人妻イヴ 愛のレッスン



Shyrock作


<前書>

 今回は独身のイヴさんにあえて人妻役を演じていただきました。
 普段は美人でセクシーな看護師さんと噂のイヴさんですが、はたして物語ではどんな女性を演じるのでしょうか?




第1話「三年ぶりの一人遊び」
第2話「ローターと指の二重奏」
第3話「ダンスエアロ」
第4話「股関節を揉みほぐそう」
第5話「オフホワイトなアンダーショーツ」
第6話「Gスポットマッサージ」
第7話「七色の悦楽」



第1話「三年ぶりの一人遊び」

 火曜日のことだった。
 マンションの駐車場に真っ赤なBMWが止まり、一人の若い女性が降りて来た。
 タイトなミニスカートから長くスラリとした脚がまぶしい。
 サラサラの長い髪をかきあげながら、ドアを閉める姿がつややかに映る。
 彼女はこのマンションに住む人妻で早乙女イヴ(25歳)と言う。
 駅前のスポーツジムに週三回通っており、今、汗を流して帰ってきたところであった。

 夫の幹男(42歳)は大手貿易商社に勤め、若いながらも取締役の役職に就いていた。
 イヴとは十七歳も年が離れていたこともあって、まるで愛娘のような可愛がりようであった。

 ところが、結婚して二年が経ち、幹男の態度に変化が現れた。
 残業や接待という理由で深夜に帰宅する日が急速に増えた。
 当然二人の夜の営みも激減してしまった。
 帰宅してすぐに高いびきを立てて眠ってしまった夫を起こそうとした夜も何度かあったが、「仕事で疲れているんだから」と思い返し、火照った身体を一人慰める夜もあった。
 また幹男の上着の内ポケットから、ラブホテルの使い捨てライターが見つかったこともあった。
 もしかしたら女ができたのかも……
 思い悩んだイヴは何度か夫に確認しようとしたが、結局言葉を飲み込んでしまい言い出す機会を失ってしまっていた。

 しかし日が経つに連れて、イヴの心の中には、何か不完全燃焼の燻りのようなものが次第に大きくなっていった。
 そんな状況の中でさらに追い討ちをかけるようなことが起こった。
 夫の幹男がブラジルに出張してしまったのだ。帰国するのは三か月後の予定だ。
 早く子供が欲しいと思っていたイヴにとっては辛い事態となった。
 新婚当時は、出張をしても出先から必ずといってよいほど電話かメールをくれていたが、最近ではめっきり減っていた。
 しかも海外に出張いて以降メールがあったのは「無事着いた」のたった一回。

 寂しさを紛らわすためパートに出たいと出張中の夫にメールを送ったところ、「外に出ると誘惑があるからだめ」のたった一言だけ返事があった。
 落胆したが、物は考えようで「心配してくれてるんだ」と良い方に解釈しようとするイヴであった。
 とはいってもニ十五歳の女性が新婚二年目でセックスレス。本来ならば充実した性生活を送っている頃なのに、早くも訪れた閉塞感。夫の長期出張がセックスレスに拍車をかける。

 イヴは孤独だった。ひとり暖めるベッドが空しく感じられた。
 若妻が数ヵ月も放置されたら、欲求不満になるのは当然のことだ。
 いっそ独身であれば、たまたま彼氏がいないだけと諦めも付くだろう。
 しかし夫というものがありながらの日照り続き。
 虚ろな思考がイヴを支配した。
 女性誌のページを繰ってもセックス特集がやたらと目に付くし、テレビを点けてもワイドショーで芸能人の不倫が茶飯事報道されている。
 なぜだか『SEX』の三文字が頭をかすめる。

 気持ちを紛らわせるため、いつしかジムに通うようになった。
 多少の気休めにはなったが、身体が求めている刺激を補うにはほど遠かった。
 友達と電話をしても、逆に空しさが募る。

「イヴ、久しぶりね。赤ちゃんはまだかな? 旦那さんとはまだ熱々なのでしょう? 結婚してまだ二年目だしね。私ね、今週末から彼とバリ島に行くの。婚前旅行って感じかな。おみやげ楽しみにしててね!」

 そんな調子だし、ほかの既婚の友人と会話しても育児の話題ばかりであった。
 ソファに寝ころんでぼんやりと音楽を聴いていたイヴは、無性に身体の火照りを感じ始め久しぶりに自慰に耽ってしまった。
 
(いつ以来だろうか……)

 ちょっと罪悪感に苛まれたが、おもむろにウォーキングクローゼットに忍ばせていたピンクローターを取り出した。
 夫との営みにいつか使ってみようと思って、こっそりネットで買った代物だった。
 まさかそれを一人で使うことになるとは。

