Shyrock 作

官能小説『甘い汁』






<はじめに>

本作品はフィクションですが、同様の出来事があったのは事実です。
なぜならば筆者が二十代前半の頃、当時付き合っていた女性が同じ目に遭ったからです。


第1話

 プロデューサーとは、映画やテレビ番組などの映像作品、ポスターや看板などの広告作品、音楽作品、テレビゲーム作品制作、制作活動の予算調達や管理、スタッフの人事などを司り、制作全体を統括する職務である。ディレクターよりも広範囲な権限を有し、制作物の商業的な成否について責任を持つ。
 とりわけ芸能界ではプロデューサーは番組等を左右させるほどの力を有し、彼の一存で俳優の浮沈も決まる。そんな中、時にはその職権を利用して女優や女性タレントに牙を剥き、甘い汁を啜る者もいる。特に新人女優や新人タレントはまだ芸能界の表裏などに無知であるため、その毒牙に掛かることが多かった。

 その日はZ放送局の人気バラエティ番組『西へ東へ』の収録が行なわれ、新人タレントの上嶋美穂(19才)は控え室でメイクを落としていた。
 そこへプロデューサーの阿久夢修三(38才)がやって来た。

「美穂ちゃん、お疲れ様。だいぶ慣れてきたようだね」
「あっ、阿久夢プロデューサー、いつもありがとうございます」

 美穂は突然プロデューサーが現われたことで、緊張と戸惑いを見せたが、メイクを落とす手を止め直ぐに立ち上がり、彼の方を向き深々と頭を下げた。
 肌が抜けるように白く華奢な体つきが印象的であった。

「いいよいいよ、そんなかしこまらなくても。『西へ東へ』の秋期放送分の収録も一応今日で終わったけど、視聴率もかなり高い番組なので続行することになった。ただ次のシリーズではキャストを大幅に入替えする予定なんだ。数人はそのまま残ってもらおうと思ってはいるが。どう?美穂ちゃん、次のシリーズも出たいかい?」

 新人がスタッフから「出演したいか」と尋ねられて断る者は先ずいないだろう。

「はい、次もぜひ出たいです。プロデューサー、よろしくお願いします」
「そうかね。じゃあちょっと打合せをしたいので後から私の部屋まで来てくれないか。」
「はい、分かりました。必ず参ります」

 美穂は屈託のない笑みを浮かべ元気のよい返事をした。
 人気番組『西へ東へ』の次シリーズにも出演できる。
 各地に出向きその地方の名所や名物をインタビュー形式で紹介する。
 仕事とは言ってもあちこち地方に旅行に行けるのが嬉しい。
 旅行好きな美穂にとっては願ってもないチャンスだ。
 それよりもプロデューサーが次シリーズにも自分を抜擢しようと考えてくれていることがとても嬉しかった。
 それだけ高く評価されているわけだから。

 美穂はメイクを落とし普段の薄化粧を施した後、地下にあるプロデューサー室へと向かった。
 地下には大道具、小道具が置いてある倉庫が並んでいる。
 倉庫を抜けてずっと奥の方に阿久夢のいるプロデューサー室がある。
 美穂の足取りは軽かった。

「ここだわ」

 美穂に緊張が走る。

(コンコン)

「上嶋美穂です。失礼します」
「どうぞ、入って」

 ドアの向こうから阿久夢の声がした。
 ドアを少し開けるとコーヒーの香ばしい香りが漂ってきた。

 美穂は一礼をして中へ入った。
 カタカタと音が聞こえる。
 阿久夢はデスクでパソコンを叩いているところであった。

「直ぐに終わるので、ソファに座っててくれ」

 美穂の目の前に応接セットがある。
 中央にダーク調のテーブルが配置されていて、周囲にはレザー貼りのソファがあった。
 美穂は手前にある2人掛けのソファの端に腰を掛けた。

 美穂は何気に部屋の中を見回した。
 やたらと書棚が目立つ。
 過去の台本や関係資料、それにDVD等も並べてある。
 プロデューサー室に入るのは初めてと言うこともあって、興味深げに辺りを見回した。

「すまない、すまない、やっと終わったよ。ふう」
「お疲れ様です」
「さてと、美穂ちゃん。コーヒーはどうだい?」
「はい、いただきます」

 阿久夢はコーヒーメーカーでたてたコーヒーを2つのカップに注いだ。

「私はコーヒーが好きでね。と言うか、半ば中毒かも知れないけど。1日に7、8杯は飲むよ」
「ええ、そんなに飲まれるのですか。胃は大丈夫ですか?」
「鉄のような胃をしているのか、いまだかつて胃痛を感じたことが無いんだよ。はっはっはっはっは~」
「そうなんですか」

