第8話“真珠のネックレス”

「これはなんですか?」と尋ねると、「開けてください」と言ったので箱を開けてみることにした。
 すると驚いたことに箱の中には真珠のネックレスが入っていた。
 私は「こんなの受け取れません」と返そうとしたが、「奥さんのことが好きになってしまって・・・バイト代で買ったんです。今だけでいいので首に飾ってくれませんか」と小野原はしおらしくつぶやいた。

「立ち話も何ですから、部屋に入ってください」

 と言って小野原を部屋に通した。
 そしてコーヒーをたてた。

 レイプから始まったふたりの関係も次第に変化を見せていた。
 小野原が従順で優しくなったことも事実だが、私自身も彼のことを次第に意識し始めていた。

 プレゼントされた真珠のネックレスを首に着けてみた。
 ネックレスを着けたままたてたコーヒーを盆に乗せて運んでいくと、彼は満足そうな表情で私を見つめた。

 小野原はカップに口をつけると「あつっ!」とつぶやいた。
 その瞬間カップが揺れてわずかだがコーヒーがこぼれてズボンの膝の辺りを濡らしてしまった。

「大丈夫!?熱過ぎたのね。ごめんなさい!」

 と私は謝りながら乾いた布巾で膝を拭こうとしたら、小野原は急に私を抱きしめてきた。

「奥さん大好きだ!」

 と叫び、私はそのまま壁に押しつけられてしまった。

 小野原は真剣なまなざしで、

「あの日から俺は寝ても覚めても奥さんのことばかり頭に浮かんでしまって・・・もう気持ちが抑えられないんだ!」

 などと言いながら強引に唇を重ねてきた。
 私はもう逆らわなかった。
 いや、もしかしたらそれを待っている自分がいたのかも知れない。
 彼の唇が私の唇に重なり、まもなく彼の舌が口内に入って来た。
 彼の舌は口内を夢中で舐めまわした。
 その時すでに私はされるがままになっていた。

 いつの間にか彼の指が私のスカートの中に忍び込み、クロッチの上から恥ずかしい箇所をまさぐった。
 そこには次第に力が抜けていく自分がいた。
 彼の唇が私から離れた時、

「私もあなたが好き・・・。でもここじゃいや・・・寝室へ行きましょう・・・」

 と言って、彼を寝室へと誘った。

 思えば、夫と結婚した頃はほとんど毎晩といって良いほど愛されていたが、今、夫はとても多忙で週1回がやっとであった。しかも夫は慢性的な疲れが溜まっていたせいか、セックスも単調で私としては寂しかったのかも知れない。
 そんなおり彼の荒々しい息遣い、抱きしめる強い力が、まるで独身時代の恋愛を想い出させるようで、胸がドキドキと激しくときめいた。
 私はベッドに押し倒され彼の腕に抱かれた。
 上着を捲り上げられブラジャーを強引にむしり取られ乳房を揉みしだかれた。

「奥さんの大きくて綺麗なおっぱいを想像して、何度もオナニーしたんだ」

 とささやきながら、痛いほど揉まれ乳首を執拗に舐められた。

 いつの間にか着衣は剥ぎ取られ、ついにはスカートも脱がされてしまった。
 彼もジーパンとTシャツを脱ぎ捨てトランクス姿に、そして私はパンティだけになっていた。


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