第1話「合コン頭数合わせのはずが」
現在ありさは大学3年生、彼氏イナイ歴6ヵ月。大学生であるかたわら、ギャルファッションのブランド『エゴ〇スト』のモデルとして人気を博し、着用した服やアクセサリーが瞬く間に売れてしまうほどである。
それでも驕ることはなく、ふだんは気さくな普通の女の子である。
日頃ありさは、オフショルダーやショートパンツを愛用し、胸元・背中を大胆に開いて見せたデザインなどセクシーな肌見せが多い。
桜も散った4月の後半、白のチュニックにデニムのショートパンツとカジュアルないでたちで街を行くありさ。
友人の美和から連絡が入った。
『ありさ、今度の土曜、空いてる?』
美和の問いに、軽く『うん、空いてるよ』と答えてしまったありさ。
あとで合コンと聞いてがっかりする。
断ろうとしたら、まもなく美和から電話がかかってきて、
「あ~良かった~。これで人数揃ったわ」
と喜ばれてしまって、断れなくなってしまったありさ。
頭数要員と分かり、ちょっとご機嫌ななめなありさ。
「くそ~、騙されたあ~」
ありさは自然な出会いを願う派であり、お膳立て恋愛の典型とも言える合コンがあまり好きではなかった。
ところがどうだろう。話はどう展開するか分からない。
ありさは頭数合わせの合コンで、なんとタイプの男と出会ってしまったのだ。
爽やかなイケメンであり、会話をしているだけですごく癒され、明るい気分になれる。
ありさが最初に受けた印象であった。
「社本トオルです」
「トオルさんね、立花美和です」
すかさず美和がたずねる。
「トオルさんって専攻は何ですか?」
「医科学専攻です」
「医学部ですか? すごいな~! 将来はお医者さんですね?」
「はい、将来は開業医になりたいと思ってます」
「私、親戚にお医者さんっていないからすごく興味があるんですよ」
トオルが美和と会話するのを、ありさはじっと聞き入っている。
「敬語は使わなくていいよ、僕もタメ口でしゃべるから」
「はい、そうします」
「でも結構長い間、病院でがんばらないといけないんだよね」
「そういえば開業医に若いお医者さんってあまり見たことないよ」
「医院開業の平均年齢って四十歳ぐらいだからね、意外と遅いんだよね」
「そんなにかかるんだ。結構大変だね」
「勤務先の病院で一定期間のキャリアを経たあとに開業するので、かなり年数がかかってしまうんだ」
美和はリッチな男性が一般的に好む話題を選び、海外旅行や高級車などの話題に振ってみたが、どうも盛り上がらない。
それもそのはず。トオルは金持ちの御曹司が好むような趣味には興味がなく、いたって平凡な趣味嗜好の男性なのだ。
美和が提供した話題は見事にすべってしまった。
そんなとき美和に助け舟を出そうと、なにげに料理の話題を提供したありさに、トオルが興味を示した。
横浜の実家で母から料理を教わったありさはかなりの自信があった。
実はトオルが料理の上手な女性が好きだったため、話題がピタリと填まったのだった。
トオルはありさと嗜好が一致したことで、その後の会話は大いに盛り上がった。
「ありさちゃんの服装っていつもそんな感じなの?」
ありさのその夜の服装は可愛い系で、オフショルダーのトップスとフレアスカートでまとめていた。
またワンポイントの赤いリップスはきっちりとは塗らず、グラデ―ションにすることで愛らしさが一段とアップしていたことが、トオルの目を惹いた。
「ふだんはもっとカジュアルなの」
「へえ~、たとえばどんなの? Tシャツにデニムとか?」
「うん、デニムのショートパンツが大好き」
「そうなんだ。今着ているファッションとかなりギャップがあるね。見てみたいな~」
トオルがありさに執心であることを察した美和は、意図的にトオル以外の男性と会話を始めた。