 美穂の前にコーヒーカップが置かれた。
 キリマンジャロの香りが漂ってくる。
 阿久夢に勧められて、美穂はカップに口をつけた。
 キリマンジャロ特有の酸味が口の中に広がる。

「ところで美穂ちゃんは温泉は好きかね?」
「はぁ……?はい、温泉は大好きです。それが?」
「うん、実はね、次のシリーズは各地方の温泉にスポットを当てて特集を組みたいと考えている」
「へえ、そうなんですか」
「美穂ちゃんにも数箇所の温泉へ行って、レポートしてもらうことになりそうだ」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「ただ温泉に浸かって地元の人と会話をしてもらうことになるので、身体にタオルを巻いただけのセミヌードにならないといけないんだ」
「あぁ、そうですよね……」
「いや、安全のため、下に見えないように水着を着る方法もあるんだけど、あまり勧められない」
「仕事ですから、タオルだけでがんばってみます」
「はっはっはっはっは~。すごいファイトだね。その意気込みなら大丈夫そうだね」
「はい。大丈夫です」
「あ、コーヒー冷めちゃうよ。飲んでね」
「そうでした。美味しいコーヒーを入れてくださったのにすみません」
「はっはっはっは~、それだけ私の話を熱心に聞いてくれてた証拠だよ~。はっはっはっはっは~」

 美穂はコーヒーをごくりと飲んだ。
 既に少し冷めているようだ。

「ところで美穂ちゃん、今度の特集は適役だね」
「何故ですか?」
「だって美穂ちゃんって肌が透き通るように白いし」
「え?そうですか?恥ずかしいです……」

 美穂は照れてみせた。

「温泉は色白の方が画面上映えるんだよ」
「そうなんですか?」


第2話

「う~ん、本当に白いねえ……まるで雪のようだ」

 阿久夢はそう言うと、じっと美穂に目を凝らした。
 首筋の辺りに痛いほどの視線が突き刺さる。
 美穂は今、襟首がVカットされたカットソーを着ている。

「そんなに見つめられると恥ずかしいです……」

 視線は首筋から胸元へと移行していく。
 美穂は堪りかねて俯いてしまった。

「先日の会議で、今回と次回両方のシリーズに出演する人は3人と決まり、そのうち2人までは既に確定したんだ。残るはあと1人なんだけどまだ決まっていないんだ。私としてはぜひ美穂ちゃんに出てもらいたいと思ってるんだけど、スタッフから他の子を推す声があってねぇ……スタッフの意見も無視はできないし、どうしたものかと・・・」

 美穂はぜひとも出演したかった。
 人気番組に出演することは、名前を広める大きなチャンスなのだから。
 チャンスは逃したくはない。
 一度逃すと、次にいつ巡ってくるか分からない。
 ところが現在もう1人出演候補者がいるため、とても微妙だ。
 瀬戸際に立たされていると言っても過言ではない。
 しかし美穂の性格からして、自分から強引に売り込むことはしたくない。
 あくまで天命を待とうと思った。
 だが……

「美穂ちゃん」
「はい?」

 阿久夢は一声掛けたあと、おもむろに美穂の隣に腰を掛けてきた。
 美穂は思わずたじろいでしまった。
 露骨にのけぞるような態度を取って、阿久夢に不快感を与えたくはない。
 平然を装うことにした。
 しかし平然でいられるのはここまでだった。

「ぜひ出演したいかい?」
「はい……それは……」
「じゃあ、今どうすればいいか、分かっているよね?」
「……」

 美穂は阿久夢が何を言おうとしているのかは十分に理解できたが、とても返事の出来ることではなかった。

 阿久夢は強引に美穂を抱き寄せ唇を奪った。

(チュッ……)

「うぅっ……」

 拒みたくても拒めない。
 拒ばないから、相手は応じたものと思い込み、さらに進攻してくる。
 美穂の口の中へぬるりと舌が差し込まれた。

「うぅぐっ……」

(チュッ……チュッ……)
(いやぁ……)