 ソファに寝転がった。
 ちょっとためらいがちにスカートをめくった。


第2話「ローターと指の二重奏」

 恐る恐るショーツの上から秘部をまさぐってみる。

「あぁ……もうこんなに濡れてる……」

 ショーツにはそれと分かる染みがついていた。

「なにもしてないのに……」

 部屋には自分以外誰もいないのに、なぜかとても恥ずかしくなってしまった。
 その羞恥心が、さらに身体を熱くさせる。
 ゆっくりとショーツをずらせる。
 膝をたてて、そっと太腿に指を這わせてみた。
 指の刺激が太腿を通して最も敏感な部分に伝わる。
 太腿を触っているのに、秘唇の奥の方を愛撫しているような感覚に落ちる。
 指はもったいぶるかのように、秘部を通過し、その上の茂みをまさぐった。
 ゆっくりとてのひらで包み込んでみる。
 自分の手の温かさが伝わってくる。
 なんか変な感じ。
 ためらいがちに敏感になっているピンクの真珠に触れてみた。

「うっ……」

 快感が身体全体にす~っと広がる。
 痺れるような快感をたのしみながら、さらに指を下の方に這わせてみた。

「あ……もうこんなに……」

 愛液は早くも小さな蜜壷から溢れ出し、お尻の方まで流れていた。
 自分の愛液をたっぷりと指につけ、ゆっくりとピンクの真珠をクルクルと刺激してみる。

「ああぁっ! はふぅん……」

 思わず声が漏れてしまった。
 しかし淫靡な快楽の世界に身を埋めかけているイヴは、すでに現実世界から遠く離れてしまっていた。
 自分が声を出していることにも気づかない。

「はぁぁ……あぁ……ああっ……」

 指の動きが早くなる。

「だ、だめぇ~……」

 どんどんと快楽の深淵の中に落ちていく。

 虚ろに目を開き、枕元に置いてあるローターを握り締める。
 ピンク色の楕円形のモノにスイッチを入れた。

(ビ~~~ン……)

 モーターの音が静かに響く。
 ローターの先端を、敏感になっている水滴に濡れた花弁にあてた。

「んっく!……ああっ……」

 花弁の周囲をローターの先でなぞる。

「あっ、あっ……」

 先端が花弁の上に位置する一番敏感なピンクの真珠を探り当てた。

「いやぁ~っ!」

 身体に電流が走る。
 思わず脚がピンとまっすぐに伸び、力がこもる。
 もう一方の指で、真珠を包みこんでいる包皮を押し上げてみた。
 少し硬くなった真珠があらわになってしまった。

 そこに、そ~っとローターの振動している部分をあててみた。

「きゃっ!」

 刺激が強すぎる。でも気持ちいい……

 次に、液がしたたっている姫貝の部分に刺激を加える。
 ちょっと押し当てただけなのに、ローターが、ツルリと埋没してしまった。
 ローターの振動が心地よく伝わって来る。
 挿入したままでしばらくいる。
 焦らして、その快感を楽しむ。

「ああっ、早く……もっと奥に……ああぁ……」

 でも奥に入れるのはやっぱり恐い。
 打ち寄せる快感の波に抗うことはできないのだが、ローターでは無理だ。
 指を一本入れてみる。
 濡れた姫貝は、なんの抵抗もなくそれを受け入れてくれる。
 同時にもう一度、真珠にもローターをあててみる。
 機械的で単調な振動に身体全体が敏感に反応する。
 太腿がピクピクと痙攣を始めた。

「ああっ、もっとぅ……、だめぇ~……あっ、欲しい!太いものが欲しぃ……」

 官能の導火線に完全に火が点いてしまった。
 身体が脈打つ間隔がだんだんと短くなってくる。

(ピクン!ピクン!)

 乳房が震える。

「ああっ!ああっ!」

 大胆に指を出し入れする。
 一本では物足りなくなり、指を二本重ねてみる。
 その度にピチャピチャと嫌らしい水音が聞こえてくる。
 さらに手の動きが激しくなっていく。
 頭の中がだんだんと真白になってきた。
 周りは何も見えない。
 脚が思わず突っ張る。