ありさは爽やかな印象のトオルに好感をいだいた。
硬すぎない、かといってチャラくない。やさしくて話のセンスもよい。話していて肩が凝らないし、とても楽しい。
トオルもありさのことが気に入ったようだ。
数合わせで参加したはずの合コンで、何と他の合コンメイン女子を差し置いて、頭数合わせのありさが一人の男性の心をを射止めてしまったのだ。
その後トオルとLINEのIDを交換しその夜は閉会となった。
◇◇◇
その夜、合コンが終わって2時間後トオルからLINEがあった。
鉄は熱いうちに打てということわざがあるが、トオルの行動は実に迅速であった。
合コン後のタイミングとしては絶妙といえた。
『ありさちゃん、今日はありがとう!君と話ができてすごく楽しかったよ!(笑) 数時間しか飲んでないのに、めっちゃ濃かったね!話し足りないからまた飲もう~!』
『こちらこそありがとう☆★あっという間だったね!☆★また行きましょう~!☆★』
まもなくありさに返信が届いた。
『さすがモデルさんだけあって、オシャレ感半端なかったよ』
『ありがとう☆★でも褒め過ぎ~☆★』
『ありさちゃんともっと話したかったなあ』
『私も~☆★』
『そういえば、ありさちゃんどこに住んでるんだっけ?』
『自由が丘に住んでるよ~☆★』
『東急線沿線だね。東京医療センターがあるね』
『よく知ってるね。入院したことあるの?☆★』
『違うよ(笑)少し前に医療研修で行ったんだ』
『あっ、そうか☆★医者のたまごさんだものね☆★えへへ、ごめんね☆★』
合コンの場でうまくいってもいかなくても、その後大事なことはLINEやメールをするタイミング。
気になる女性と距離を縮められるかどうかは、その後のフォローが決め手となる。
せっかく女性といい雰囲気になれてもその後のフォローがきちんとできていなければ、その出会いは無駄になってしまう。
その点、トオルはそつがなかった。
ありさも合コン時トオルに対し好感を抱いていたので、彼の誘いを二つ返事で承諾した。
やがて数回にわたる「LINE」の交換でありさとの距離を縮め、ついにデートへと漕ぎつけた。
第2話「ありさの縦線」
今後ふたりが付き合うかどうかは初デートで決まる。
トオルは店を事前に予約するなど段取りもよく、当日はありさのことをもっと知りたいといい積極的に話しかけてきた。ありさに好意を抱いていることが一目で分かった。
ありさもまた「トオルくんってもてそうだよね」「とってもオシャレなんだね」等と積極的に褒め言葉が飛び出し、さらには「今、彼女いるの?」とズバリ聞いてきた。これはかなり脈ありのパターンだ。
二人の口から「楽しいね」といったプラス言葉も飛び出し、どちらからも「もう帰ろう」という言葉がなかなか出ない。
食事の後、バーに寄って帰りが遅くなってしまったが一回目のデートは大成功に終わった。
その夜、すかさずトオルからLINEが入った。
『ありさちゃん、今日はありがとう!すごくすごく楽しかったよ!また行こうね!』
短い文言だがトオルの思いが十分に滲み出てる。
『私の方こそめちゃ楽しかったよ!☆★また行きましょう!☆★』
その後すぐに2度目のデートが訪れた。
でもトオルから告白もなければキスのタイミングもなかった。
ありさは思った。
(ソフトそうに見えるけど、やっぱり生真面目な人? 初デートでホテルに誘ってくる『カラダ目当てが見え見え男』が過去いたけど、むしろトオルが紳士だよね)
そして3度目にありさはトオルのマンションに誘われた。都内のワンルームに住んでいるという。
黒のカットソーとチェックのラップスカートといういでたちで颯爽とマンションに向かうありさ。
トオルはふだんあまり掃除をしないが、今回ばかりは前日から懸命に行なった。
床は塵一つないようにピカピカに磨き込んだ。
