかな? いや、隣の彼女、すごく可愛いからかな?」
「球、お前のことが可愛いって。だからおまけをくれたよ~。やったね!」
「ああ……うれしいな……ありがとう……」

 球は原口に礼を言った。

 リンゴ飴を買った球と弘は店から立ち去ろうとしたとき、入れ替わりに幼い子供を連れた女性が店主に声をかけた。

「おじさん、リンゴ飴ちょうだい~」
「あいよ! 何本かな?」

 球たちが数歩進むと、祭りの喧騒の中で、客の声はかき消されてしまった。
 球は過去に負った心の傷が、今夜、少しだけ癒されたような気がした。















自作小説バックナンバー
トップページ




inserted by FC2 system >