「ああっ!だめ!イっちゃう!だめぇ~!」
「も、もう……ああ~っ!」

 身体が官能の火薬によって爆発しそうになった。

 いや、爆発したのかも知れない。

 イヴは動きを止め、朦朧と天井を見上げてる。
 官能の火薬は爆発したが、まだ余韻が残り燻りを見せていた。


第3話「ダンスエアロ」

 翌日昼下がり、イヴはスポーツジムに向かった。
 ダンスエアロで気持ちよい汗をかき、ウェイトトレーニングで筋肉をパンプさせてみたり、気の合った友人達と話すことも楽しいのだが、この日は無性にインストラクターに会いたいと思った。
 彼は月、水、金曜日を担当しており、イヴに対しても当初から非常に好意的であった。
 名前は社本健二といい、日本エアロビクス大会の上位入賞者という筋金入りだ。
 背は175センチメートルと中背だが、引き締まった小麦色の肉体と精悍な顔付きがどちらかというとイヴの好みであったし、教え方も丁寧ですごくやさしい。
 ただしそんな彼ゆえに、ほかの女性からも同様に人気があった。
 イヴが着替えて帰ろうとしたとき、彼を懸命に口説いている風の女性を時折見かけた。

 イヴはTシャツとスウェットに着替え、ゆっくりとストレッチで汗を流した。
 服装は、身体のラインを見せるエアロビクスと違って、ダンスエアロは大きいめのTシャツにダンスパンツのストリートファッションな格好か、もしくはスウェットやズンバパンツなどが多い。
 すでにスタジオではオレンジ色のライトがついていて、中からはすでにダンスミュージックが流れていた。
 インストラクター社本の最前列右斜めをキープする。

 社本に少しでも近づきたかった。
 足を肩幅より少し広めにとり爪先は外側、膝は力を抜いて爪先の方向という基本姿勢からスタートした。
 徐々に動きが激しくなってくる。
 やはり見事な動きだ。
 社本の手足はビシッと止まり、速い動きで逆の方向へ。
 イヴは動作の変わり目のとき、社本をじっと見つめる。
 社本も一瞬ではあるがイヴを見つめている。
 目の前の鏡越しに社本が全員に気を配り、皆に微笑みかけている様子が伺える。
 イヴはこの際、公平は嬉しくないと思った。
 エゴかも知れないがそれが女心だ。
 一通り今日の動きをマスターした後、全てを繋げる。
 社本もワイヤレスヘッドマイク越しにかけ声を上げ最初からスタート。
 右斜めに位置するイヴと幾度となく視線がぶつかる。

(何か挑発するような眼差しだわ)

 そんなことをイヴは思ってしまう。

(でも、きれいな女性がたくさん来ているのだから、自分だけが好かれるってことはないだろう)

と思い返す。

 一定のメニューが終了し、タオルで汗を拭っていたら社本がそばに寄って来た。
 口元からこぼれる白い歯が、イヴにとってはすごく眩しかった。

「早乙女さん、お疲れさま。それにしても、かなり上達しましたね。充分、僕の動きに付いて来ているもの」
「いいえ、とんでもありません。まだまだですよ~」
「学生時代に何かスポーツをやってたでしょう? 動きがすごくスムーズだもの」
「いいえ、そんな……。ほんの少し水泳をやっていただけですよ」
「そうですか。腰の切れの良さから見てかなりスポーツをやっておられたことは分かりますよ。他の人とは動きが全く違いますよ」
「まあ、そんなお上手を」
「いえいえ、お世辞ではないですよ。プロの眼を隠せませんよ。ところで、早乙女さん。今度、ダンスエアロ全国大会の地区予選があるのですが、出場しませんか? あなたはかなりの素質をお持ちです」
「ええ!? 全国大会? でも、私なんかとても……」
「早乙女さん、あなたならきっと上位を狙えます。ぜひ、やりましょうよ。結果は別として、目標を持ってトレーニングすると今以上にレベルが上がることは必至ですし」

 イヴは最近、心にポッカリ開いた穴を埋めるものはないだろうか……と模索していた。
 スポーツに全力を傾けることもひとつの方法だ。
 ダンスエアロの全国大会を目指すなんて夢のような話だが、チャレンジしてみるのも悪くない。
 イヴは快く社本の勧めを引受けることにした。

「それじゃあ、こんな私ですがよろしくお願いします」
「えっ、出てくれますか! それはとても嬉しい。僕もコーチとして、生徒さんが出場してくださるのは大変光栄なんですよ。で、どうですか? もし時間があるのでしたら、早速そのメニューを練習してみませんか?」
「え? 今すぐにですか? ええ、この後、特に予定はありませんので、先生こそよろしければよろしくお願いします」
「分かりました。では」

 イヴは、別のトレーニングルームに案内された。
 小さな部屋ではあったが、明るくて一通りのマシーンは完備されている様子であった。

「早乙女さん、あなたは敏捷性も豊かだし、センスもある。ただ、今度の大会を目指すならば下半身をもっと柔らかくしないといけない」
「はい……」
「特に蹴り上げた時の脚が真っ直ぐにならなければなりません。股関節を柔らかくする必要があります」
「はい」
「ここに脚を乗せてくれますか。筋肉を解したいと思いますので」
「あ、はい……」

