イヴ ~淫魔大帝アシュラ~

Shyrock作





第1話


さらわれた王女カーラを救うため、聖剣士デクスカリバーの使い手シャイと司祭の孫娘で神官のイヴは魔界に旅立つことになった。
敵は悪魔サタンを倒して魔界を制し、更に勢いに乗じて地上にも侵攻を企てる淫魔大帝のアシュラ男爵であった。
彼はかねてより、地上における大国シャングリラスの王女カーラを誘拐をしたうえ、国王を脅迫し、労せずしてシャングリラスを乗っ取ろうと企んでいた。
大国シャングリラスを落とせば、地上の大半は支配下となる。
地上を支配下に置けば、当然、地上の女たちも自分の自由に出来る。
その桁違いの性欲から、彼は魔界の女たちだけでは満足しきれなくなっていた。

そしてある2月の雪降る夜、それは実行された。
魔鳥がカーラ姫の部屋の窓から忍び込み、彼女をさらっていったのだった。
兵士や付き人が気付いた時は、カーラの姿はなく、鳥の羽根だけが落ちていた。
ベッドの上には哀れカーラ姫の愛らしいショーツと、その上に1通の手紙が残されていた。

「カーラ姫は預かった。助けたければ国王だけで助けに来い。いや、シャングリラス・ナンバー1の美女を必ず連れて来い。アシュラ男爵」

唇を震わせ激怒した国王はすぐさま魔界への攻撃を指示した。
しかし、側近のものはそれを諌めた。

「国王、今、魔界を攻撃するとアシュラは怒り姫の身に危険が及びます。アシュラは国王と美女だけで来いと言っておりますがいかがなさいますか?」

国王は側近の言葉にただ震えているだけであった。

「国王、いかがなさいますか?」
「嫌じゃ!わしは恐いのじゃ」
「ああ、嘆かわしや・・・」
「何か言ったか?」
「いえいえ、何も申しておりませぬ。国王が出向かれないとして、カーラ姫はどうなさるおつもりです。まさか見捨てられるというのでは?」
「バカを申せ!わしがあの可愛い姫を見捨てるはずがないじゃろう!」
「これは失礼を申し上げました。ではいかがなさるおつもりですか?」
「身代わりじゃ。誰かわしに変装させて行かせるのじゃ。出来れば腕の立つ奴を選んでのう。ついでにあのアシュラの首を持って帰らせるのじゃ」

側近は手を打って、王の考えに絶賛した。

「それは良い考えでございます。では我が国で一番腕の立つ騎士シャイに行かせましょう。あやつならばアシュラと互角に戦えるはず。それにあやつの家には代々伝わる聖剣デクスカリバーもございます」



第2話


「うん、シャイならばやってくれるであろう。彼にすぐに支度するように伝えるのだ。あ、そうそう、姫を無事に救出すれば、姫を嫁にやると伝えるんだ」
「え?よろしいのですか?」
「あの男はちょっと変わり者で褒美に賞金をやっても喜ばぬ。しかし女には、特に美しい女には目が無い。姫を助けて嫁にできるとなれば、目の色を変えて活躍してくれるであろう」
「女で釣るわけですな・・・いや、失礼。それも非常に妙案でございますなあ」
「カーラのあのまだおケケ生えかけの無垢なスジを、あのシャイめにくれてやるのは少し癪ではあるが、カーラを救うため仕方なかろうて」
「はぁ・・・?お言葉ですが、なぜお父上である国王がカーラ姫のアソコをご存知なので?」
「うん、この前、入浴するところを陰からこっそりと覗いてしまってのう~。・・・ばかもん!つまらんことを聞くでない!」
「ははあ、申し訳ございませぬ。ところでアシュラは美女を連れて来いと行っておりますが、シャイと同行させる美女はいかがいたしましょうか?」
「そうじゃなあ。昨年、我が国でミスコンを行ない優勝した娘がおったじゃろう?あの時の娘は絶世の美女であったが」
「あの娘は司祭の長女でイヴと申します。今、神官の修行中でま白魔法の腕もなかなかのものと聞き及びます。美しさは他を探しても比類なきものと思われます。それに、色香もたっぷりでございますので、あのエロ男爵アシュラもよだれを垂らして喜ぶ事でしょう。私なんぞも彼女を見ているだけで下半身がビンビンに・・・あ、これは失礼を!」
「ばかもの、今はそんなことを言っている場合か」
「申し訳ござません」
「じゃがお前の言うとおりイヴは確かに良い女じゃ。わしも妃にしたいほどだが、司祭の娘なので手が出せん」
「国王もかなりの好き者で」
「ん?何か言ったか?」
「いえ、別に。ではイヴにもすぐに支度をするよう命じましょう」
「うん、頼んだぞ」