 美穂は心の中で拒絶の叫び声を上げた。
 声には出来ないもどかしさ。

 阿久夢の唇へのキスをやめ、美穂の首筋を吸ってきた。
 一瞬背中に寒いものが走った。

(チュルチュル……チュパ……チュッ……)

「はぁ……」

 Vカットの中へ阿久夢の手は伸びた。

「いやっ……」
「美穂ちゃん、きれいな肌をしているね」
「……」
「すべすべじゃないか。ほう、形の良いオッパイをしているね」
「あぁ……ダメ……」

 阿久夢はブラジャーの中に指をこじ入れ、美穂の耳元で囁いた。
 ブラジャーのカップと乳房との窮屈過ぎる空間で、指が巧みにうごめいている。
 ごつごつとした感触が弾力性のあるふくらみを鷲掴みする。

「あぁ……プロデューサー……いけないですわ……」
「まあ、いいじゃないか」

 首筋から鎖骨の辺りを這い回っていた唇は、少しずつ下に降りていく。
 でもカットソーが邪魔になって乳房には届かない。
 阿久夢はもどかしくなったのか、強引にカットソーの裾をまくり上げた。
 勢いづいた阿久夢は美穂の背中に手を廻し、ブラジャーのホックを外してしまった。
 弾みをつけて双丘が目前に現われた。
 阿久夢はいきなり躍り出たふくらみに舌を這わせた。

「あぁ……」

(チュッ……チュチュチュッ……)

 舌はふくらみの先端で止まり、乳首を舐め始めた。

「あぁ、いやっ……」

(ペチョ……ペチョペチョペチョ……)

「あぁ~……はぁ~……」

 阿久夢は美穂を抱きかかえながら囁いた。

「美穂ちゃん、いくら素晴らしい鉱石であってもね……」
「はい……」
「発掘しなければ人の目に止まらないんだ」
「はい……」
「私は埋もれた鉱石を発掘することができる」
「……」
「発掘して磨きを掛けて、光り輝く宝石に変えることができる」
「はい……」
「美穂ちゃん、私に任せておけばいいんだよ。悪いようにはしないから」
「はい……ありがとうございます……」
「すべて私に任せて。身体も……」
「……」

 阿久夢はそういうと突然スカートの中に手を差し込んできた。
 美穂は膝を閉じ抵抗しようとした。

「あれ?拒むのかい?別に無理にとは言わないけど」
「……」

 阿久夢の一言は美穂の抵抗を緩めさせる効果があった。
 美穂が緩むと見るや、阿久夢の指は一気に滑り込んだ。
 阿久夢は太股の感触を愉しみながら、わざとゆっくりと奥地へと指を伸ばした。
 パンスト越しではあっても好感触は十分に伝わってきた。

 指は微妙な場所へと伸びた。

「ああっ!」

 阿久夢は微妙な場所を指先で突付いた。

「ああっ……プロデューサー……そこはぁ……」
「ふふふ、とても柔らかい感触だね。ここを押すとどうなるのかな?」

 指は渓谷にめりこんだ。

「はぁはぁ……あぁ……あぁん……」

(クニュクニュクニュ……)

「パンスト脱いじゃおうか」


第3話

 美穂は何も答えなかった。
 いや、答えられなかったのだ。

「パンストを脱がすより……」

 阿久夢は美穂から離れ、机の引き出しをごそごそと何やら探し始めた。

(……?)

 探し物が見つかったようだ。
 驚いたことに阿久夢が持ってきたものは事務用の鋏であった。

(!?)

 美穂の表情が一瞬こわばった。

(一体何をするつもり?)

「動くと怪我をするから動いちゃだめだよ」

 阿久夢はスカートを乱暴にまくり上げ鋏を近づけた。
 恐ろしくなった美穂はつい声を荒げてしまった。

「何をするつもりなの!?」
「心配しなくていい。直ぐに済むから」
「……?」

 阿久夢はパンストの股間の辺りを摘まみ上げ、切り身を入れた。

(チョキ……)

「……!?」

(チョキチョキチョキ……)

 鋏はパンストの下に穿いているパンティもろとも切り裂かれていった。

「いやぁ……やめてぇ……」
「もうしばらくの辛抱だ。」

(チョキチョキチョキ……)

 切り口は局部を中心に切り裂かれ、楕円形を描いていった。

「ふふふ、美穂ちゃんの大事な場所が丸見えになったよ」
「!?」
「ちょっと覗いてごらん」
「いやっ……恥ずかしい」

 パックリと開いた楕円形から黒い翳りが覗き、さらには薄紅色の亀裂までが露出してしまっていた。

「美穂ちゃんの割れ目ちゃんを賞味させてもらおうかな」

 阿久夢はそうつぶやき美穂の股間に顔を埋めた。

(ベチョッ……)