ありさのために地元で有名なケーキ屋さんまで行きケーキを二つ買った。
だけどありさはモデルをしているので食べないかもしれない。
「わ~い、美味しそう~☆★いただきます~☆★」
「ほっとしたよ。ありさちゃん、もしかしたら食べないかもしれない、やばい物買ったかな?と思ってたんだ」
「よく食べてよく運動をするのが、私のモットーだから☆★」
「ありさちゃん、スタイルいいものね」
「ありがとう~☆★でもそんなに痩せてないよ」
「よくいうよ。かなりスリムじゃない」
「私ね、『ゆる腹筋女子』を目指しているの☆★」
「『ゆる腹筋女子』ってなに?」
「モデルだけじゃなくて、世間の女の子は今、こっそりとお腹を鍛えてるの知ってる?☆★」
「いや、知らない。腹筋を鍛えるっていいことだよね」
「でもね、バキバキに割れた腹筋……じゃなくて、お腹にすっと縦線が入った『ゆる腹筋』が目標なの☆★」
「バキバキよりも柔らかい感じだし、より女性的な感じがするよね」
「そうなの☆★それを目指しているの☆★ただ痩せているだけじゃない、引き締まった身体、それが『ゆる腹筋』なの!☆★」
「かなり引き締まってるように見えるけどね」
「少しだけ縦線入ってるよ☆★」
「縦線って聞くと、別の縦線を想像しちゃうなあ」
「トオルくん、意外とエッチなのね☆★」
「意外じゃなく、正真正銘エッチだよ。じゃあ、お腹の縦線ちょっとだけ見せてくれる?」
「いいけど、ちらっとだよ☆★」
「うん、ちらっとでいい」
ありさはカットソーの裾をほんの一瞬だけたくし上げた。
細くて白い腹部が少しだけ覗けたが、腹部の縦線まではよく見えない。
「そんな一瞬じゃ分からないよ。ちゃんと見せてよ」
「でも恥ずかしいなあ☆★」
初めはもじもじしていたありさだったが、今度は観念したのか、裾をたくしあげるとそのまま下ろさなかった。
「おおおっ!ありさちゃんって肌が白いね。それにウェストめちゃ細い」
「ねえねえ、どこを見てるのよ。お腹の縦線を見るんじゃなかったの?」
鍛えているだけあって、ありさの腹部にはくっきりと美しい縦線が走っていた。
今のありさの状態はまるでへそ出しコーデを間近で見ているようで、コケティッシュな魅力に溢れていた。
「へえ~、きれいに縦線が走ってるね」
じっくりと女性の腹部を眺めることなど滅多にないトオルは、つい見惚れてしまった。
「そんなにじっっと見つめられたら恥ずかしいよ☆★」
「ねえ、少しだけお腹を触ってもいい?」
「うん、いいけど……☆★」
トオルはありさの腹部に手を伸ばした。
「どう……?硬い?☆★」
「うん、見た目は柔らかそうなお腹だけど、触ってみると案外硬いね」
「でしょ?☆★」
「うん……ありさちゃんのお腹を触ってたら、急に気分が高揚してきた」
トオルはカットソーの腹部から潜り込ませた指を、さらに胸元まで滑り込ませた。
「えっ……うそっ!?☆★」
第3話「ケーキよりも先に食べたい物は」
突然トオルの欲情スイッチが発動してしまったようだ。
カットソーの中に潜り込んだトオルの手がCカップの上をまさぐる。
あまりにも唐突なトオルの行動に慌てふためくありさ。
「ちょっとちょっと、トオルくん!ケーキを先に食べようよ!☆★」
「ケーキよりも先に食べたい」
「そ、そんなあ……☆★」
胸の感触を確かめながら、急にトオルがありさに腕をまわし、突然のキス。
「ん……っ!?☆★」
舌が唇を強引にこじ開ける。
独特のぬるりとしたぬくもりが侵入してきた。
しつこくありさの舌に絡みつき、逃げようとしても離そうとしない。
かなり強引だ。
「ふ……っは……んっ……☆★」
(トオルくんって一見カタブツそうだけど、意外と女の子のことよく知ってる感じ~☆★)
まったくの無防備だったありさは、受け止めるだけで精一杯だった。