 社本は床から1メートルぐらいの位置にある手摺りのようなスチールのアームを指示した。
 イヴは恐る恐る右足を伸ばした。
 長い脚のイヴには無理な高さではなかったがかなりきつい。
 それより、いくらスウェットを着用していると言っても、憧れのインストラクターの面前で開脚姿勢を取るのは恥ずかしい。
 こんもりと盛り上がった恥丘の緩やかな曲線が浮き彫りになっているのではないだろうか。
 ゆったりめのスウェットなので分かるはずもないのだが、イヴはとても不安に思えた。
 恥ずかしさで、身体がカッと熱くなった。
 やっとのことで、足首をアームに引っ掛けはしたものの、躊躇する気持ちからか身体全体が萎縮した。
 社本はすかさず姿勢を指摘した。

「早乙女さん、ちょっと姿勢が悪いですよ」

 社本はイヴの真後ろから抱き寄せるように密着した。
 そして左手をイヴの肩に当て、右手は太股に伸びた。

(えっ!?)


第4話「股関節を揉みほぐそう」

「脚をもっとピシッと真っ直ぐに。そして背筋は伸ばして」

 社本は厳しい口調で言った。

「は、はい」

 イヴは後ろから密着されての指導に、動揺を隠し切れない。
 耳元で声がする。社本の息遣いが聞こえて来る。
 男の香りがする。それは最近忘れてかけていた『雄』のたけだけしい香り。

 社本は大腿四頭筋(腿の外側)を揉み解すように触れて、その手は内へ内へとゆっくりと伸びていった。

「この辺りがまだ硬いですね」

 太股は女性の性感帯が密集しているところだ。

「あぁ……先生……そんなぁ……」
「早乙女さん、誤解しないでくださいよ。これは決して性感マッサージなんかじゃないですよ。あくまで、脚の柔軟性アップのために揉み解しているだけですから」
「あ……は、はい……よく分かっています……」

 声はすっかり上擦ってしまっている。
 まるで少女のように頬を紅潮させ、額にうっすらと汗さえ滲ませている。
 社本の指先はゆっくりと這い上がり鼠蹊部を触れていた。
 この日スウェット下に着用しているアンダーショーツの脚ぐりの辺りではないだろうか。
 付け根の筋肉を優しく揉みほぐす。
 性感マッサージではないことを分かってはいるが、それでも感じてしまう。

「あぁ、先生、そこはぁ……」

 揉まれるたびに股間の筋肉はピクピクと痙攣を見せ、イヴの吐息が少し荒くなっている。

「屈伸運動だけでは、ここの筋肉はなかなかほぐれないものなんです。根気よくマッサージを続ければ、脚をもっと高く上げれるようになりますよ」
「あ、はい……でも……」

 イヴは身体がだんだんと熱くなり、身体中から大粒の汗が噴き出すのを感じた。
 社本も同様に相当汗ばんでいるようであった。
 あまりクーラーが効いていないのかも知れない。
 密着する身体がじっとりと汗ばんでいるのが分かる。

「早乙女さん、ごめんなさいね。クーラーの調子が悪くて効きが悪いようですね。すみませんね」

 そう言いながらも、股関節に密着した手は放してくれない。
 逆にもっと中心部に近づいて行く。
 スウェットで見えないのをよいことに、とうとうアンダーショーツクロッチ横の、大陰唇の膨らみにまで指が伸びてきた。

