第1話 「先生、私、もうお免状は戴けるでしょうか?」 「うん、そうですね」 三木本衣葡(みきもと いぶ)は現在通っている着物着付け教室で『師範』の資格を25才の誕生日までに取得したかった。 彼との結婚式を今秋に控えていることもあって、誕生日までと言うのは時間的に無理かも知れないが、挙式前にはぜひとも取得しておきたい資格だった。 しかし最近仕事が忙しく残業が続いていて彼とのデートも思うようにならず、ましてや着付け教室に通う時間はかなり厳しかった。 それでも持ち前のがんばりで資格を得られる直前までこぎつけていた。 「ほぼ問題は無いのですが、半襟がまだもうひとつですね」 「あ、そうですか…」 「半襟は左右均等に出すことは分かっていますね?出し過ぎはいけません。普段着だとだいたい1センチくらいです。その当たりがまだよく分かっておられない…」 「…」 教える側の須見浩二(53才)は、わずかに白髪混じりの物静かな中年紳士であった。 市内に着付け教室を3校経営し、200人を超える生徒数を誇っていた。 「今日はもう授業は終りですが、少しだけ復習してみましょうか?あ、でも、もう10時ですよ。少し遅くなりますが時間は大丈夫ですか?」 「あ、ありがとうございます。嬉しいです。ぜひ教えてください。何とか早くお免状が欲しいんです。時間は大丈夫です。クルマですし」 「そうですか?それでは隣の部屋へ来てください。モデルの人形でやってみましょう」 「はい」 須見は襖を開いた。 そこは教室よりはかなり狭く、八畳ぐらいの和室であった。 正面の床の間には重厚な雰囲気の山水の掛け軸が飾られていて、右奥に押し入れがありその上は天袋になっていた。 室内の柱や梁などは素人目にも高価と分かるほどの資材で設えられていた。 とりわけ床の間の梁には、原材を鑿(のみ)で彫って漆を施したような立派な一本木を使用していた。 左側には女性の姿をした人形が襦袢だけ着せられて配備されていた。 人形があまりにもよくできているため、衣葡が部屋に入った瞬間、人が立っているかのように思い一瞬どきりとした。 だが、すぐにそれが人形だと分かり衣葡は安堵のため息をついた。 「ははは、人形を見て驚かれましたか。よくできているでしょう?でも安心してください。これは練習台ですから。ご覧になられますか?」 須見はそういうなり人形が着ている襦袢をさっと取り去った。 次の瞬間、衣葡の表情がこわばった。 襦袢を脱がされて裸になったマネキンは実に精巧にできていて、とても人形とは思えないほどのリアルさに溢れていた。 ブティックで見かけるマネキンよりも身体の線が細やかで、胸の隆起も実に巧妙に造られていた。いや、それ以上に衣葡を驚かせたのは、人形の下半身であった。 普通ならマネキンの股間はツルツルに造られているのに、目前のそれはまるで実物の女性器のように精巧に造られていた。さすがに毛まではないが恥骨部分は見事に盛り上がり中央をきれいな亀裂が走っていた。 あまりのリアルさに衣葡は少し気味が悪くなりマネキンから後ずさりした。 「驚かせてすみません。これはマネキンの専門職人に頼んで、特別に造らせたものなんですよ。300万円ほど掛かりましたよ。よくご覧ください。この女性器などは実に見事なできばえだと思いませんか」 「先生…私、ちょっと気分が……もう帰らせてください」 「せっかく復習の時間をお作りしたのに、そんなに急がなくてもいいじゃないですか?さて、それじゃ半襟の練習をしますか」 「あ…はい…よろしくお願いします」 衣葡はとにかく早く資格が欲しかった。 その一念が衣葡に足止めをしてしまったわけだが、ここで帰らなかったことが大きなあだとなることを、彼女はまだ知るよしもなかった。 第2話 「じゃあ、練習に掛かりますね」 「はい、お願いします」 「衣葡さんは早く資格が欲しいと仰ってますが、洋服に比べて着物は着用に時間と手間がかかります。