「ひぃ~!」

(ベチョベチョベチョ……ベチョベチョベチョ……)

「いやぁ……やめてぇ……」
「おしっこはいつしたの?」
「そんなことぉ……」
「言ってごらん、いつしたの?」
「ここに来る前に……」
「ふふふ、そうなんだ。道理でしょっぱいはずだ」
「いやぁ、そんなこと言わないでぇ……」
「もっとちゃんと拭かなくちゃ」
「いやぁ……」

 阿久夢の変態染みたた問いに、美穂は恥ずかしくて真っ赤になった。

「美穂ちゃんのおしっこ、どこから出るのかな?」

 阿久夢は陰唇に指を添えてヴァギナを拡げ、尿道口を探す素振りを見せた。

「う~ん、どこにあるのかなあ~」

 ヴァギナの庭を隈なく指の腹で擦りまくる。
 敏感な場所を触られた美穂は次第に感じていき、不本意にも熱い蜜を滲ませてしまった。

「ほほう、もう感じてきたの?軽く触れただけなのにねえ。美穂ちゃんってエッチなんだねえ」
「そ、そんなぁ……」
「あった、あった。おしっこの穴はこれだな?」
「いやっ」
「どれどれ」

 阿久夢は亀裂に舌を挿し込みペロリと舐めた。

(ペチョ……)

「いやぁ~~~!だめぇ~~~!」

(ペチョペチョペチョ……)

 尿道口自体はそれほど感じる部位ではないのだが、その周辺にも舌が触れ、美穂はいつしか激しい昂ぶりを感じ始めていた。

「少ししょっぱかったけど、たっぷり味わったよ」
「……」

 阿久夢はにやりと笑った。

「あれ?私に怯えてクリちゃんが皮を被っているじゃないか」

 指がクリトリスに伸びた。

「ひぃ!」

 すっぽりと皮を被ったクリトリスに人差しが軽く触れた。
 軽く触れられただけでも、跳び上がりそうになってしまう。
 身体をヒクヒクさせている美穂に、阿久夢はわざとかする程度に軽く愛撫した。
 強く擦るより軽く触れる方が、むしろ感じやすい箇所であることを阿久夢はよく知っている。

「あぁ~、あぁぁ~、あぁぁ~……」

 美穂は即座に反応し眉間を引き攣らせた。

(サラサラサラ)

 老獪な指が旋回する。

「あぁ、いやぁ~……そこはぁ……だめぇ~……」
「ここすごく感じるようだねえ」

 美穂はそっとうなずいた。
 だが阿久夢の方を向こうとはしない。

 人差し指と親指が包皮をゆっくりと開いた。
 剥き出しにされたクリトリスが真珠のように艶やかに光っている。
 阿久夢は左手で包皮を押さえたままにしておいて、右手で球に触れた。

「あぁん!」

(スリスリスリ、スリスリスリ……)

「あぁぁ~!だめぇ~!つよ、強過ぎるぅ~!」

(スリスリスリ、スリスリスリ~)

「ひぃ~~~!だめぇ~~~!」
「ふふふ、かなり感じてきたね。もっと感じさせてやろうか」

 阿久夢は唇を近づけた。

(チュッ……)

「ひゃぁ~~~!」

(チュパチュパチュパ……)

「だめぇ~~~!」

 美穂は腰を振って阿久夢の唇を避けようとした。
 だが太股をがっちりと抱えられていて逃れることが出来ない。
 少し腰をずらしてみても、唇は美穂の股間から離れようとしない。

 阿久夢の舌が伸び愛撫はさらにエスカレートしていった。
 舌はクリトリスだけにとどまらず、亀裂の隅々にまで及んだ。
 ねっとりとした蜜が止めどもなく溢れた。

(ペロペロペロ~、ベチョベチョベチョ~)

 まるで独立した一体の生き物のようなうごめきは、美穂を桃源郷へと導いていく。

「美穂ちゃん」
「……」
「ちょっとこれを触って」
「……?」

 阿久夢は黒光りした肉棒を美穂に見せつけた。
 それは隆々として実に逞しく巨大なイチブツであった。

「美穂ちゃん……これ、咥えてくれる?」
「……」

 美穂はためらった。
 阿久夢は言葉で威圧する。

「嫌なの?」
「……分かりました……」

 阿久夢は仰向けになった美穂に覆いかぶさるような格好で肉棒を近づけた。

(カプッ……)