「あはぁ……先生……」

 イヴは泣き出しそうな声に変わって来た。
 大陰唇の膨らみを指で揉みほぐす。

「い、いやぁ……はぁ……」

 親指と人差し指の二本が、強くなくそれでいて弱くもなく媚肉を摘みあげる。
 くにゅくにゅくにゅくにゅと、こね回されるたびに背中にビシッと電流が走る。

「せ、先生……いけない~、あはぁ~、そ、そんなことしちゃいけないですよぅ……」

 イヴは真っ直ぐに立っていられなくなって、手を社本の肩に乗せた。
 社本は返事をしない。
 真面目な表情でマッサージを続けている。

「早乙女さん、筋肉が先ほどよりもかなりほぐれて来ましたよ」
「あぁ……そ、そうですか……」

 外からは見えなくても、イヴのスウェットの秘所部分はすでにぐっしょりと露を帯びていた。

「早乙女さん、もう少しなんですが、スウェットが邪魔になって筋肉の動きが分かりにくいのです。できれば、スウェットを脱いでくれませんか? サポーター用のアンダーショーツは着用してますよね?」
「ええっ!?そんなぁ……、スウェットを脱ぐのですか……、脱がないといけないのですか……」
「はい、細かな筋肉の動きは裸が一番分かりよいのです。しかし素っ裸と言う訳には行きませんから、アンダーショーツ一枚になっていただきたいのです。これはあくまで体質改善が目的なんです。早乙女さんはお医者さんに行けば、恥ずかしがらずに胸を見せるでしょう? それと同じですよ。ましてや全裸ではないし」
「ええ、確かにアンダーショーツは穿いてはいますが……でも、ふだんのショーツよりもずっと小さくて薄いので……あぁ、恥ずかしいですぅ……」

「無理にとはいいませんよ。早乙女さんの身体のためを思って言っているのですから」

 イヴは表情を曇らせてしまった。
 それは無理もないだろう。
 相手が心ときめくコーチとはいっても、人前でアンダーショーツを見せたことがない。
 恥かしさで顔が熱くなった。
 だが、曇った顔はほんの一瞬だった。
 ついに意を決したのか、雲間から薄日が差すように表情を一変させて、

「分かりました。スウェットを脱ぎます。私の身体を柔らかくするためにおっしゃってくださってるのですから。これはスポーツですものね」

 と笑顔で社本の瞳を見つめ答えた。

「そうですよ。決して淫らな目的ではないですよ。早乙女さんの筋肉をほぐすことが目的です。それじゃ早速脱いでくれますか?」
「あ、はい……分かりました」

 イヴは恥ずかしそうに、社本に背中を向けてスウェットを脱ぎ始めた。
 ゆっくりとピンクのスウェットが、裏地を覗かせながら下へ下へと降りていく。


第5話「オフホワイトなアンダーショーツ」

 社本の目前に、オフホワイトのアンダーショーツと、日焼けとは無縁の透き通るように白い肌が現われた。
 アンダーショーツはTバックであるため、プリっとした張りのある臀部がしっかりと露出している。
 社本はイヴの双臀を、羨望の眼差しで見つめてる。

「これでいいでしょうか……」

 イヴは恥じらいながら小さな声で尋ねた。
 美女の脱衣シーンをうっとりとした表情で眺めていた社本は、突然、我に返ったように声を詰まらせながら返事した。

「えっ……ええ、それで結構ですよ」

 そしてすぐさま、

「それじゃあ、早速バックブリッジをしてもらいましょうか」

 薄いアンダーショーツ姿の人妻にバックブリッジの体勢を要求する社本。
 身体が弓なりになり、同時に恥丘が張り出してしまう。
 イヴは社本に訴えた。

「先生……そんな恥ずかしい格好をしないといけないのでしょうか……」
「はい、やってもらいます。身体の柔軟性向上と腹筋等の強化が期待できます」
「はい……」
「もっと具体的にいうと、バックブリッジで、お尻の筋肉大殿筋が鍛えられることによって、お尻周りの脂肪燃焼効果が期待できます。また、脊柱起立筋が鍛えられることで姿勢や骨盤の矯正にもつながります」
「わ、分かりました……」

 イヴは仰向けの状態で膝を立て、両腕を身体の横に置く。
 そして頭と肩甲骨と足で尻を浮かせ、身体を支えた。

「もっと脚を開いて、それから腰をもっと前に突き出して!」

 厳しい声が飛ぶ。
 声色は真面目だが、要求はかなり淫猥だ。
 それでもイヴは従順になる。

「これでいいのでしょうか…」

 肩から膝までがピシッと一直線になった。

「オーケー。20秒キープしてください」

 筋肉がプルプルと震え、アンダーショーツを穿いてはいるが、恥丘の盛り上がり具合がはっきりとうかがえる。
 よく見ると、薄っすらだが女の証である縦線と土手の形状までが浮き出ている。
 しかし社本はそれを言葉にすることはなく、さりげなくその光景を眼で楽しんだ。

「はい、よくできました。それでいいでしょう。その体勢は辛いと思いますが、あと二回がんばってくださいね。その間マッサージをしますが、姿勢を崩さないようにしてくださいね」
「は、はい……。せ、先生……でも恥ずかしいです……」

 社本の方に恥骨を突き出す体勢ということもあって、イヴの表情は少し硬い。

「しばらくの辛抱ですからね。ではマッサージをします」

 イヴの腰の辺りをてのひらでそっと撫でる社本。
 見事な腰の括れ、曲線美に思わず視線を奪われてしまう。

「それにしても早乙女さんは美しい肉体をお持ちですね。まさに芸術品だ」
「先生にそう言ってもらえてすごく嬉しいです……」
「本当にご主人が羨ましいですよ」
「そんなこと……」