ただ一服のお茶をたてるのに流儀や作法があるのと同様に、袋帯・名古屋帯を結ぶのにもそれなりの手順を覚えなければなりません。では、もう一度、練習してみましょう。帯を解いてください」 「はい」 衣葡は先程の精巧な人形のことが記憶の片隅をよぎったが、まさか着付けの師範が妙なことはしないだろう、と高をくくり自らの帯に手を掛けた。 衣葡は艶やかな赤地に扇と花柄の正絹京友禅の衣を解き始めた。 着物特有の衣擦れの艶めかしい音がひびく。 帯揚(おびあげ)、帯枕(おびまくら)、帯締(おびじめ)、腰紐(こしひも)等が畳に重なり合って落ちていく。 その光景を須見は眼鏡越しに見つめている。 衣葡に緊張が走る。 「帯は胸高に締めない。分かっていますね」 「はい、先生」 「着丈を短くしない」 「はい」 「衿を詰め過ぎない」 「は、はい…」 「それと…」 「はい?」 「ショーツは穿かない」 「ああっ、すみません。今日は会社の帰りだったものでついそのまま…。すみません。次からはちゃんとします」 「だめです。先程も言ったように作法・手順は守らなければなりません。すぐに脱ぎなさい」 「でも…」 衣葡はためらった。 他の生徒がいるときなら、おそらくそそくさと脱いでいただろう。 しかし、今は師範と自分二人だけである。 師範と言っても一人の男である。 その目前でショーツを脱ぐことをためらうのは当然のことであった。 「何をためらっているのですか。早く脱ぎなさい」 言葉こそ丁寧なのだが、拒むことのできない威圧感のようなものが須見にはあった。 無言のうちに「私に逆らうと免状はどうなるかな?」と圧力をかけてきているようにも思えた。 衣葡としては免状が喉から手が出るほど欲しい。 だから須見の機嫌を損ねたくはなかった。 衣葡は仕方なく須見に背を向けて身体を屈めた。 解けた着物の隙間から真っ白な下着がちらりと見え隠れしている。 右足を上げてゆっくりとショーツを下ろす衣葡。 左足を上げようとしたその時、突然須見が後方から襲いかかって来た。 「キャ~~~!先生っ、何をするんですか~!」 「衣葡さん、ちょっとだけいいじゃないですか。君がここに来た時から私は君のことが好きだったんだ。そう邪険にしなくても」 須見の左手は衣葡の着物をつかみ、着物の裾から右手をこじ入れようとしていた。 だが衣葡が激しく抵抗するため、容易に手を差し込めない。 「こんな可愛い娘さんのショーツを脱ぐ場面を見せつけられて、興奮するなと言う方が無理ですよ。大人しくしなさい!」 「いやっ!やめてください!お願いですから~!」 第3話 衣葡は須見から逃れようと夢中で抵抗した。 次の瞬間…… (パチンッ!) 「痛い!」 振り回した手が偶然須見の鼻をとらえた。 「うう……」 須見がうめき声をあげている。 少し鼻血が滲んでいるようだ。 「す、すみません……」 「いててて……衣葡さん、私にこんな酷いことをするのですか」 「違います!偶然に当たったのです。決して殴ろうとしたわけじゃありません。本当です!ごめんなさい!」 衣葡は今にも泣き出しそうな顔で平謝りをした。 しかし須見は目を吊り上げて、 「いいえ、許しません。殴った償いはしてもらいます」 眼鏡の奥に光る眼差しは衣葡を睨みつけている。 それは獲物に食らいついて絶対に放さない肉食動物のそれに似ていた。 「本当に申し訳ありません。どうか許してください」 衣葡は畳に頭がつくほど平身低頭になって何度も詫びた。 だが須見の表情は変わらない。 「私に怪我をさせたこと…さて、どのようにして償っていただきますかねえ」 とつぶやくと、あっと言う間に須見は衣葡の両手をつかみ腰紐で後手に縛りあげてしまった。 「先生!何をするのですか!やめてくださいっ!」 衣葡は怒りの形相で須見を睨みつけた。 「騒がしいですねえ。しばらく黙っててくれませんか」 須見はそうつぶやくと手拭いを取り出し、逃れようともがく衣葡の口に猿ぐつわを噛ませてしまった。 (うぐ、うぐ、うぐっ!) 衣葡は必死に何かを訴えかけようとしているが、口をふさがれているため何を言っているのか分からない。 「これで少し静かになりましたね。私はうるさいのが苦手でね。暫く大人しくしていたら許してあげますよ。でもいつまでも騒がしいようだと……ふっふっふ、もっと大変な目に遭うかも知れませんね……」 須見の眼鏡の奥がキラリと光った。 衣葡は恐怖におののき身体を震わせている。 須見は薄気味悪い微笑を浮かべながら、衣葡の後方へと廻り込んだ。 はだけた襦袢の胸元から手を差し込み、胸の膨らみをまさぐった。 小ぶりではあるが形のよい乳房を揉みしだく。 掌によい感触と弾力性が伝わり、思わず須見は口元をほころばせた。 「おお、これはいい。若い娘さんの乳房はプリプリしてて揉みごたえがありますね。私までが若返りそうですよ。ふふふ……」 衣葡は胸元に差し込まれた手をはねのけようともがいてみるが、縛られて不自由な身では思うようにならない。 (ううっ……ううう……!) 「肌艶と言いさわり心地と言い全く申し分ないですね。どれ、こちらはどんな具合ですかね?」 須見は衣葡の下半身に目を移し、もう一方の手をはだけた襦袢の隙間から忍び込ませた。 (うっぐ!うううっ!) 衣葡は腰をよじって強い拒絶反応を示した。 邪悪な手からのがれようと、必死に脚をばたつかせた。 すでにショーツは自身で脱ぎ去っていたため、秘所を覆うものは何も残っていない。 ごつごつとした中年男性の手が、ゆるやかな丘陵を撫でる。 どちらかと言うと少なめな草原をゆっくりとかき分ける。 まるで宝探しでも愉しむように。 まもなくつつましく合わさった桜貝の合わせ目に指が差しかかった。 合わせ目に野卑な指が挿し込まれていく。 第4話 (ヌチュッ…) 不快な感触に衣葡は眉をひそめた。 須見の指から腰を引いて逃れようとした。 そんな衣葡の動きを予め察知していたかのように、須見の腕が衣葡に絡まった。 しなやかな腰に男の腕が絡みつき、衣葡は魔手から逃れられなくなってしまった。 須見は悠々と秘孔をこね回しながらにやにやとほくそ笑む。 「衣葡さんはなかなか素晴らしい道具の持ち主ですね。軽く挿しこんだだけなのにまるで吸盤のように指が離れませんね。ふふふ、これは素晴らしい……」 須見は今にも涎を垂らしそうなくらいにだらしなく笑っている。 日頃師範として見せている威厳など微塵も見られない。 指はとめどなく巧妙にうごめいている。 女の身体を知り尽くしているかのような指は、秘めやかな部分の構造を早くも学習しようとしていた。 指は渓谷を上流へと這っていった。 渓谷のいただきには表皮に覆われた実が生っている。 須見は表皮をゆっくりとめくりあげた。 するとそこには愛らしいピンクの実が潜んでいた。 ピンクの実を指でつまみながら須見はつぶやいた。 「こんな所にぼんぼりがなっていますね。とても可愛い形をしていますね。ここをこうして擦るとどうなるのでしょうね?」 (ううっ……) 衣葡は身体を波打せ大きく反応した。 須見の息遣いが衣葡に届くほどに顔を近づけた。 衣葡はうっすらと涙を浮かべながら、顔を横に振り嫌々をしている。 (ううっ…うううっ……) 「え?もっと擦って欲しいって?それじゃ言葉に甘えて」 (うぐぐ!うううっ!) 衣葡はなおも激しく首を横に振った。 須見はきほどよりも派手に指を動かした。 実の外周に沿って円を描いたり、左右に往来したり、あるいは押してみたり、摘まんでみたり、あらゆる動きで衣葡の敏感な箇所を責めたてた。 拒絶する気持ちとは裏腹に、衣葡の身体の奥には何やらふつふつと湧き立つものがあった。 (いけない、感じちゃいけないわ……でも、どうしてなんだろう?全然好きな人なんかじゃないのに……) 衣葡は心の中でつぶやいた。 「確か衣葡さんには婚約者がいらっしゃいましたね。いつもこんな風に触ってもらってるのですか?