惠 一期一会



第17話“絶頂の瞬間”

 恋というものは探しても簡単に見つかるものではありませんが、突然こうして向うからやってくることもあります。
 しかもこんなに素晴らしい女性と出会えることになるとは。
 惠を愛しながら、ふと「もしかしたらこれは夢かも知れない」などと疑心を抱きました。
 でもこれほどの快楽がもし夢ならば、生きていることそのものが夢ではないかと、疑った自分を嘲笑いました。

 惠はシーツをかきむしり、身体を弓なりに反り返らせ激しく悶えました。
 時々指を唇に宛がい甘噛みするようなそぶりを見せていました。
 それらは女性が激しく高揚したときに無意識のうちに見せる仕草だと、以前どこかで聞いたような気がします。

 腰を前後に動かせている私の額からは大粒の汗が滴り落ちます。
 惠は上半身を反り返らせ喘ぎ、腰がわなわなと震えているようです。
 私は震える彼女の腰をしっかりとかかえ、さらに強く突き込みました。

(ズンズンズン!ズンズンズン!)

「あっ、あっ、あっ!あきまへ~ん~!……い、いやどすぅ~……はぁん!いやどす!うちぃ~……あああっ!どないしょう~……」

 惠は意味不明な言葉を口走りヒィヒィと喘いでいます。
 快感の高波が連続で押し寄せて来てるようです。

「あぁぁぁぁぁ~~~~~~~~!!イクッ、イクッ、イクぅぅぅぅぅ~~~~~~~~!!」
「惠っ!!」
「イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~~~~~~!!!!!」

 惠は四肢を硬直させて到達しました。
 惠の絶頂を告げる声に、私自身も反応しすでに抑えが効かなくなっていました。
 腰を掴む手にさらに力がこもります。
 ひときわ強く惠の身体を引きながら腰を押し出しました。
 私が激しく押し出すと、惠の濡れそぼった花弁がぬかるみのような音を立てて、押しひしがれました。
 惠は肉棒が奥の壁を強く圧迫してくるのを感じています。
 惠の身体の一番奥で段々と熱が広がっていきます。
 私もまもなく絶頂を迎えようとしています。
「抜かなくては」と思い、腰を少し引いた瞬間、惠は、

「離れたらあかんっ!!」

 などと叫びながら私の背中に手を回し、私が離れることを惠は許してくれません。
 次の瞬間、堰を切ったように私の分身から熱い液体が放出されました。

「うう…っ!!くぅ~~~~~っ!!おおおおおおお~~~~~~~~~!!」

(ドピュ~~~~~~~~~~~ン!!!!!)

 結局抜くことができないまま、惠の中へ大量の液体を注ぎ込まれてしまいました。

 惠は私に抱きついたまま、余韻に浸っていました。
 まどろみの中、惠はぽつりと言いました。

「裕太はん、ごっつぅよかったどすぅ……」
「惠……君は最高だよ……」
「そんなことおへん……うちなんか……せやけどそないにゆうてくれはってうち嬉しおすぇ……」

 私は惠のことをすごく愛おしく感じ、やさしく髪を撫でながら唇を寄せました。

(チュッ……)



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