「舌を使って口の中で転がしてみてよ」
「……」

(ジュパジュパジュパジュパ……)

「はぁ~……」

 阿久夢の喉奥からかすかな喜悦の声が漏れた。

(ジュパジュパジュパジュパ……)


第4話

 美穂は阿久夢のモノを咥えながら、それが口内でより硬直化していくのを感じとっていた。
 好きでもない男のモノを咥え、秘肉を弄ばれることなど反吐が出るほど嫌なことだ。
 だけど今自分が置かれている立場を考えれば、プロデューサーの阿久夢に対しては出来るだけ従順になる方が得策なのだ。
 厳しい競争の中で一歩先んじるためには、少々の労苦を惜しんではならない。
 それがスターダムにのし上がるための最も早道なのだから。
 美穂の心の中にはかすかではあるが、そういった思惑が潜んでいたことは否定できない。

(私だけじゃない。きっと他のタレントも同じことしてるんだわ。)

「ううう……み、美穂ちゃぁん……いいよぉ~……すごくいいんだからぁ~……もう……ううう……たまらなくなってきたぁ……」

 阿久夢は怒張したモノを美穂の口から抜きとり、美穂の下腹部に照準を合わせた。

「いやぁ、それだけはやめて。」
「ここまで来て嫌はないだろう。さあ、もっと足を広げて」

 阿久夢は閉じようとする美穂の太股を強引に割り広げた。
 パンストにぽっかりと開いた丸い穴に怒張したものを宛がう。

「あぁ~だめですぅ~いやぁ~……」
「そう嫌がらなくてもいいじゃないか。気持ちよくしてあげるから」

 阿久夢の鼻息が荒くなっている。
 怒張したモノは一気に亀裂を割った。

(グチュッ)

「あぁ~……」

(グチョグチョグチョ~)

「あぁん……あぁ、あぁ~」

 阿久夢の腰は前後に律動しはじめた。
 頑強な肉棒が狭い亀裂を抉るようにうごめく。
 美穂の口からかすかな喘ぎが漏れた。

(ヌッチョヌッチョヌッチョ)

「あぁぁ、あぁぁ~いやぁ~あぁん、だめぇ~」
「はぁ~はぁ~はぁ~、はぁ~はぁ~はぁ~」

 阿久夢は美穂に胸を密着させ、唇を奪いとる。
 貪るような激しいキスの雨。
 そのせいか腰の動きはやや緩慢になるが、挿入は依然深くえぐり込んだままだ。

(グッチョグッチョグッチョ、グッチョグッチョグッチョ)

(チュッ……チュチュチュッ~……)

「はぁ~、あぁ~……はぁ~……プロ……デューサー……」
「いいぞ、いいぞ、とってもいいぞ~」

(グッチョグッチョグッチョ、グッチョグッチョグッチョ)

 阿久夢は唇から離れ、再び膝立ちの姿勢に戻した。
 やはり身体は離す方が腰の動きは滑らかになる。
 軽快な律動が美穂の官能をくすぐる。

 人間とは不可解なもので、たとえ望まない相手であっても、肉体が精神から離脱し相手に呼応する場合がある。
 それは人間が元々獣であった証なのかも知れない。
 美穂は明らかに阿久夢の性技に溺れようとしていた。
 亀裂の狭間からとめどもなく溢れる蜜がそれを物語っていた。

 まもなく美穂は身体を起こされ、後背位の態勢をとらされた。
 両手はソファに着け、尻を突き出した格好になった。
 パンストの穴が一段と広がったように見える。

 阿久夢は後方から美穂の腰の両側に手を添えた。

「ああっ!」

 体位を移行するために一旦は離れたが、潤沢な滴りをみせる亀裂は怒張した肉棒を難なく受け入れた。

(ズンズンズン!ズンズンズン!)

「あぁ~……」

(ズンズンズン!ズンズンズン!)

「いやぁ~……」

 亀裂から溢れ出た蜜は引き裂かれたパンストへと沁み込んでいった。

「あぁ、だめぇ、こ、壊れちゃう……もう許してぇ~……」
「はぁはぁはぁ、そんなに簡単に壊れたりするものか~。ふふふ、美穂ちゃん、いいぞ!もっと腰を振れ!」
「いやっ!だめだめ!はぁ~ん~……」

(ズンズンズン!ズンズンズン!)

