Shyrock 作

官能小説『メルモ 桃色看病』







 メルモのホームページが珍しくしばらく更新されていない。
 ふだんは日記をまめに更新しているし、掲示板のレスも怠らない子なのに。
 どうしたのだろう。
 それにメールも来ないし電話も掛かってこない。
 僕から何度か電話をしてみたけど電話に出ない。
 とても心配だ。
 家に行こうか。
 ちょっと迷いながら、もう一度電話をしてみたら、やっと電話に出た。
 でも声に全く精彩がなく、声がかなりかすれてる。
 聞きようによってはハスキーさが色っぽく感じられるが、そのようなことを言うのは今は不謹慎だ。
 食事もろくに摂っていないようだ。
 風邪をこじらせたようだ。
 今風邪が流行しているからとても心配だ。

 僕はメルモの家に向かうことにした。
 S市のS駅から徒歩七分のところにあるマンションに住んでいる。
 途中でコンビニに立ち寄り、経口補水液とヨーグルトを買った。

 ドアのインターフォンを鳴らした。
 パジャマ姿のメルモが出てきた。
 ノーメイクである。
 素顔を見て思った。
 ふだんから化粧は濃いほうじゃないなって。
 風邪のせいもあって顔色がよくない。

「こんな格好でごめんね」
「いいよ、気にしなくて」

 着替えをしようとしてるメルモにそのままでいいと告げた。

「ありがとう。ひとり暮しって気楽でいいんだけど、病気の時は辛いものね……」
「そうだね。買物とか行けない時は本当に辛いよね」

 あまり長い会話は身体に障ると思い、ほどほどに切り上げようとした。
 ところがメルモは、

「しばらくお風呂に入ってないの。こんなこと頼んで悪いけど、タオルで身体を拭いてくれない……?」

 と僕に言った。

 僕は早速、洗面器に湯を張ってタオルを絞った。
 ふとメルモを見ると、早くもパジャマを脱ぎ始めていたので、暖房を「強」にした。
 熱めの湯が入った洗面器とタオルを持ち部屋に戻ると、メルモは既にショーツ一枚だけになって座っていた。
 両手をクロスにして肩を押さえて俯いている。
 もしかしたら寒気がするのかもしれない。

「メルモ、だいじょうぶか?」
「うん、だいじょうぶよ」

 メルモは微笑を返してきたが、目に力がなくどことなく辛そうだ。
 最初、顔を拭いてやり、首筋を拭いてから一度絞った。
 次に肩から胸を拭いてやったとき、メルモがはにかみながらつぶやいた。

「あなたがこんなに真面目な表情で私の身体に接するって初めてね」
「よせよ。こんな時にニヤニヤ笑ってたら顰蹙ものだよ」
「うふ、それもそうね。でも胸はやっぱり感じるわ……」
「だめだめ、病気のくせに」

 僕は彼女の冗談とも本気ともつかない言葉に、素っ気ない言葉を返して腹部を拭き始めた。

「ねえ、パンツの中も拭いて……」

 僕は少し躊躇いがちにコットンのショーツを脱がせ、腰の当たりを拭き始めた。

「ねえ、ここも……拭いて……」

 とメルモは薄っすらとした繁みを指し示した。

「え?……あぁ、そこもね、いいのか?」
「うふ、何を照れてるのよ……いつも触ってるくせに」
「でも……」
「いいじゃないの、早く拭いて……」

 僕はタオルをもう一度ギュッと絞り、メルモの繁みを拭き始めた。

 最初メルモは膝を崩してベッドに座っていたが、僕が拭きにくいと思ったのか、まもなく仰向けに寝転んだ。

「この方が拭きやすいでしょう?」
「うん、そりゃ拭きやすいけど……」

 拭きやすいけど大事な部分が丸見えになっているではないか。
 と言おうとしたが、喉まで出かかった言葉を僕は飲み込んだ。

 僕は繁みの奥にひそむ深い亀裂も丁寧に拭くことにした。
 宝石を扱うようにゆっくりと丹念に。
 愛撫に近い行為を行なっているのだが、不思議なことに僕は興奮することはなかった。
 看病する目的で行なっているわけだから、不埒な気持ちが芽生えなかったのは当然かもしれない。

 ところが……
 蒸しタオルで秘部を拭かれているメルモ自身が感じ始めていた。
 元々敏感なメルモのことだから十分あり得ることだ。

「あぁ……気持ちいいわ……タオルの温かさが身体に沁みて来るわ。ねえ、直接触って……指で……」
「え……?」

 誘惑ともとれるメルモのひとことで、僕は俄然その気になってしまった。
 心の引き出しにしっかりと仕舞いこんでいたのに、こじ開けてくるなんて。
 メルモの言葉に誘われるままに指は活動を始めた。

 木の実をやさしく撫で、さらにサーモンピンクの亀裂も指でなぞる。
 まもなくメルモは微かな喘ぎとともに蜜を溢れさせた。
 メルモをぐっと抱き寄せて、指のピッチを速めた。
 唇を吸った。
 メルモは反応してきた。

 メルモが悩ましげな声で囁いた。

「いれて……」

 ここまで来たら止まるはずもない。
 メルモの体調を考えて、彼女を抱き寄せる体位を選んだ。
 座位である。
 あぐらになってメルモを膝に乗せた。
 蜜壷はもうしっかりと潤っている。
 怒張した逸物は、いとも簡単にメルモの中へ埋没した。
 僕はメルモをしっかりと抱きかかえ下から猛烈に突き上げた。
 メルモの喘ぎが耳元に轟く。

 メルモは言った。

「ああ、いいわ……すごく太いわぁ……」
「気持ちいいのか?僕の注射」
「うん、うん、いいわ~、すごく気持ちいい注射だわ~、あぁん~」
「はぁはぁはぁ~」

 角度を少し変えた程度で、体位そのものを変えることはなかった。
 頂上に到達するまで抱き合ったまま。
 ホールド体位だと激しくは動けないが、愛情を肌で感じることができる。
 ふだん大きな声を出すことのないメルモだが今日は様子が違っていた。
 髪を振り乱し、僕の背中に爪を立て、身体全体を強く痙攣させ、とうとう昇りつめた。
 もちろん僕もメルモの中で果ててしまった。
 果てた後も暫くはメルモを抱きしめたままだった。

「ずっとこのままでいて……」
「うん……」

 僕の胸にメルモがもたれうとうとと眠り始めた。
 まもなく僕はメルモを起こさないようにそっと抜け出し、おかゆを作ってやった。

 おかゆを食べてメルモの顔色が少し良くなったように思えた。
 ところが今度は僕自身が寒気を覚えた。

「ハ、ハクション!」

 もしかしたら風邪が移ったのかも知れない。
 でもメルモが元気になったことが何より嬉しかった。

「ハ、ハクション!ハ、ハ、ハクション!!」


















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