『綾 長安人中伝(ちょうあん じんちゅうでん)』
(3頁)

Shyrock作

人中とは「武将の中の武将」を意味します
本編は三国志の二次作品となっております


球ちゃんが当小説用に描いてくれたイラストです




第21話

 綾の両脚は両方から男達にしっかりと抱えられていて、閉じることは許されない。
 恥辱に顔が歪み、ただ目を背けるしかなかった。

 張宝はニタニタと笑いながら、綾の背後に回り込み、別の兵士に小さく合図を送った。

「あれを用意しろ」

 命令を受けた兵士は予め用意していた行水用の木製の“盥(たらい)”を運んで来て、綾の股間の真下に置いた。
 それが何を意味するかを理解した見物人の男達は更に淫靡な笑みを浮かべ、期待に胸を躍らせた。

 張宝が背後から綾の背中に唇をつけた。
 綾がぶるっと震え、顔をしかめる。

「いやっ・・・」
「ふふふ、男心をそそる肌じゃ。まるで雪のような白い肌をしておるのぉ~。まったくもって美しい。ふふふ、皆の者もそう思うだろう?」
「はい、将軍!仰せの通りで、大変美しい肌の娘でございますなあ」
「見ているだけでよだれが止まりませぬ」
「ちぇえ、汚ねえ野郎だぜ」
「はははははは~」

 張宝は背中から首筋に唇を這わせながら、美しく隆起した双丘をギュッと握り締めた。
 男の大きな手でもとても覆いきれないほど立派な乳房だ。
 しかも垂れることなく乳首がピンと正面を向いている。
 張宝は片方の乳房を揉みながら、もう片方は乳首を指で摘み上げ弄んだ。

「どうだ?ぐふふ・・・気持ちいいだろう?いつも呂布にこのようなことをしてもらっておるだろう・・・ふふふ・・・」

 綾は返事をしなかった。
 答える気もなかったし、見知らぬ男に乳房を揉まれるというおぞましさに声も出なかったのだ。
 さらに尿意も次第に激しくなっていく。
 綾の額から脂汗が滲み出て、ポタリと盥に落ちた。



第22話

 張宝は尿意を堪えて辛そうな表情の綾の耳元で、わざと意地悪な言葉を囁いた。

「あ、そうそう、忘れておったわ。綾、お前はまだ用を足していなかったな?」
「・・・・・」

 綾は顔を背けた。
 今、必死に尿意に耐えているのに、そんな話題は許して欲しい。
 額からはまたもや汗のしずくが滴り落ちた。

「ふっふっふ、どうなんだ?したいのだろう?さあ、みんなが見ている前で出してしまえ。楽になるぞ。ふふふふふ・・・」

 張宝はそういいながら、片方の手を綾の股間に回した。
 そして薄っすらとした繁みの辺りをまさぐった。
 綾は驚きのあまり身体をのけぞらし、おぞましいて指から逃れようともがいた。

「いや!いや!許してください!」

 しかし両手は天井から吊るされ、両脚の左右から豪腕がしっかりと抱えている。
 しかも張宝が空いている方の腕で細い腰を抱えたものだから、綾は動くことを封じられてしまった。
 逃れることのできない女体は、簡単に男の餌食となってしまった。

「ひ~~~っ!」

 張宝は亀裂に直接指を挿し込んだりはしなかった。
 亀裂の合わせ目上部にある陰核をめくり上げ中指でごりごりといじり出したから堪らない。
 綾は腰をぶるぶると震わせて戦慄(わなな)いた。

「ううっ・・・うううううっ・・・」

 尿意の限界に達しようとしているところへ、女体のもっとも敏感な箇所である陰核を激しく揉まれた綾は錯乱状態に陥りかけていた。

「ああっ!い、いやあ~~~!!い、いじらないでぇ~~~!ああ、もうだめぇ~~~っ!!」
「ふっふっふっ、どうだ。排尿寸前にここをいじられる気分は。ふっふっふっ、いつでも出していいのだぞ。みんなが待ちくたびれておるゆえ、早く出してしまえ。ふっふっふっ」
「い、いやぁ~、そ、そんな恥ずかしいことできません!」
「腹が破裂してしまうぞ。さあ、早く出せ!」

 張宝の愛撫は更に激しさを増した。
 勢い余ってか、指は深く切れ込みを見せている隙間に滑り込んだ。

「ひぃ~~~!!いやあ~~~っ!!」



第23話

 張宝は亀裂に沿って指を這わせた。
 溝を擦りながら綾の顔を眺めてニタリと笑った。
 ひいひいと泣き喚き、息絶え絶えともいえる惨状を呈していた。
 そんな状況下であっても、秘所を撫で廻されているうちに、じっとりと愛液を滲ませていた。

「強情な女だな。ふふふ、ではこれならどうだ?」

 張宝は溝への愛撫はそのままに、もう片方の腰に宛がっていた手を綾の後方からそっと忍ばせた。
 張宝の指は白桃のような双臀の間にするりと入った。

「ひぃ~~~~~~!!」

 張宝は菊の門を捉え、キュッと締まった花弁をこね回した。

「や、や、やめてぇ・・・ください~~~~!!」

 綾にとってはまるで悪霊から陵辱を受けるようなものであった。
 前の門、後の門、二箇所の鋭敏な箇所を散々擦られ、狂ったように泣き喚いた。

 そして、ついに限界の扉が開いた。
 耐えに耐えて、腹腔に貯めていたものが、堰を切ったように一気に噴出したのだ。

(ジョジョジョジョジョ、ジョワ~~~~~・・・)

