第4話「結合のとき」

 脱力し目を閉じて荒い息を吐いているもえの額に工藤はくちづけをした。

「イったの?」
「いじられただけでイッちゃいました……」
「感度いいんだね」
「恥ずかしい……」

 熱い頬を両手で押さえ照れるもえの頭を、優しく撫でる工藤。

「あは……せんせい、何だか子供を扱ってるみたい」
「まだ子供じゃないか」
「私もう子供じゃないよ、18才だし」
「そうだね、ごめん」
「せんせい……」
「ん?」
「先生のこと好きでたまらない……」

 もえの瞳にうっすらと涙が浮かんでいる。
 もえがどれだけ真剣かがうかがえる。

「僕だってもえのこと大好きだよ。ずっと前からこうしたかった……」
「ずっと前から……?すごくうれしい……」

 もう一度もえの頭を撫でる。
 まばたきをするもえの両の目尻に涙が伝う。

「抱いて……せんせい……」

 そうつぶやくと今度はもえから唇を寄せた。
 工藤がそれに応えると、もえはおどおどしながら工藤の背中に手を回した。
 丁寧に唇と舌でもえの素肌を確かめながら、ゆっくりとショーツを剥ぎ取る。
 つややかな白い肌から少女の甘い匂いが漂う。
 やがてもえはソファの上に投げ出された。
 工藤はもえの割れ目に顔を近づける。
 何をされるのかを悟ったもえは静かに瞳を閉じた。
 工藤は薄い茂みの下を舌で割った。

「あぁっ……」

 火が点いたようにもえの口から声が漏れた。
 その声はどこか危なげのある、それでいて甘ったれた声だった。
 清らかな合わさった桜貝のようなそれはしっかりと濡れそぼっている。
 ぺちょぺちょと音を立てて愛液を啜りあげる工藤。
 恥ずかしいから音を立てないでと訴えるもえ。
 工藤はふっくらとふくよかな肉唇にくちづける。

「もえのここ、いい音するね」
「ああっ……せんせい……そんなことぉ……いじわるぅ……」
「すごく美味しいし」
「恥ずかしい……」

 ピチャピチャと音が高らかなに鳴り響く。

「ああっ……ぅあっ……あうう……あ、せん……せんせい……んくぅ……あぁん……」

 クリトリスを舐め、花弁の中に舌をこじ入れると、声の音階が一段と高くなる。

「あっ……そんなっ……いや……あっ、あ……あぁ、んはあ……ぃやぁん……ふぁ~……」

 もえは工藤の両手を痛いほど握りしめてきた。
 指で触られるのとは一味違った感覚がもえを快楽のるつぼへといざなっていく。
 痺れるような感覚がもえの肉体を覚醒させていく。
 花弁を舐め続けていると、もえはほどなくして身体中を硬くこわばらせ大きく呻いた。

「くっ……うううっ~~~!」

 もえの花弁からおびただしい愛液が溢れる。
 唇をあてがい零さないように吸い取ると、もえは小さく震えながら工藤を呼んだ。

「あっ……せ、せんせい、あ、んぅっ……」

 唾液がもえの花弁に絡みついて、愛液と混じり合い、淫靡さをたたえるようにテラテラと光った。
 工藤の舌が花弁を舐めるたびに、もえは切ない声を漏らす。

 まもなく工藤は花弁からくちびるを離した。
 それに代わって中指を内側に差し込み、肉壺の馴染み具合を確認する。

「んん、くっ……あ、ぅ……」

 指が中に入ってくると、もえは優しい異物感に眉を寄せた。
 工藤の長い指から彼の愛が伝わってくるように思えて、中指だけでも快感を覚えた。
 指はもえの中でしばらく運動した後、唐突に引き抜かれた。
 その直後に、工藤はウェスト部分が紐状のイージーパンツを素早く脱いで、自身の猛りをもえの前であらわにした。
 もえが緊張の表情で見ていると、工藤は収納ケースからコンドームを取り出して、さっと自身に取りつける。
 その上で、もえの緊張をほぐすように優しく声をかけた。

「もえ、挿れるよ」
「は、はい……」

 自分の中に押し開いて入ってくるのが、憧れ続けた工藤だということがもえは嬉しくてたまらなかった。
 一番奥まで彼が到達すると、二人は同時に深く息を吐いた。

「あぁっ……せんせい……わたし……」
「困ったな……入ってるだけで気持ちがいい。もえの中、すごくいい……」
「せんせい……私も同じです……」

 工藤と繋がっているだけですごく気持ちがよかった。
 もえの胸は息が止まりそうなほど高鳴っている。
 工藤も同じような気持ちになっていた。

 繋がっただけでお互いに動かない時間が過ぎた。
 二人ともじっとしているだけで満足だった。
 しばらくして工藤がもえにささやいた。

「もえ、動いてもいい?」
「はい……」

 もえは工藤の問いかけに優しくうなずく。
 工藤の腰がゆっくりと動き出した。



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