トオルがひたすらキスを繰り返しながら、くるおしげな手つきでありさの胸を撫でる。
「ど、どうして急に……?☆★」
ありさが尋ねると、トオルはポツリとつぶやいた。
「ありさちゃんのことが大好きだ……君としたい……」
「トオルくん……☆★」
「合コンで初めてありさちゃんを見たときから、君のことが頭から離れなくなって……」
「トオルくん、私もあなたのことが好き……☆★」
いうやいなや、手がブラジャーの中に忍び込んだ。
ブラジャーが上にずらされ乳房があらわになる。
柔らかさとぬくもりを確かめるように、ねっとりと揉まれる。
トオルの手の動きを通して、ありさにもその弾力が伝わった。
「いい感触だね?」
「おっぱい小さいでしょう?☆★」
「そんなことないよ。僕としてはジャストサイズ」
「そうなの?☆★」
手のひらが先端に当たるたびに身体が熱くなっていく。
トオルはカットソーとブラジャーを脱がせた。
「うわぁ、白くてきれいな形のおっぱいだ」
「恥ずかしい……☆★」
両手をクロスにして乳房を隠すありさ。
トオルはやさしくありさの腕をのけ、乳房に口を近づけた。
ぬめっとした感触が乳輪に触れる。
「あんっ……☆★」
羽根のような動きで乳首を舐め始めた。
もう片方の手は、指先で小さな円を描くようにしながら時折乳首に触れる。
「はぁ……☆★」
ありさの中心部がきゅんと熱を帯びたように熱くなり、奥から何かがじんわりと溢れ出してくるのが分かった。
ありさも夢中で手を伸ばして、トオルの硬くなったものにそっと触れる。
まだ一度も愛してはいないが、まるで何度も愛してきたかのように愛おしい。
こんなふうに硬くなっていると、ハートを軽く掴まれたようなものぐるおしさを感じて欲しくなる。
「まだ、ダメだよ……こっちが先……」
そうささやくと、スカートをまくりあげ薄いピンク色のショーツをゆっくりと脱がせる。
「やぁん……☆★」
「ありさちゃん、ここの毛が少ないんだね」
「恥ずかしいから見ないで……☆★」
「こんなにきれいなもの、見せてくれなきゃもったいないよ」
「……☆★」
「おなかの縦線もくっきりとしているけど、こっちの縦線もくっきりしていて、かわいいね」
「ぃやぁ~ん……そんなこといわないでぇ……☆★」
「もっとしっかりと縦線を見せて」
太腿を左右にゆっくり開いて顔をうずめるトオル。
「あっ……あんっ……☆★」
舌を小刻みに左右させ動かす。
ちゅ、ちゅっとありさを愛する音がワンルームの狭い部屋に響いた。
大事な豆肉を剥き出しにされて、舌先でチロチロと舐めながら、同時に中に指をそっと差し入れようとする。 もう十分に湿っているそこは、恥じらいを覚えてしまうほど容易にトオルの指を受け入れた。
「うわ~、すごく濡れてる……」
「やぁん……☆★」
指の動きが止まらない。水音がさらに大きくなる。
「気持ちいいんだね?」
「ん~、ん~、すごく……いい……」
「僕のモノも気持ちよくしてくれる?」
トオルは黒のスキニ―パンツを脱ぐと、そそくさとボクサーパンツを下ろし始めた。
上反りの太い肉柱がありさの目前に現れた。
カリの部分がかなり立派で力強さがみなぎっている。
ありさは急に恥かしくなってうつむいてしまった。
トオルはフェラチオを熱望した。
「ありさちゃん、いい?」
「う、うん……☆★」
ありさは大切そうに両指を添えた。
硬さだけではなく熱気までが指に伝わってきて、たちまち鼓動が高鳴った。
ありさは上目遣いでトオルを見つめると、舌先で亀頭をチョロチョロと刺激した。
たちまちトオルは鼻にかかった吐息を漏らし始めた。
「んっ、っぁっ……ふ、ん、あ、ありさちゃん……きもち、いい……っ、ぁん…」
「ん……ん……むちゅむちゅ☆★」
想像以上にトオルが反応をし試したため、気をよくしたありさは亀頭全体をパクリとくわえた。