私にこんなことをされていると分かったら大変ですね」 (うううっ……) 「ほほう、かなり濡れて来ましたね。婚約者以外の男性にこうして濡らされるってどんな気分ですか?ふふふ…それじゃぼちぼち穴の奥も調べさせてもらいましょうか」 実をなぶっていた中指はゆっくりと渓谷の中央へ移動していった。 指が渓谷のはざまに食込んでいく。 (にゅぶにゅぶ……) (ううっ!) 中指は渓谷の中央やや下方に位置する洞窟へと吸い込まれていく。 指の第1関節、第2関節と入ったところで一旦停止し、指はまもなく内襞を擦る動作を始めた。 (うぐっ…) 衣葡はおぞましさに眉をひそめてじっと耐えている。 (グッチョングッチョン……グッチョングッチョン……) いつしか蜜量が増し指の抽挿が滑らかになっていた。 第5話 さらに人差し指が加わり中指と共同作業で衣葡の秘孔をかき混ぜる。 須見の年季の入った指さばきに、衣葡の肉体は早くもとろけそうになっていた。 それでも衣葡の理性が須見を頑なに拒み淫指から逃れようとするのだが、所詮は無駄な抵抗であった。 溢れる蜜の量がおびただしくなってきた。 衣葡はかなり感じてしまっている。 好きでもない男に蹂躙されていると言うのに。 これが女の悲しい性(さが)と言うものなのだろうか。 「衣葡さん、あなたはいけない人ですね。私のモノがこんなに大きくなってしまったのはあなたのせいですよ。責任を取ってもらわないといけませんね」 須見は自ら着物の前を開き、黒光りして隆々とそそり立ったイチブツを見せつけた。 それはとても50歳を越えた男のモノとは思えないほど元気があり、天井を向いてそびえていると言っても過言ではないだろう。 「衣葡さん、あなたのお陰で久しぶりにこんなに元気になってしまいました。あなたが魅力的だからいけないんですよ。本当はおしゃぶりをして欲しいところですが、猿ぐつわを外さないといけないし、大声を立てられると拙いので我慢することにします。ということは、次に何をされるか分かってますよね?ふふふ……」 須見はそう言い放つと淫靡な笑みを浮かべた。 衣葡は眉を吊り上げ、首を大きく横に振って拒絶の態度を示した。 須見は衣葡の心情などお構いなく言葉を続けた。 「衣葡さん、この大きくなったモノをあなたのその可愛いお口に収められないとなると、一体どこに収めたらいいのでしょうね?」 (うぐっうぐっ……) 「あ、そうそう、確か下にもお口がありましたよね。それでは下のお口でしっかりと咥えてもらいましょうか。しかし、暴れられても困るのでもう少し縄を増やしましょうかね。ふふふ…」 須見はそうつぶやくと、衣葡を床の間に連れて行き、柱を背にして立位で『高手後手』に縛り上げた。 衣葡の目頭からは止めどもなく涙が溢れている。 須見は衣葡の正面に腰を下ろし、見上げるようにして衣葡の表情を窺っている。 「衣葡さん、それでは下の口で私のモノを咥えていただきましょうか。しっかりと咥えるのですよ」 (ううっ~!うううっ!!) 須見がまもなく挿入することを告げると衣葡は突然暴れ出した。 衣葡には過去それなりに男性経験はあったが、意思に反して性行為を行なうのは当然ながら初めてであった。 ましてや現在は来年結婚を約束している婚約者がいる。 心にもない男性との性交渉など許されないのである。 衣葡は悔しくて堪らず、自然に涙が頬を伝った。 須見は硬く閉じている衣葡の膝を強引に割り開いた。 衣葡の眼下にはおぞましい肉の凶器がそそり立っている。 今や遅しと侵入を待ちわびている。 衣葡は正視できず顔をそむけた。 だがその憂いに満ちた横顔は、皮肉にも須見の情欲を煽る結果となってしまった。 衣葡は鼻筋が通り長い睫毛の女性であったことからその横顔は人一倍蠱惑的であり、男の欲望をかきたてるには十分過ぎた。 それを裏付けるかのように須見はつぶやいた。 「衣葡さん、その悲しげな表情はすごくそそりますね。