惠 危ない日の風景

Shyrock作






 惠は、ホテルまで来て断るのもどうかと思った。
 でも今日はもろにぶつかっている。
 恋人の彼に、その旨を伝えた。
 彼は簡単に止めようと言った。

「見て欲しいんだ」

 彼はすっすっと手早く脱ぐとボクサーパンツ1枚になった。

「いつも惠のことを考えてやっている」

 彼は恥ずかしそうに告白した。
 ベッドでの仰向け姿の彼の手がボクサーパンツで隠れた。
 男の形が浮き出ている。
 手によってしごき立てられ、惠の知っている形になった。
(オナニー)知ってはいたが、惠は男のこういう姿を初めて見た。
 それも恋人の彼に見せつけられるとは思わなかった。
 唖然としていた。
 彼は腰を振動させ、ハアハアと声にならない声を上げながら、手で揉みほぐしている。

「恥ずかしい姿だろう?ライヴに行く前も、食事に行く前もこうなんだ。しないと 落ち着かない。中学校の頃からこうなんだ。頭の中では、惠と毎日している。 ああああっ、めぐみ~、気持ちいい。ああん、いいん」

 突然、手の動きがゆっくりになった。
 彼がふと正気に戻った。

「君に見られると思うと、すごく興奮している。僕は、恥ずかしくていやらしい男さ。君の知っているアーティストの姿は仮の姿。これが本当の僕さ。オチンチンいじりばっかりしている。ほら、パンツが濡れて滲みてきただろう?恋人の君にこんな姿を見せるなんて、僕は最低な奴だよな」

 そして言葉に最低という言葉に興奮してのか、手がまた強く動き始めた。
 彼の声のトーンが上がった。
 あえぎ声は男と言うより女だ。
 女優のような声だ。

「ああんん、いいいんんん。惠、僕の顔を見てくれよ。男の恥ずかしい顔だろう?君の顔を見ると、興奮で出ちゃいそうだ」

 彼は泣きそうな顔をした。

 男の恍惚の表情がある意味でみっともなく、見られる彼の心の満足を示している。
 彼は自虐的に言った。

「叱ってくれよ。いやなんだろう?いやらしいだろう?」

 惠は首を横に振った。
 彼は手を止めた。
 下着はもう透けている。

「惠、せめて下着か、ヌードになってくれよ。それを見ながらいきたいんだ」

 惠はうなづいた。
 既に彼の恥ずかしい姿に、惠の下着の中は蜜が溢れていた。
 強い理性が崩れていく。
 このまま受け入れ、惠自身の中で果てて欲しくなっていた。





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