「うお~~~っ!ありさちゃん、それ、すごくいい~~~!」
第4話「初めて体験するすごい体位」
まるで棒付きキャンディーを食すときのようにイチブツを頬張るありさ。
亀頭部分をすっぽりと咥え込み、首を縦に振る。
口の中でトオルのイチブツがどんどんと太くそして硬くなっていく。
ありさは紅潮し頬が桜色に染まっている。
トオルの息遣いもかなり荒くなってきた。
「ごめん、もう我慢できない」
トオルの口から熱望の言葉がもれた。
ありさの中で期待と緊張が高まる。
トオルは真正面から挑んだ。
その瞬間、彼のはちきれそうなものが圧倒的な質量で、ありさの秘裂を開いていく。
「は……あぁぁっ……!☆★」
肉体を、甘く、切なく押し上げられるような感覚に、喉の奥からあえぎが漏れてしまう。
(ずっとこの感覚が欲しかったのかも……☆★)
ありさはそう思った。
「ありさちゃんの中……すごく気持ちいい……」
トオルの肉柱が奥まで達した。
自我を忘れるぐらい恍惚としながらも、つながることができた歓びに、身体が熱くなり子宮の奥が狂おしく疼いた。
「すごい濡れていて……うううっ、締まるっ……」
一度は奥まで届い肉柱は、引き抜かれ、また奥を目指して貫かれた。
とめどない蜜が結びついたところから溢れる。
そんなふう動かされたら、全身で快感を受け入れるしかなくなってしまう。
「あ……ああっ……☆★」
たまらなくなってトオルにしがみついた。
単調な動きだからこそ、快楽は身体に確実に染み込んでいく。
「はぁ……☆★」
瞳を閉じて、小さく息を吐くありさ。
トオルが腰を深く入れる。
グチョッ、という湿った音が聞こえた。
「聞こえた? 僕のモノがありさちゃんの中に入っていく音……」
「うん、聞こえたぁ……恥ずかしいよぉ……☆★」
トオルはゆっくりと抽送を繰り返す。
押しては引く、引いては押す。
しびれるような甘い感覚に、ありさは酔いしれた。
(すごくいい……こんなに太くて硬いものを入れられると、どうして女の子は気持ちがいいのだろう?☆★)
ありさは自分に問いかけてみた。
でも答なんて知らない。
ときおり訪れる小さな絶頂に身をよじらせながら、ありさは無意識のうちにシーツをつかんでいた。
「おおっ、すごい、ありさちゃん、すごい……」
「わ、私も……すごくいいよぉ……☆★」
ずっと正常位の体勢だったので体位変換することになった。
「ありさちゃん、ちょっと背中を向けてくれる?」
てっきり後背位になるのだと思った。
だけどどうも勝手が違う。
「うつ伏せになって寝てくれる?」
「えっ……?☆★」
バックなら女性は四つ這いにならなければならない。
ところがトオルはありさにうつ伏せになれという。
(トオルはどんなことをするつもりだろう?☆★)
首を傾げながらも、ありさはトオルの指示どおりうつ伏せになった。
するとトオルはありさの股間に陣取り膝立ちになった。
「……?☆★」
まもなくトオルはありさの腰の両側に手をあてがいグイっと持ち上げた。
次の瞬間、肉柱がありさの秘孔を貫いた。
「あんっ……!☆★」
トオルは自身の腹の方へグイグイとたぐりよせる。
ありさは初めて体験する不思議な感覚に驚きを隠しきれなかった。
トオルはどこで覚えて来たのだろうか、まだ大学生だというのに奇抜な体位を知っている。
この奇抜な体位は『抱き上げ』と命名されているのだが、ありさばかりかトオルもまったく知らなかった。
実は数日前トオルが最近友人から借りたDVDの『びっくり体位特集』の中の体位の一つが、トオルの脳裏に強く焼きついていた。
それを今日の実践で使ってみたのであった。
『抱き上げ』はかなり深く食い込むのが長所だが、男性の腕力がかなり必要なことと、女性はかなりアクロバットな姿勢になるため、長時間行なうのはきついとされている。しかしその刺激的なフォームから興奮が高まることは確実だ。