お陰で私のモノはまるで若い頃のように大きくそして硬くなってしまいました。さあ、下の口でしっかりと受け止めてもらいましょうか」 須見はすくっと立ち上がり真正面から衣葡に抱きついた。 (うううっ……!!) 須見はピッタリ合わさった割れ目を左右に広げ、怒張した肉棒をあてがった。 第6話 須見の鼻息がかなり荒い。 まるで獲物を捕獲し今まさに食さんとしている獣のようだ。 目的の女を手中に収め挿入直前までこぎつけた男の昂ぶりは計り知れないものがある。 衣葡はすでに観念したのか俯いた状態で目を閉じている。 (ズニュッ) 先端の雁の部分が秘孔に埋没した。 (んんっ!) 肉棒はゆっくりと食い込んでいく。 「ふはっ!おおっ!すごくいい気持ちですよ、衣葡さん。最高の締り具合です」 須見は喜色満面の笑みを浮かべた。 「さあ、もっと深く咥えてもらいましょうか」 須見はそうつぶやくとさらに奥へと押し込んだ。 少し入れては少し戻るという具合に、肉の絡む感触を愉しみながら何度も往復させた。 (ヌッチョ、ヌッチョ…ネッチョ、ネッチョ…) 湿気を含んだ淫靡な水音が聞こえて来る。 物音ひとつしない夜のしじまに肉の擦れ合う音が響いている。 (グッチョ、グッチョ、グッチョ…グッチョ、グッチョ、グッチョ…) その音は次第に粘着音へと変化していった。 衣葡の肉壷はかなり湿ってきたようだ。 これには須見も気を良くし、腰の動きも一段と軽やかになった。 須見は頬を寄せ衣葡を強く抱きしめた。 その瞬間、肉壷が締まり肉棒をぐグイッと締めあげた。 「おおっ、これは堪らない!衣葡さん、すごいです。もっともっと気持ちよくしてあげますからね!」 須見の腰の動きが慌しくなった。 正面からの立位は男性にとって決して挿入しやすい体位とはいえない。 しかし須見はかなり器用なようで、下方からグイグイと捻じ込んでいる。 「はぁはぁはぁ~」 (ズン、ズン、ズン!ズン、ズン、ズン!) 須見が下から突き上げるたびに、わずかだが衣葡の腰が浮き上がる。 衣葡は瞳を閉じて、込み上げてくる快感に耐えているようにも見える。 (うっ、うっ、うっ……) 「おっ?衣葡さん、かなりよくなってきたのですか?」 衣葡は首を横に振る。 決して須見の方を見ようとはせず、顔は須見から逸らしたままだ。 須見は衣葡の片膝を抱え上げ腰を激しく律動させている。 (ズッコン、ズッコン、ズッコン!) (うううっ……!) 「このまま発射してもいいのですが、せっかくのご馳走ですから、ゆっくりといただかないとバチが当たりますよね。ちょっと体位を変えてみますか」 須見は自分勝手なことをつぶやきながら衣葡の縄を解いた。 解かれた後も縄痕がくっきり残って痛々しい。 須見はたとえ戒めを解いたとしても、衣葡が逃げ出すことは無いと踏んでいた。 確かに着衣が乱れた姿で屋外に飛び出すなど、羞恥心の旺盛な衣葡の場合とても考えられなかった。 両腕の縄はいったん解かれたものの、猿ぐつわは外されることなく次の体位へと移行した。 衣葡は四つん這いになるよう指示された。 両肘を床につけ尻を高く上げること。膝は60度くらいに開脚すること。 着物は裾から腹の辺りまで捲り上げられ、真っ白な双臀が丸出しにされてしまった。 中央に走る亀裂はその内部の肉襞まで露出させ、さらにはつつましく息づく菊門をも覗かせていた。 須見は亀裂をしゃぶり舌でこそぐように舐めた。 第7話 (ペチョペチョペチョ…) (ううっ…) (ピチャピチャピチャ…) 須見は衣葡の耳に届くように、わざと音が立ててしゃぶりあげた。 羞恥心の旺盛な女性を攻める場合とても有効な手段と言える。 秘所を吸われるだけでも恥ずかしいのに、破廉恥な音まで奏でることがとても耐え難いのだ。 (やめて…恥ずかしい……) 予測どおり衣葡は感じ始め、亀裂からはおびただしい蜜液が溢れ出した。 (ズルッズルッ、チュ~!) 羞恥心に追い討ちをかけるように、須見はさらに大きな音を立てて秘所を吸い上げる。 