 ブリッジの姿勢はつらいが、社本の賛辞に少し照れてみせ頬を薄紅色に染めた。
 そのしぐさは、決して少女には醸し出すことのできないような成熟した女の色香が漂っていた。
 腰にあてがった手が次第にアンダーショーツへと向かって行った。
 はち切った恥骨の辺りをさらりと撫でる。
 イヴは敏感に反応し、わずかだが腰をビクリと震わせた。

「腰を引かずに耐えて」
「は、はい……」

 早くもイヴの額には汗が滲んでいる。
 社本の撫でる恥丘のやや下方には、アンダーショーツ越しに草原が潜んでいる。
 三本の指で草原に円を描きながら、ゆっくりと小さな突起に近づく。
 指は突起のある箇所で停止した。
 くすり指がしりぞき、ひとさし指と中指の二本が突起の上に残った。
 二本の指は、柔らかく突起をもみほぐした。

「はあっ……先生……いけませんわ……そこはぁ……」
「どうしたのですか?早乙女さん。ここには筋肉をほぐすためのツボがあるんですよ。身体をのけぞらせないようにしてくださいね。しばらく我慢してください」
「え?ツボがあるのですか?」
「はい、ツボがあります。これは性感アップの愛撫などではありませんので。誤解のないように」
「あぁ……は、はい、先生……」

 突起に円を描いたり、縦や横に撫でたり、あるいは軽く押すような仕草を繰りかえしているうちに、イヴは愛撫をされているような気分になり思わず声を漏らしてしまった。
 さらにアンダーショーツの向こう側はじわりと潤いはじめていた。
 最初は小さな染み程度であったが、それは次第に大きく広がっていった。
 アンダーショーツは素材が薄いため、少し濡れるだけで透けてしまい、秘所の形状が社本の目に留まるほどくっきりと浮き出てしまっていた。
 社本はそれを指摘することはなく、黙々と指導に専念した。

 それでも次第に変化が現れていた。
 突起部分がだんだんと硬くなりはじめていたのだ。
 しかも息遣いが荒くなってきている。

「はぁ~、先生。もう……もう、ダメです……」
「もう少し、もう少しがんばってください、もう少し」

 指は突起部分から、アンダーショーツの濡れて窪んだ部分へと移動した。


第6話「Gスポットマッサージ」

 布越しではあるが、指は窪んだ部分にぐいっと食い込んだ。

「はふぅん……そ……そんなぁ……そこは…そこは……ちがぅ……」
「いいえ、違いません。ここは大事なツボです。僕に任せておいてください」

 そうつぶやくと、社本の指はぐいぐいと布に穴が開くのではないと思えるほど強く突き進んだ。

 グチュグチュと湿った音が聞こえる。

「あれ?早乙女さん、どうしてこんな音がするのですか?」
「だってぇ……」

 イヴは顔を紅く染めている。
 社本は手を緩めない。

「湿った音がする原因を確かめないといけないですね、早乙女さん。仕方がない、この小さな布切れを取って調べてみましょう」
「そ、そんなっ……いや、いやです……」

 イヴに有無を言わせない。
 アンダーショーツの後方に指をかけた。
 汗と蜜液でじんわりと湿ったショーツは、ゆっくりと引き下げられていく。
 
「せ、せんせぃ……恥ずかしいですぅ……」

 消え入りそうなか細い声でつぶやくイヴ。

「さて、湿った音はどこから出てるんだろうね?」

 脚を閉じようとする脚を、こじ開ける社本。
 すでにブリッジの体勢はくずれ、仰向けに横たわるイヴ。
 拒むこともできず、桜色の媚肉があらわになっていた。

「音源は……?」

 社本は花弁をまさぐりながら探すふりをする。
 ぴっしりと慎ましやかに閉じた姫貝に触れた。
 姫貝の合わさった部分をゆっくりとこじ開ける。
 わずかに現れた秘口が、きらきらと水滴を帯びて美しく輝いている。

「おかしいなあ? 音はどこから聞こえて来たのだろう」

 社本は貝の合わせ目から指を挿しこみ探索を始めた。
 敏感な部分が社本の指でこねられている。
 そう思うとイヴは頭がカーッと熱くなった。

「はぁん……先生……い、いけません……そんなことしたら……」

 社本は探すふりをして、陰唇の内外をいじり続ける。

「いやぁ、もう、いやぁ……」
「ふうむ、音はもっと奥の方からかな?」

 社本は、秘口に指をゆっくりと挿し込む。
 指がだんだん見えなくなっていく。
 第二関節の辺りで一旦停止すると、今度は小刻みな振動に切り替えた。

「あはぁ……せんせい……いけませんわぁ……そんなことしたら……いけませんわぁ……」
「そうそう、実はこの奥に、関節を柔らかくするスポットがあるのですよ。この辺りだったかな?」