挿入角度が偶然合致したせいか、ありさはたちまち激しくあえぎはじめた。
「や~ん!それ……すごい~!☆★」
「そんなにいいの……!?」
膣の中にはとてつもない快楽のポテンシャルに満ちた性感帯『Gスポット』が存在する。
ここはいわゆる「中イキ」ができるかできないかを左右する重要な性感帯なのだ。
まだ性の知識の浅いトオルだが、ありさへの挿入角度が運よく『Gスポット』にヒットしたのだった。
人間は運のよさも大事だ。特に性の相性のよさは今後の交際に大きくプラスする。
そんなことなどまったく知るよしもない二人は一生懸命抽送を繰りかえした。
かなりきつい体位だが、気持ちよすぎてやめられない。
ふだん大人しいトオルだが、今日ばかりは男の野性を剥き出しにして、ありさを攻めている。
ピストンのたびにありさの身体がピクリと震える。
ビッチョンビッチョンと淫靡な音が響いている。
狭い峡谷から入った肉柱は、ありさの頭上にまで突き上げそうな勢いだ。
「あん……あっ……ああ……あぁ、いい……☆★」
「はぁはぁはぁ……はぁはぁはぁ……」
ありさがあえぐと、トオルが激しい息遣いで呼応する。
トオルの汗がありさの白い尻にポタリと落ちた。
汗を拭いてやる余裕もないトオルはありさの腰をしっかりと抱え激しくピストンを繰り出す。
淫らな水音が部屋中に響き渡る。
第5話「同時絶頂は望むところ」
トオルとどれほどの間交わっていたのか、ありさには思い出すことができなかった。
それほどに、ありさは激しく濃密な快楽を体感していた。
その頃、ありさはトオルの上で腰を振っていた。
「イキそうっ……☆★」
春のつむじ風が吹き荒れるような行為の中、ありさはそんな喘ぎを漏らしていた。
眩しい閃光に全身が包まれ、かつて味わったことのない迷路に、ありさはその時迷い込んでいた。
素直に快感を告白し、ありさは自ら蜜唇を突き出すように腰を振った。
「あぁ、もう……もう、ダメ……イキそう、イキそう、もうイキそう……☆★」
泣き出しそうな声を奏でトオルの胸にもたれかかるありさ。
ありさに呼応するかのようにトオルは、
「イク……あぁ、気持ちいいっ……イクよ、あ、あぁ……好きだ……っ」
彼の言葉は、うわごとのようになっていた。
こんなときに好きだと言ってもらえるのは、嬉しい。
絶対に嘘ではないだろうから。
ありさはそう思った。
深く繋がりながら、トオルの首にしがみつく。
トオルのモノが、一段と硬くなり中でどくんと脈打った。
「ううっ……うううっ……おおおっ!」
「ああっ……イク……イッちゃう……あ、あ、あぁぁぁ……☆★」
二人はほぼ同時に頂上に向かって駆け上がる。
ありさは身体をピクピク痙攣させているが、トオルはまだ名残惜しそうに腰を動かしている。
スキンを着けているから最後の一滴までありさの中で搾りだすつもりらしい。
「あ……あぁん、ダメ……イッちゃうよぉぉぉぉぉ……!☆★」
達したありさはトオルの胸に顔をうずめたままピクリとも動かない。
ひたすら余韻に浸っているようだ。
「ああ……気持ちよかったぁ……☆★」
「僕もすごくよかったよ」
「ねぇ、トオルさん、二つ目の体位は何ていうの? 身体が宙に浮くような不思議な感じがしたよ☆★」
「ああ、あれはね、友達から借りたDVDにあった体位で、次回エッチするときに必ずしようと思っていたんだ」
「へぇ、そうなんだ。てことはトオルさんにとって私が初チャレンジの女の子?☆★」
「うん、ありさちゃんだけの体位にするつもり」
「ええっ?私だけの体位?☆★」
「ねえ、ありさちゃん、僕と付き合ってくれる?」
「うん、私でよければ☆★」
「やった~!ありがとう~!」
