第5話「甘美な感触」

 かなり狭い。
 道が狭いと心優しい男は相手をおもんばかって、動きまでが緩慢になってしまう。
 それでも潤滑油が増してくると、次第に律動がスムーズになっていく。

「もえ、痛くない?」
「だいじょうぶです……」

 工藤の動きが少しだけ大胆になった。
 思い切って少しだけ奥に挿し込んだりもしてみる。
 入口近くを擦っては、少し奥まで突いてもえを昂らせる。
 愛しい人との交わりがこんなに気持ち良いなんて、二人は今までにないような快感に酔いしれてる。

「あぁっ……せんせい……願いが叶って……すごく嬉しい……」
「はぁはぁはぁ……僕だって……もえをこの手で抱けるなんて、まるで夢のようだ……」
「あっ……だんだんよくなってきたぁ……せんせいと一緒に気持ちよくなりたい……あ、はぁっ……」
「うん……いっしょに気持ちよくなろうね……」

 繋がっている部分が熱くて、とろけてしまうような気持ちよさだ。
 もえは両手を左右に広げ、夢中でシーツを掴もうとしている。
 もしこれが映画のワンシーンであるならば、もえの方から工藤の首に腕を廻していたかも知れないが、現実には処女もしくは性経験の浅い女性であれば、そんな甘え方はできないものだ。

 感情が昂ぶってくるにつれ、もえの息遣いは次第に荒くなっていった。
 未知の感触に視界がぶれて真っ白に染まっていく。
 工藤の動きも次第に滑らかになっていった。

「あぁっ……せんせい……」
「気持ちよくなってきた?」
「はい……とても……」
「もえの中、すごく温かいね」
「そう?せんせいの…すごく硬い……」
「もえが魅力的だからだよ。女の子が魅力的だと男はどんどん硬くなるんだよ」
「そう言うものなんですか?」
「何だよ、丁寧語使って。ははは……」
「あは、おかしいですか?でも私の大好きな先生だから……」
「もえ……」
「せんせい……」

 工藤はにっこりと微笑むと再び腰を動かした。
 もえは瞳を閉じて甘美な感触に酔いしれていく。

「あ……ああっ……」

 蜜で濡れた秘孔は先程よりも楽に工藤を呑み込んでいく。
 内壁をずりゅずりゅと擦られると、ぞくぞくと肌が粟立ってしまう。
 もしかしたら、生まれて初めてもえの身体に官能の炎が着火したのかも知れない。
 もっともっと奥まで貫いて欲しい……
 もっともっと強く突いて欲しい……

 もえの気持ちを見透かしたかのように工藤がささやいた。

「もえ、もっと奥まで突いてもいいか?」

 こっくりとうなづくもえ。
 工藤は腰を大きく律動させる。

「んぁ……せ、せんせい……き、気持ちいいよぉ……」

 肉棒が埋没した秘孔はひくひくと蠢き、催促するようにじんわりと蜜を滲ませている。

「もえ、もっと気持ちよくしてあげるよ」

 工藤はそうつぶやくと、もえの足をエビのように二つ折りに曲げ抱えたまま腰を突き込んだ。

「あぁっ……!」

 ずちゅずちゅ、と結合部が卑猥な水音を立てる。
 もえはがくがくと揺さぶられながら、強い快感に堪えきれずあえぐ。

「あっ……あん……はぁっ……やん……んぁっ……」
「もえ、すごくいいよ!」
「せ、せんせいっ……ああっ、いいっ……あん……」

 工藤はもえの腰を引き寄せると、怒張したいちぶつをさらに奥へと突き進めた。
 ぬっちゅ、ぐっちゅという水音が響き、ふたりが醸し出す甘い香りが室内を淫靡色に染めていく。

「んああっ……はぁっ……やんっ……ああっん……」

 最奥をずんずん突かれ激しく擦られる。
 以前同級生と交わったことがあるが、その時とは比べ物にならないほど、工藤とのそれは気持ちがよかった。
 こんな気持ちのよいものなら終わらないで欲しい、いつまでもずっと繋がっていたいとさえ思った。

 工藤は突然、目の前で白い果実のように揺れていたもえの乳房にくちづけした。
 ゾクッという甘い痺れが快楽に加わり、もえは身もだえる。

「そんなぁ……!」
「もえ……かわいい!」

 工藤は雪のように白い柔肌を舐め、胸元にキスの雨を降らしていく。
 その間も太くて硬い肉棒でもえを貫き続けた。

「はぁん……せんせい、あぁん……すごい……」

 工藤は片手でもえの腰を支えながら、もう片方の手で乳房を揉む。
 つんと硬くとがった先端をくりくりとこね回され、もえはびくびくと身体を仰け反らせた。

「んぁっ……や、だめっ……そんな、せんせい……ああっん……」
「もえっ……」

 工藤はもえの首に手を回して、むさぼるようにもえの唇を奪った。
 粘着音を部屋中に響かせながら、唇を求め合う。
 吐息も唾液も、どちらのものか分からなくなるほど混ざり合い、強く舌を絡ませ合う。
 もえは汗と愛液を飛び散らせながら、ひたすらに喘ぎ続けた。

「ああっ、ん……はあっ、あんっ……」
「もえ、後ろから挿れていい?」
「う、うん……」

 工藤はもえの腰の下に手を入れて身体を起こし、四つん這いにさせようとするが、もえはもじもじして、なかなか四つん這いになろうとしない。

「恥ずかしがらなくてもいいよ」
「うん……でも、やっぱり恥ずかしいかな……」
「何なら目を瞑っとこうか?」
「だいじょうぶ……」

 もえは頬を紅く染めながら、ゆっくりと尻を突き出す。



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