 社本の指が激しく秘口内を掻き立てる。
 それもクリトリスの裏側にあるGスポットと呼ばれる部位、イヴの最も感じる急所を集中的に攻めたてながら、社本自身もぐっと息をのんで全力を込めてその場所を愛撫した。

(こんなのっ、こんなのだめえええっ! 激しすぎるっ! がまんできな……いぃぃいいっ!)

「うううっ……! あぁ、だめぇ……!」

 歯を食いしばり絶頂だけは堪えようとするイヴを嘲笑うかのような激しさで蜜壺がかき回される。
 きゅっきゅっと無意識のうちに少しでも指の動きを阻害しようと膣の筋肉が動くが、それを上回る力でもって社本の指が暴れまわる。
 もはやこれ以上耐えることは不可能であった。
 
「もう……もうだめです……先生……ダメですぅ~!」

 鮮烈な快感によって頭の中に幾筋もの閃光が走り、苛烈な絶頂感が全身を走り抜ける。

(はああああぐううううぅぅぅっっ!! イクっ!!! イクっ、イクっ!!! ひあああああぅぅぅっ、りゅううじいいいいっっ!!)

 ぐりんと指が回転しGスポットを刺激した瞬間、ついにイヴは快楽に屈して絶頂を迎えた。
 脳内でスパークが起きたように意識が真っ白になり、全身が意思とは無関係に激しく痙攣する。
 そしてその秘口からはぷしゅっと音を立てて潮が吹き出し、全身を潮でびしょびしょに濡らしていく。

「は、恥ずかしい……」

 タオルでイヴの濡れた箇所を拭いてやりながら社本はつぶやいた。

「早乙女さんの筋力の強さはよく分かりましたが、大会に出るためには腰のキレが大変重要となります。腰のキレをアップするための訓練を少しやって、今日は終わりにしましょう」

 社本はイヴが潮吹きしたことには一切触れず、冷静に語りかけた。
 イキかけていたのに中断されてしまったイヴ、不完全燃焼のような満ち足りていない気持ちのイヴは、そんな社本を恨めしくさえ思った。
 しかし文句などいえない。これは性行為ではなく、あくまで柔軟性を目的としたマッサージなのだから。

「はぁはぁはぁ……腰のキレ……ですか? どんなことをするのですか?」
「はい、難しいことはしませんよ。早乙女さんは座ってグルグル廻るだけでいいんです」
「え?座って……廻る……?」
「そうです。廻ることで腰のキレがアップします。でも正しく廻るためにはぶれないための軸が必要です。軸は……」

 そういって社本は床に仰向けに寝転がり、天井を向きそそり立つ肉柱を指し示した。


第7話「七色の悦楽」

 つまり、怒張した肉柱でイヴの花芯を突き刺してそれを軸に廻る、という意味なのだ。

「そんなぁ……」

 イヴの頬が真っ赤に染まった。
 しかしイヴの肉体はさきほどからの社本の愛撫により感情が昂っていて、抑制が効かなくなっていた。
 社本は恥じらいを見せ戸惑っているイヴの手を引き、強引に自身の腹部にまたがらせた。
 すでにイヴは社本のなすがままになっている。

「せ、先生ぃ……」

 かぼそい声を発し社本にもたれ掛かかると、すぐさま社本は花芯に照準を合わせた。
 すでに花芯はしっかりと濡れていたため、肉棒が中心部を捉えると容易に食い込んでいった。

(グジュ……)

「あぁぁっ……!」

 イヴは久しぶりに味わう肉柱の感触に、思わず艶声を漏らしてしまった。
 さらに瞳を閉じると、顎を上げ、もじもじと腰をよじる。
 社本は腹上のイヴの艶めかしい動作をじっと見守っていたが、イヴの体勢が落ち着いたのを見計らって、社本はゆっくりと腰を動かし始めた。
 社本の動きに合わせて、イヴの身体がゆっくりと揺れる。
 社本が十数回律動を繰返した頃、イヴの口からかすかなうめき声が漏れた。

「あぁ、先生……あぁ、あぁっ……」
「早乙女さん、ぐっと膣を引締めてごらん。ううっ……そうそう、その調子。それを何回も繰り返すんだ。膣のしまりの訓練だよ。腰の鍛練になるし、ご主人もきっとお喜びになるよ。がんばって」

