第6話「蜜のしたたり」

◇◇◇

 午前7時。
 静の隣で俊介が気持ちよさそうに寝息を立てている。
 ほっぺを指で突っついてみたけど反応がない。

(むっ……つまんない……)

 もう一眠りしようと俊介の腕の中に潜り込んで、Tシャツの上から彼の匂いを大きく吸い込む。

(う~む、しあわせ……こんな生活が続くといいなあ……)

 ぎゅっと俊介にしがみつくと、俊介もぎゅっと返してくれた。

「あら、起きてたの? おはよう。よく眠れた?」
「うん。おはよう」

 自然と笑みがこぼれた。
 静がもう一度ぎゅっとしがみつくと、俊介は気持ち良さそうにまどろんでいる。

「あっ!パンツっ!」

 静が突然思い出したかのように跳び起き、パジャマ姿のままでベランダの窓際まで駆け寄る。
 ピンチハンガーに干した2枚のショーツは気持ちよさそうに朝の光を受けている。

「パンツ、今日は盗まれていない! ちゃんとあるよ!」
「よかったね!」
「あれ……?」

 静は窓際に畳まれた毛布が置いてあることに気付いた。

「俊介、もしかして、昨夜ずっと窓際で見張りをしてくれてたの!?」
「いや、5時頃までがんばってたんだけど、朝が近づくに連れてもう大丈夫かなと思って、その後は寝てしまったよ。ごめん」
「そうだったの? がんばってくれてありがとう!」
「今回は用心棒のために来たんだから」
「アハ、用心棒って何か笑えてくるぅ」
「そんなにおかしいか?」
「うん、おかしい。俊介がそばにいてくれるだけで安心してぐっすり眠っちゃった。私だけ爆睡してしまってごめんね」
「謝らなくていいよ、静さえぐっすり眠ってくれたら、それだけでも来た甲斐があったよ」
「でも俊介はあまり寝てないから眠いでしょう?」
「だいじょうぶ。それよりシャワーを浴びたい」
「着替えはあるの?」
「持ってきた」
「昨夜沸かしておいたんだけど、冷めていると思うから追い炊きするよ」
「いや、シャワーだけでいいよ」
「いいの? でも私も後で入るから追い炊きしておくよ」
「うん、分かった。じゃあ先に入らせてもらうね。風呂はどこ?」
「着いてきて」

◇◇◇

「やっぱり私もいっしょに入ろうかな? 背中を流してあげるよ」

 俊介を浴室に案内した静は、結局俊介といっしょに入ることにした。
 狭い脱衣所で二人は並んで窮屈そうに服を脱ぐ。
 全裸になった静を俊介が見入っている。

「それにしても静ってスリムなのに、オッパイが大きいね」
「アハ、恥ずかしいよ、そんなにジロジロ見ないでよ~」
「カップはどのくらいなの?」
「……D」
「ファンの人たちからよく尋ねられるんじゃないの?」
「うん、結構聞いてくる。でもサイズは絶対に言わないことにしているの」
「今、言ったじゃないか」
「アハ、俊介は特別だよ」
「それは嬉しいね」

 静の言葉に気をよくした俊介はくちびるを重ねた。
 俊介はくちびるを離し入浴を促した。

「じゃあ、風呂に入ろうか」

 静が先に浴室に入り、俊介があとにつづく。

「流してあげるよ」

 ハンドルをひねった俊介が静にシャワーを当てた。

「ありがとう」

 なぞるように這う手に思わず感じてしまう静。

「あっ……」

 シャワーを胸に当てられ声が漏れてしまう。

「感じやすいんだ?」
「だって、昨夜の今日だしまだ身体が敏感だから……」
「余韻ってこと?」
「うん……たぶん……」

 そう答えた直後、俊介は静の下半身にシャワーヘッドを向けた。
 湯がデリケートゾーンに注がれる。

「はっ……あぁ……んんっ……そこはぁ……」
「洗ってるだけなのに、そんなに感じないで」

 楽しそうに俊介はささやくが、静は早くも心が蕩けそうになっている。

「やだぁ……あぁん……やっ……!」
「静、かわいい。そんなに感じて」

 そう言いながらさらにシャワーの水圧をあげ、バスタブに静の片足を掛けさせた。
 強い刺激が容易に想像でき、恐ろしくなって脚を下ろそうとするが、俊介がそれを阻む。
 そして、そのまま下半身の敏感な箇所に湯は注がれた。

「きゃっ……! あぁ、ん! やぁっ……!」

 楽しむようにシャワーを近づけたり遠ざけたりする俊介の腕の中で支えられながら悶える静。

「あぁ……だめっ……! あぁん……! い……イく!」

 あまりの刺激に気がつけば静は達してしまっていた。
 俊介がシャワーを止めて、やさしく抱きしめる。

「ごめんね。いじめすぎた?」

 俊介が詫びて静がホッと一息つくと、今度は指が下半身に触れてきた。

「あっ……」
「もうヌルヌルになってる。昨夜あんなに蜜を溢れさせたのに、もうエッチな子だね」
「恥ずかしいことを言わないで」

 意地悪な俊介の言葉に、恥じらいを隠し切れない静。
 すると俊介は自分だけ浴槽に浸かり、静にはバスタブに座るように指示をしてきた。
 脚だけを湯に浸け、俊介の指によって膝が割られる。

「そんな……は、恥ずかしっ……」
「いいから、力を抜いてごらん」

 そうささやくと俊介は舌先で割れ目をなぞり、肉豆を舐めてきた。

「あぁ……!やぁ……そこダメっ……!」

 静が快感に酔いしれていると、左脚は湯につけたままで右脚をバスタブに置かれてしまった。
 90度開脚姿勢だ。

「やだ、こんな恰好……」
「気持してあげるから」

 広げられたそこをくまなく舐めとり、吸い上げられる。

「あぁっ……! んっ……! いやぁんっ……」

 吸われても舐めとられても止めどなく溢れ出る愛蜜に、静は戸惑いを隠しきれなかった。



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