そのような経緯で、シャイとイヴは魔界へ赴く事となった。

イヴは国王からカーラ姫救出の勅命を受けたことにいたく感動したが、シャイは浮かぬ顔をしていた。

「なんで俺があの薄ぐらい魔界に行かねばならないのだあ?ましてやアシュラってメチャ強いって聞くしさあ。それに国王の身代わりなら余計に狙われるじゃん。やだな~。だけど、うまく倒してカーラ姫を救えば、姫を嫁にできるのか~。ふうむ、やっぱり行こうかな~」

シャイは嫌らしい微笑みを浮かべながら、剣をゴシゴシ磨き始めた。



第3話


魔界は地底奥深くに存在する。
シャイとイヴは結界の裂け目から潜入し、魔界へと通じる長くて暗い通路を進んで行った。
シャイは騎士の正装ともいうべき鎧装束で凛々しく身を固めていた。
一方、イヴは神官という職業柄、全体を白でまとめ防具は革の胸当てだけという軽装であった。
そのため、ふたりの歩く速さについ差が生じてしまった。

「ねえ、シャイ、もっと早く歩けないの?」
「そんなこといったって。イヴは軽い服装だけど、俺のは重いんだから~。だから先に進んでくれていいよ。俺はイヴの後を追っかけるから」
「それもそうね。じゃあ、先に行くかな~」
だが、これはあくまでシャイの口実であった。
魔界への道は、上り下りの坂が多い。
上りの時イヴが先に行くと、短い神官服からパンティがチラチラ見えるため、パンティマニアのシャイとすれば絶好の機会といえた。

(うっしっし~、イヴのパンティは白だ~♪もう少し奥の方まで見えないかな~?)

等と不謹慎なことを考えていると、突然、前を行くイヴが悲鳴を上げた。

「ああっ!敵だわ!」

最初にイヴたちに襲い掛かったのは、魔界を巡回中のスケルトンであった。
彼らはふたりを見てすぐに剣で切りつけて来た。
イヴのパンティを覗き込み鼻の下を長くしていたシャイだったが、すぐに騎士としての勇猛さを取り戻した。
聖剣デクスカリバーを素早く抜き、さっとイヴの前に回り込んだ。

シャイは真正面から繰り出すスケルトンの剣を盾で受け止め、紫電一閃、スケルトンをまたたく間に切り裂いてしまった。
切り裂かれたスケルトンは、鈍い呻き声とともに地面に崩れていった。
見る見るうちにイヴとシャイの前にスケルトンの屍の山が築かれていった。
最後に鎧に身を包んだボス格らしきスケルトンが、イヴの後方から襲ってきた。

「イヴ、危ない!」

イヴはスケルトンの剣をかわし、何やら呪文を唱えた。

「ホーリーサンダー!!スケルトンよ、闇の世界に返るがよい!!」

呪文を唱えるとまもなくイヴの指の先端から白い稲妻が発し、スケルトンの脳天を直撃した。
スケルトンの身体は聖なる光に包まれ、瞬くうちに崩れ去ってしまった。

「ふ~、全部片付けたわ~」
「はっはっは~!さすがイベット司祭の娘だけあって、白魔法の威力はすごいな~。だけど、この程度の雑魚(ざこ)を相手に魔法を使うともったいないぞ」



第4話


「そうね。剣でも倒せたと思うんだけど、一度試してみたかったの~」
「でもマジックポイントに限りがあるんだろう?」
「うん、あるわ。でも、数時間睡眠をとると回復するの」
「数時間か・・・ちょっと長いな~。これから先、眠ってる時間の余裕がないかも知れないから、マジックポイントはできるだけ温存しておいた方がいいぞ。アシュラ男爵はかなり強力だと思うので」
「うん、判ったわ。そうする~」

イヴはOKの言葉と同時に、キュッと片目を閉じウィンクを送った。

「ひゅ~、痺れる~。でも今は色気は禁物だぞ~。はははははは~~~!」
「そうね。あははははは~」

地底は陽の光が届かない。
シャイが剣を鞘に収めるとまたもや暗闇が訪れた。
通路には発光する自然石があるお陰で、たいまつが無くても何とか進む事ができた。
たいまつは一応持ってはいるが片手が塞がるから出来るだけ使いたくない。

先ほどのように突然敵が現れることもあるので、防御力に優れたシャイが前を進んだ。
それでもイヴは遅れることなく、シャイにくっつくようにして歩いた。
いつのまにかイヴはシャイの手を握り締めていた。
イヴの女の香りがシャイの鼻腔をくすぐった。

シャイはわざと肘でイヴの胸に触れた。

「いや~ん、エッチ~」
「え?いや、偶然だ、偶然。ははははは~」

イヴはチェーンで出来た胸当てを着けてはいたが、胸の感触は十分シャイに伝わった。

通路はグネグネと曲がりくねった迷路になっていたため、無事に王女を救出しても地上に戻れるという保証はなかった。
しかしそこは利発なイヴのこと、地底に進入した時から赤い粉を地面に落とし目印をつけることを忘れなかった。