「美穂ちゃん……」
「……?」

 阿久夢は美穂の背中に密着し、美穂の肩にそっと手を置いた。
 後から覆いかぶさった姿が、まるで獣の交尾を髣髴させる。
 美穂を突きながらそっと耳元で小声で囁いた。

「はぁはぁはぁ、『美穂のお○んこをもっと突いてください』って言ってご覧……」
「そ、そんな恥ずかしいこと言えません!」
「言うんだよ。」
「嫌です!絶対に無理です!」

 阿久夢はパンストの裂け目から指をこじ入れ、尻を強くつねった。

「いたい!」
「言わないともっとつねるよ」
「言います!言います!だからつねらないで!」
「さあ、言ってご覧」
「美穂の……」
「うん」
「恥ずかしい……」
「言うんだよ。早く」

 美穂は顔は既に真っ赤になっている。

「お○んこをもっと突いてください……」

 美穂は蚊の鳴くような小さな声で囁いた。

「聞こえないよ。もっと大きな声で」
「恥ずかしい……お○んこをもっと突いてください……」
「よし、じゃあ、希望どおりもっと突いてあげる」

 阿久夢は満足げな表情になり、おもむろに腰の回転を速めた。

(ズッコンズッコンズッコン!ズッコンズッコンズッコン!)

「あぁぁぁぁぁ~~~~~!プ、プロデューサーぁ~~~~~!」

(ズッコンズッコンズッコン!ズッコンズッコンズッコン!)

「はぁ~!いや!もう許して!すご!すごい!いやぁ!だめ!」

(ズッコンズッコンズッコン!ズッコンズッコンズッコン!)

「はぁはぁはぁ~!美穂ちゃん、いいよ~!」
「あぁん!もう~もう~だめ~、どうしよう~」
「イキそうなの!?イッていいんだよ!」

 激しい昂ぶりが美穂の身体を支配した。
 それは絶頂への予兆でもあった。

 セックスは『愛しているからイクことができる。あるいは、愛していないからイクこ とが出来ない』と言うものではない。
 往々にして、愛していてもイケないことがあったり、愛していなくてもイッてしまうことがある。
 今の美穂の場合、あきらかに後者であった。

 美穂は阿久夢から見てもはっきりと判別できるほどの大きな変化を見せていた。
 魚が跳ねるように全身をピクピクさせ、女が達する時に出すあの嬌声を張り上げてしまった。
 フィニッシュを予感した阿久夢は、腰のピッチをさらに速めた。

(ズンズンズンズン!ズンズンズンズン!!)

「あぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~!!!!!」

 美穂はついに達してしまった。
 プロデューサーである阿久夢に背後から抱かれて。

 美穂が達する頃、阿久夢も美穂の中で破裂寸前の状態に陥っていた。
 怒張したモノを慌しく引き抜き、矛先を美穂の臀部に向けた。

「うううっ……!!美穂ちゃん~~~っ!!」

 呻き声とともに先端から白濁色の液体が勢いよくほとばしる。
 裂けたパンストに粘液が付着した。

 美穂は瞬きもしないで、ただ一点を見つめている。
 いや、実のところ何も目に入ってはいない。
 ただぼんやりと恍惚の余韻に浸っているだけに過ぎなかった。
 阿久夢の呼吸もまだ荒い。

「美穂ちゃん……すごく良かったよ……」
「……」

 ティッシュで美穂の汚れた箇所を拭いてやりながら、阿久夢はぼそっとつぶやいた。

「美穂ちゃん、『西へ東へ』の次シリーズには出てくれるね?」
「ありがとうございます……」
「1回目の温泉地での収録には私も立ち会おうかな。ディレクター任せも何だし」
「え?プロデューサーもごいっしょに?」

 プロデューサーは多くの分野を手掛けているところから多忙を極め、各地での収録はディレクターに任せ、現地へはほとんど赴かないのが芸能界の常識であった。
 だが、今回、珍しく温泉での収録に立ち会うという。

「番組を収録し、みんなで夕飯をとったあと、こっそりと私の部屋に来なさい。ゆっくりと酒でも飲んで語りたいから」
「はぁ……」

 もう断れない。
 断ることは番組から降りることを意味する。

 美穂はこっくりとうなずいた。















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