子供たちはスノーボード教室に行ってしまった。
 久しぶりの夫婦二人の夕食。
 夜は長い。
 娘たちがいないと夫(四十三歳)はのびのびしている。
 惠(三十八歳)は気がついた。
 夫なりに、年頃の娘二人に気を遣っている。
 娘たちとの会話の中では、暗黙のうちに、夫はいやらしい、汚いと言うことになっている。
 ちょっとした、いじめ待遇だ。
 内心、惠は夫に同情していた。
 女三人の話題にもまず入れてもらえない。
 夫は家庭の中で孤独になっている。

「ねえ、エッチしようか?」

 コタツでくつろぐ夫に惠は自分から声を掛けた。
 娘たちがいると、まずそんなことは言えない。

「珍しいな、お前から言うのは」

 夫は楽しそうに笑った。
 惠も笑った。

「おっ、意外と似合うじゃないか?」

 夫はにやりと笑った。
 長女の体操着を着てきたのだ。
 サイズは娘と替わらない。
 高校時代に戻ったようだ。
 若さと美貌には自信はあるが、鏡を覗くとさすがに女子高生はきつい気がする。
 ただ冬のショートパンツは太股が寒い。

「中小路(なかのこうじ)さん、きれいだね」

 夫はわざと旧姓で呼んだ。
 懐かしい響きだ。
 何千回も裸を見せてきたのに、恥ずかしい。
 太股を人目のさらすことは少ない。
 若さに自信があるとは言っても、娘の若い張りには敵わない。
 でも夫はすぐに股間を手で押さえていた。
 興奮している。

「中小路さんは下着穿いてないの?」

 夫の指がショートパンツの上からまさぐっていた。
 成熟した女のスリットに食い込んでくる。
 今日は燃えそうだ。
 声を出しても許される。
 明るい部屋で夫とこんなことをするのは滅多にない。
 すぐに蜜が溢れた。

「いやん、正弘さん、そこはダメ……」

 惠はわざと高校生のふりをした。
 二十年前の女子高生の気分になる。
 それは夫と出逢うよりずっと前の教室での懐かしい思い出。
 もちろん夫に話したことは一度もない。

 気持ちよく声を上げると、さらに身体が歓喜の声を上げた。
 自分の声に溺れていく。

「麗奈のだろう? 汚していいのか?」

 夫はふと正気に返る。

「いいの。明日洗うから。あの子が昨日穿いていたのよ、これ」

 夫はぎゅっとショートパンツを上に引っ張った。
 きゅっとスリットに食い込んでくる。

「麗奈ももう女だよな」

 夫はふしだらなことを口にした。でも今日は許してあげる。

「そうよ。あの子の匂いがする」

 惠は嘘を言った。
 夫の気持ちを高めるためだ。
 そして自分の気持ちをふしだらにするためだ。
 良き母であることも疲れるのだ。

「麗奈ったら枕を挟んでオナニーしているのよ」

 それは嘘だ。

「そうかあ、お前とこうしているところを見せたいよな」

 夫はいやらしく答えた。

 夫はショートパンツの上に顔を埋めていた。
 太股を撫で回しながら、ショートパンツの上から局部を探ってくる。
 匂いを嗅いでいる。
 そしてショートパンツの上から局部を舐め回してきた。
 惠と麗奈の匂いを確かめるように。
 夫はかなり興奮している。

「惠さんは、ビチョビチョだ」

 夫はわざと「さん」をつけた。
 食い込みすぎて、はみ出ているヘアを指でもてあそぶと、そのままショートパンツの透き間から指を中に挿し入れてきた。

「入れたい」

 夫は低くうめいた。

「ねえ、後ろからして……」

 惠は素直に淫らになれた。
 ショートパンツと体操着の格好のまま、四つん這いになる。
 夫は少しだけショートパンツをずらすと、白い尻の感触を指で確かめる。

「惠は、いつまで経ってもきれいだ」

 夫は優しい言葉を掛けながら、脱ぎ始めた。








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