そればかりか、須見の唇は場所を移し、あろうことか菊門を舐め始めた。 (うぐぐぐっ!) 衣葡は秘所を吸われる以上に狼狽し、そのおぞましさに耐え切れず逃れようと腰をよじるのだが、須見はがっちりと腰を押さえつけ衣葡の拒絶を阻んだ。 別にアナルマニアと言う訳でもないので須見はそそくさと菊門への責めを終え、後背位の体勢になり秘所への挿入を開始した。 (うううっ~!) 衣葡はお相撲さんの「はっけよい」のような格好にさせられ、背後から須見の攻撃を浴びた。 因みにこの体位は後背位のひとつで『仏壇返し』といい、和服姿の女性と交わる場合、脱がさなくてもいたせる重宝な体位と言われてる。 須見は激しく怒張した肉棒で背後から突きまくる。 その度に衣葡の身体が前のめりになってしまう。 衣葡は両肘を支えにして後からの圧力をじっと堪えている。 肉棒は容赦なく熱い肉壷をかきまわす。 肉棒の雁の部分が子宮の手前まで到達した時、衣葡は今まで経験したことないような激しい快感を覚えた。 (うっぐ、うううっ!) (パンッ、パンッ、パンッ!) 須見の下腹部が衣葡に密着するたびに乾いた打撃音が鳴り響く。 音だけを聞いているとまるでスパンキングしているかのような錯覚に陥る。 「はあ、はあ、はあ~、い、衣葡さん、いかがですか?気持ちいいですか?」 だけど猿ぐつわをされているため、衣葡としては答えられるはずがない。 須見は「はぁはぁ」と苦しそうに息を切らせている。 それでも渾身の力をふりしぼって須見は仕上げに移った。 前後だけの単調なピストン運動からスクリュー攻撃へと攻め方を変えてきた。 肉棒が膣内で回転し内部をかき回している。 当然Gスポットも時折触れる。 身体の中心を電流のようなものが駆け抜けた。 感じてはならないと言う理性もいつしか砕け散り、ついには須見の執拗なまでの攻撃に翻弄されていく自分がいた。 もう気持ちの高揚を抑えることは困難なようだ。 決壊した堤防のようにどっと水流が押し寄せて来た。 衣葡は理性が断裂され表現しがたいほどの恍惚感に見舞われた。 (ううっ!ううう~~~っ!!うぐぐぐ~~~~~~~~~!!) 衣葡は頭の天辺から何かが突き抜けるような感覚に襲われた。 それとほぼ同時に須見の動きが一段と慌しくなり、大砲が一気に発射された。 膣内に放出された大量の白濁色の液体。 陰唇からドロリとしたたり、衣葡の太股を濡らした。 激しく動いていた須見の動きがついに止まった。 しかしまだ陰茎は挿しこんだままで、衣葡の背中に頬ずりをし発射後の達成感に酔いしれているように思われた。 「ふう……何といい女だろうか……」 ポツリと自然に漏れた須見の台詞。 彼の数多くの女性遍歴の中でも、かつてこれほど素晴らしい女性はいただろうか。 自分の娘よりも若い女性を抱いて、彼自身も若さを取り戻したような気持ちになっていた。 かくして凌辱劇は幕を閉じたかに思われたのだが…… ◇ それから数日後、教室に通う衣葡に免状が渡された。 いっしょに通う美智子が衣葡に言った。 「あら?衣葡さん、もう受かったの?早いわね~。おめでとう!羨ましいな~、才能がある人は違うわね」 衣葡にとっては何気ない美智子の言葉だったが、何か嫌みにも聞こえた。 だが、あの夜の秘め事を美智子が、いや誰も知っているはずがない。 衣葡は心の中でそう呟いた。 着付け教室が終了して衣葡が帰ろうとした時、師範の須見は彼女を呼び止めた。 「衣葡さん、まだ帯を胸高に締め過ぎる癖が抜けないようですね。ちょっと残ってください。補習をしますから」 衣葡は身体から血の気が引くような気がした。 頭がボーッとなった。 だが衣葡の口から零れた言葉は…… 「はい、先生、分かりました…」 ちょうどその頃、教室の隅の花瓶に生けてあった桜の花びらがパラリと舞い落ちた。 完
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