地底のかなり奥部に進むと、岩肌には苔もなく茶褐色を呈していた。
地上では見られないような奇岩が並び地底の不気味さを一層醸し出していた。

そんな中、地響きとともに3mははるかに越えるほどの巨人が突如現れた。
怪力デスジャイアントである。
2体いるようだ。
デスジャイアントは地上のジャイアントのように、動きが緩慢ではなくスピードも兼ね備えているため、心して掛からねばならない。
パンチをまともに食らえば、人間の骨など木っ端微塵に砕けてしまうだろう。
シャイはデクスカリバーを抜き、相手の出方を伺った。

「イヴは俺の後ろに隠れていろ!俺が始末する」
「あいつらすごく硬そうだから魔法でやっつけようか?」
「いや、マジックポイントは温存しろ」
「いいの?うん、じゃあそうする」

(ブィ~~~ン!)

イヴたちの打ち合わせが終わる間もなく、1体がパンチを繰り出してきた。
シャイはデスジャイアントの攻撃をよけながら、剣を突きつけた。

「とりゃ~!!」
「ギャァァァァァ~~~!!」

デクスカリバーは見事デスジャイアントの胸板に突き刺さったが、敵はまだ倒れない。



第5話


普通の剣ならまだしも、デクスカリバーで突き刺されて倒れないとは何という渋とさだろうか。

「ふ~、恐ろしい生命力だ!くそっ!」

シャイは地上のジャイアントと戦った時のことを思い起こした。 デスジャイアントとはジャイアントのゾンビ版なのだから、きっと共通点があるはずだ。
共通点とは・・・?
弱点とは・・・?

「そうだ!喉だ!」

シャイは鎧装備とは思えないほどのジャンプを見せ、デスジャイアントの喉元を狙った。
デキスカリバーは見事にデスジャイアントの喉に突き刺さった。 絶叫がこだまし、まるで大木が折れるように巨体は地面に倒れてしまった。
歓びも束の間、間隙を突くように、もう1体のデスジャイアントがシャイに襲い掛かってきた。

「シャイ!!危ない!!」

イヴはとっさにショートソードで突き込んだが、一足遅くシャイはデスジャイアントの強烈なパンチを食らってしまった。

「ぐわ~っ!」

軽々と吹っ飛ばされたシャイは岩肌に激突し、うめき声をあげ倒れ込んでしまった。
さらに標的を切り替え襲って来たデスジャイアントを、間一髪かわしたイヴは神聖魔法ホーリーサンダーを唱えた。

まもなく白い稲光が走り、轟音が鳴り響いた。
暗い洞窟が一瞬明るくなったと思っていたら、突然、デスジャイアントの叫び声が聞こえた。
何とデスジャイアントの頭上に雷が直撃したのだ。
イヴは崩れていくデスジャイアントを見届ける事もなく、すぐにシャイの元に駆け寄った。

「シャイ!しっかりして~!だいじょうぶ!?しっかりして~!」

シャイを抱き起こしてみると、唇から血が溢れているのが分かった。

「ううっ・・・く、くそぅ・・・不覚を取ったぁ・・・。手が・・・手が動かない・・・」
「シャイ!意識はあるのね?良かったぁ」
「う、うっ・・・よかねぇよぉ・・・利き腕の左手を折られちまったぁ・・・イテテテ・・・くそぉ~・・・オレとしたことが、ぶ、無様なぁ・・・」
「大丈夫。私が治してあげるから」
「ヒールの魔法を使うのか?それとも骨接ぎでもしてくれるのか?あ、イテテテ・・・」

かなり痛むようだ。
シャイは苦痛に顔を歪ませ、額から冷汗を流している。

「うふ、ヒールは使わないわ。骨折を治す場合マジックポイントがすごく減っちゃうだも~ん。それよりも、も~っとすっごい魔法があるんだも~ん。でもね、使うの今日が初めてなのぉ~」
「そりゃ何の魔法だ?オレは魔法には詳しくないがヒール以外にあるのか?」
「いいからいいから~。とにかく早く治さないと、また次の敵が現われると厄介だし。しばらく目を閉じててね~」
「イテテテテ・・・目を閉じるのか?うん、分かった」

シャイはそっと目を閉じた。
いや、閉じたように見せてはいたが、実はこっそりと薄目を開けていた。

イヴはシャイの鎧を解き、続いて下半身のタイツを一気に下ろした。
弾力性に富んだ男のイチブツが現われた。
イヴはそれをしっかりと握り締め、シコシコと擦り始めた。
イヴが行ない始めた一連の動作には、さすがのシャイも驚いてしまった。

(どこが魔法だ・・・ったくもう・・・でも気持ちいいから良しとしようか・・・)

最初は薄目を開けていたシャイだったが、イヴとの約束も忘れ、いつの間にか目を大きく見開くイヴの行動を見つめていた。



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