「それで、さっきの続きだけど、あの体位、名前はなんて言うの?☆★」
「何でも『抱き上げ』っていうらしい」
「へえ、そうなの☆★」
「ありさちゃん、肘立て伏せみたいな体勢になってたけど、腕だるくなかった?」
「うん、だいじょうぶ。だってフィットネス通ってるもの☆★」
「それで、そんなに身体が引き締まってるんだね。めちゃカッコいいもの」
「ありがとう。トオルさん、大好き~☆★(チュッ)」
ありさはトオルのほっぺに軽くキスをした。
「それに……」
「なに?☆★」
「身体もよく締まってるけど、アソコの締まりもすごかったよ。早くイキそうになったけど、耐えるの必死だったよ」
「我慢しなくてもイキそうになったらイッたらいいのに。2ラウンドすればいいんだし☆★」
「わお~、嬉しいこと言うね。じゃあ、すぐに2ラウンド始めようか?」
「あはは、せっかちね。その前にケーキタイムしようよ☆★」
「あっ、ありさちゃんが買ってくれたケーキを食べなくては」
ありさはトオルの胸に頬を寄せて甘えた。
ありさの甘い香りがトオルの鼻腔をくすぐる。
トオルもやさしくありさの髪を撫で、そっと抱き寄せた。
それから熱いキスが始まったが、二人とも離れようとしない。
◇◇◇
それから1週間が経った。
ありさはトオルに手料理を振る舞う約束をしていた。
彼氏に手料理を作るのは、女性にとって大きなイベントなのだ。
ありさが作った料理はオムレツだった。
滅多に自炊をしないトオルは久しぶりに味わう手料理を大いに喜んだ。
「ありさちゃんって意外と料理が上手いんだね」
「なんだって~?意外とってどういう意味よ。聞き捨てならないな~。もう次は作ってあげないもんね~☆★」
ありさのほっぺをプゥ~と膨らませた。
その表情がやけに可愛いとトオルは思った。
トオルはすぐさま謝った。
「いやいや、ありさちゃんは学業のかたわらにモデルさんをやってるし、忙しいだろうと思ってね。それに、かなりの美人なうえに、ファッションがかなり派手系だろう? 男から見ると、派手で美人な子って料理を作らないように思ってしまうんだよ。ごめんね、勝手にそんなこと思い込んでしまって」
「それって喜んでいいのか、どうなのか。まっ、いっか~。美人って言ってくれたから許す!☆★」
「ほっ……」
「ただし!☆★」
「ん?」
「この後、エッチで私を必ずイかせること☆★」
トオルはありさの条件を聞いて手を叩いて笑い転げた。
「くすん……そんなに大声で笑うことないのに……☆★」
「ごめんごめん。つい可笑しくて。さあ、ありさちゃんの手料理をいただこうか。いただきます!」
最終話「二十一歳の春」
夕食が終わりありさが洗い物をしていると、トオルが戸棚から何やら取り出しありさの元に持ってきた。
「これ、ネット通販で買ったんだ」
そうつぶやきながら、ありさに見せたものはバイブレーターのパッケージだった。
「ええ~!? そんなの買ったの? もうエッチなんだから~!☆★」
ありさは正直あまり嬉しくはなかった。
バイブレーターの経験はないが、男根を模したシリコンは見るからにグロテスクだし、友人の美和が以前彼氏にバイブレーターを乱雑に使われて痛かったとこぼしていたことがある。
第一そんなグッズに頼らなくても本物の男性が良いに決まってる、とありさは思っていた。
ところがそんなありさの考えも一時間後には一変していた。
トオルが買ったのは昔ながらの厳つい代物ではなく『ピンチングバイブレーター』という最新型のスタイリッシュなバイブレーターであった。
内外からクリトリスと膣壁を挟み込んで強力に刺激を加えられ、ありさは瞬く間に昇天してしまった。
従来のバイブレーターだと、クリバイブがうまくクリトリスに当たらないことがあったが、この代物だとクリトリスをすっぽりと包み込んで触手のような繊毛が確実に刺激する。