 イヴは社本からの助言どおり、花芯を何度も引締めた。
 収縮を繰返す花芯はまるでイソギンチャクのように妖しくうごめきを見せた。

「ああ、先生……おかしくなりそうです……」
「うっ……早乙女さんの膣は本当によい締りだ。ううっ……なんか千切られてしまいそう……」

 イヴは瞳を閉じて、込み上げてくる官能の波に溺れるまいと社本に身体を委ねた。
 そんなイヴに対し社本は次の行動を指示した。

「さあ、早乙女さん、そのまま抜かないで右へ一回転してみて」
「あ……は、はい……」

 イヴは社本の指示どおり、右へゆっくりと回転した。
 だが挿入されたまま一回転するのは思ったよりも大変だった。
 怒張した肉柱が突き刺さった状態だから、身体を動かせるたびに思わず感じてしまう。
 動くたびに擦れる部分が微妙に変わり、七色の虹のようなさまざまな快感が込み上げてきた。

「はふう……あっ…あぁぁ……はぁん……あはぁ……」

 声を抑えることができず、喘ぎながら旋回する。
 やっとの思いで一回りしたが、大きく息を切らせていた。

「それじゃ、次は左回り」
「は、はい……」

 左へ廻るころ、イヴの声はかなり大きくなっていた。
 ためらいが少しは薄れたのかもしれない。

 その後、数回回転したころ、イヴは興奮と歓喜の坩堝の中にいた。
 ちなみに二人が現在演じている体位は『御所車』という名前がついていて、騎乗位の中でも上級者向けと言えるだろう。
 別名『花時計』『ナイアガラの滝とし』『タケコプター』などとも言われている。

 数回転廻り終えたイヴと顔を見合わせた社本は「よくできたね」と褒めると、今度は社本自身が動き始めた。
 イヴは悦楽に酔いしれながらも、時折、社本の小麦色の肌に目をやった。
 自分のために動作する美しい筋肉……
 光る汗と照明により、なおそれが浮き彫りになる。
 それはイヴにとって一種の感動であった。
 夫には感じたことのない感動であった。

 イヴは疾走した。
 走り出した列車はもうブレーキが効かない。

(幹男さん、許して……、私は、私はもう……)

 官能の業火の中でくすぶる夫への懺悔。
 複雑な胸中に苦しみつつも、刹那の歓喜に溺れていく。

「あはっ、ダメ、ダメ、ダメ、あは~~~っ!イク~~~~~~ッ!」

 イヴの頭の中は真っ白になり、崖の上から深い渓谷へと落下していくような感覚に陥った。

「あっ、早乙女さん、ぼ、僕ももう……おおっ、が、我慢できない~!」

 イヴが達した後、少し遅れて社本がイヴの中で果ててしまった。

「早乙女さん……すばらしい……すごく気持ちが……いやいや、そうじゃなくて、大会には出られるだけの素養を十分に持っておられます。だから、当分は根気よく通ってくださいね」
「あぁ……はい、先生……これからもがんばりますので、ぜひご指導をお願いします……」

 微笑みながらイヴが社本の胸に頬を寄せると、社本はイヴの髪を撫でながらつぶやいた。

「もちろんですとも。腰のキレ……がかなり良くなりました。でももう少し練習をしなければいけないですね」
「はい、先生。もっともっと練習をしたいです。何なら今夜夜通しで特訓してくださっても構いませんよ」
「え? 家の方はいいのですか?」
「はい、主人は当分帰らないんです、現在海外に出張中なもので……」

◇◇◇

 イヴはBMWのハンドルを握り自宅へと向かった。
 助手席には社本を乗せて。
 夕方になると、イヴは社本のために料理を作ってやり、ワイングラスを交わした。その後二人は生まれたままの姿でめくるめく甘いひとときを過ごした。

 ちょうどその頃、キャリーケースを引き摺り、マンションの鍵を開ける男の姿があった。
 夫の幹男である。
 一昨日、代表取締役社長の母親が急死したため、通夜に参列するため急遽帰国したのだった。
 幹男は従来から帰宅が遅いこともあり、インターフォンを鳴らさず自分で鍵を開ける習慣があった。
 今日もふだんと同様にインターフォンを鳴らすことはなかった。
 玄関扉を開き、土間に一歩脚を踏み入れた時、見慣れない紳士靴があった。

「もう、困ったやつだな。あれだけ訪問販売は買わないように言ってあるのに。いったい何屋が来てるんだろう?」

 幹男はぶつくさとつぶやきながら靴を脱いだ。













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