このあと第二ラウンドに突入したありさとトオルは第一ラウンドのとき以上に激しく愛し合った。
ピンチングバイブレーターによる前戯のせいで、ありさの身体が尋常ではないほど高ぶっていたからだろう。
終わったあと二人はしばらく抱き合った体勢のまま、まどろんだ。
トオルはティッシュをとりありさの大事な場所を拭いてやると、続いて自身のペニスの処理をした。
トオルが顎を突き出してきたので、ありさはトオルと唇を合わせ、わずかに舌を絡めた。
そのあと二人はベッドでいちゃいちゃと転がり合ったり、ピロートークを楽しんだりと、充実したひとときを過ごした。
◇◇◇
それから1週間が過ぎ、大学で美和が突然つぶやいた。
「ありさ、なんだか最近変わったね。きれいになったんじゃない?どうして?」
「そう?」
ありさはさりげなく返したが、そこは鋭い美和のこと、ありさの状況を的確に言い当てる。
「例の医学部クンとつきあってるんでしょ?」
「うん、まあね☆★」
「もしかしてエッチまで行った? うふふ、行ったんだ~。顔に書いてある~」
「もう美和ったら~、やめてよ~☆★」
ズバリ美和に言い当てられたありさは、帰ると姿見鏡でしみじみと自身を眺めた。
(どうして分かったんだろう?)
どこがどう変わったのかよく分からない。
どこも変わっていないはずだ。
(いや、ちょっと待てよ。何かが違う……)
ありさは自分の姿を見ながら、自身の変化を探った。
(私、どこが変わったのかな……?ん?何か肌が整ってきれいになった気がする……それは思い過ごしかな?)
「でも女性は恋をすると女性ホルモンがたくさん分泌されて美しくなるって聞いたことがある。男性に愛されるとさらに美しくなるって……☆★」
ありさは一人つぶやいた。
恋の歓びを教えてくれたトオル、ありさは彼を心からいとおしく思った。
◇◇◇
そしてまた蜜のような週末が訪れた。
はじめは控えめに、けれども段々と大胆になっていくキスに、ありさは頭がくらくらしてしまう。
トオルの分厚い舌がありさの小さい舌に絡まる。
舌の裏を舐められて、ありさは我慢できずに声を漏らした。
歯茎をなぞるように舐められて、背中がぞわぞわと震える。
くぐもったような声が漏れる。トオルに与えられる甘い快感に、ありさは次第に溺れていった。
「気持ちいい?」
「う、うん……、すごい、キスだけでこんなにふらふらになっちゃうなんて……☆★」
「ありさはきっとエッチなんだよ」
「うう、違うもん……トオルに、好きな人にチュ~されたから、だよ……☆★」
いつのまにか呼び捨てで呼び合っている。
◇◇◇
「あっ、あああっ……ふぁぁっ☆★」
「気持ちいい? ありさ」
「うんっうんっすごく、きもちいっ☆★」
ショーツ越しにもかかわらず、ありさの秘所は濡れそぼっていった。
まるで決壊したダムのように愛液が滲んでいく。
ショーツを濡らされるのは気持ちがよいものではないが、それ以上に与えられるトオルの愛撫が堪らなく気持ちがよくて、不快さなどはどこかへ飛んで行ってしまった。
ぐちゅ、ぶちゅという淫らな水音が室内に響き渡る。
そしてありさのはしたない喘ぎも。
胸の突起はもうずいぶんと硬くとがっていて、トオルの愛撫に悦んでいる。
ありさの陰核も顔をのぞかせていた。
トオルはおもむろにありさのショーツを取り去ると、濡れた花弁に顔を寄せた。
「美味しいよ」
「かわいいよ」
「きれいだよ」
トオルはとても誉め上手。
愛し合うたびにありさに愛の言葉を届けてくれる。
もともと美麗なありさだが、女は誉められると一層美しさに磨きが掛かるもの。
恋をしてきれいになり、愛されてまた美しくなっていく。
ありさはそんな二十一歳の春に、今まさに大輪の花を咲かせようとしている。
完