 真下に盥(たらい)があったが、溜まっていたものが一気に噴射したために、勢い余って辺りに飛び散ってしまった。
 黄金水が床を濡らした。

「おお!ついに出しおったか!皆の者、しっかりと拝むがよい!天女様の排尿シーンだ!滅多に見られないぞ!しっかりと見てやるのだ!がっはっはっはっはっはっは~!」
「いやあ~~~~~!み、見ないで~~~~~~!!」

「すげえや!」
「おお、いいぞ!もっと出せもっと出せ!」
「美女のこんな場面を見られるとはなあ~俺は幸せ者だぜ~」

 周りを取り囲んでいる男達は野卑な表情を丸出しにして、手を叩き合って喜んだ。
 中には小躍りして、わざと小水を浴びようとするものまで現れた。

 綾の顔はまるで金時のように真っ赤になっている。
 だが顔を覆いたくても両手を高々と吊るされていて、隠す事も適わない。
 男達の淫靡な視線と嘲笑をただ歯を食いしばって耐えるしかなかった。

「ふふふふふ、すっきりしただろう?ええ?」

 張宝は綾の顎に手を添え、ニタリと笑った。

「さて、今から呂布に手紙を書こうと思うんだが・・・」



第24話

 村襲撃の賊を一掃した呂布は、帝代行の董卓に経緯を報告した後、屋敷に戻りうたた寝をしていた。
 賊は退治した、そして先ほどまでいた綾は配下に見送られ帰宅してしまった。
 疲れがどっと出たのだろう、呂布は高いびきをかいていた。

 そこへ信じられないような悲報が届いた。
 眠る呂布の耳に扉を激しく叩く音が聞こえた。

(ドンドンドン!ドンドンドン!)

「将軍!おじゃまします!大変な事態が発生しました!」

 呂布は安眠を妨げられてとても機嫌が悪い。

「むにゃむにゃむにゃ・・・なんだ、騒々しい」
「綾様をお送りするために出掛けられました林寧様達が、街の外れで惨殺されました!」
「な、なんだと!!入れ!!直ぐに入れ!!」
「は、はいっ!」

 武将は慌しく駆け込んできた。

「本当か!?冗談を言ってるのではないだろうな!?」
「ほ、本当です!」
「一体どういうことだ!?林寧様達4人はかなり腕達者な者達だ!それで綾は!綾はいかがしたのだ!?」

 呂布は捲くし立てた。

「はい!街人が見つけた時はすでに息は無かったようで、遺体を調べましたところ、刀傷がおびただしく残っておりました!」
「で、綾は!?」
「はい、ところが不思議なことに綾様の姿は見つかりませんでした」
「綾はいなかったのだな!?」
「はい!お姿は全く・・・」
「犯人は分かったのか!?」
「いいえ、それが・・・。無数の刀傷から考えて相当な人数で攻められたものと思われます。林寧様達があのように切られるというのは相手は相当なつわものか、大軍かと思われます。もしかしたら、綾様をお守りするために、命を掛けて戦われたのではないかと・・・こんな事になってしまって本当に無念です・・・」

 武将は涙ぐんだ。

「くっ、泣くな!必ず仕返しはしてやる!それより綾は!綾はどこへ行ったのだ!」
「申し訳ありません!現在、多くの兵が探索にあたっております!草の根を分けてでも必ず見つけてみせます!」
「俺も行く!」

 そこへ1人の連絡兵が慌しく駆け込んできた。



第25話

「呂布将軍!や、矢文が邸内に射ち込まれました!」
「矢文だと?何者じゃ!?」
「こ、これを」

 連絡兵は1本の矢を呂布の前に差し出した。
 矢の先端近くには白い紙縒り(こより)が巻き付けられていた。
 呂布は険しい形相で連絡兵から矢をひったくるように奪い取り、紙縒りを解いた。
 開封してまもなく呂布の表情はまるで阿修羅のような形相に変わった。

「なんだと!!」

 先に呂布と会話を交わしていた武将が恐る恐る呂布に尋ねた。

「何者からでしょうか!?何を言ってきたのでしょうか!?」
「綾が~~~~~!!綾がさらわれた!!」
「な、なんと!!」

 呂布は唇をわなわなと震わせ持っていた文をぐしゃぐしゃにしてしまった。
 そしてぐしゃぐしゃにした文を武将に手渡した。
 文には次のような内容が記されていた。

『綾を預かっている。返して欲しくば、玉印を持参の上、我等の出城である分龍城まで来い。2日以内に来なければ綾の命は無いと思え。ー--黄巾の虎・張宝ーーー』

「むむっ!何ですとっ!!黄巾賊の仕業だったとは!!ひ、卑劣な!!」
「ぐぐぐ・・・くそぉ~~~~~っ!!張宝めぇ~~~~~っ!!断じて許さんっ!!」
「すぐに兵を集めましょう!うん・・・?」
「なんだ・・・?」

 文をよく見ると紙の上にさらに小さな紙包みが貼り付けてあった。

「開けてみろ」

 武将は呂布に命じられ、梱包を解いた。
 すると驚いたことにこげ茶色で光沢のある巻き毛が数本が現れた。
 毛の太さや形状から考えて、それは女性の恥部のものと思われた。
 呂布の瞼には綾が男達に散々蹂躙されている姿が浮かんだ。

 呂布は気も狂わんばかりに激怒した。
 阿修羅の形相はさらに凄みを増していった。



第26話

「綾~~~!!待っておれ~~~!!直ぐに助けに行くぞ~~~!!直ぐに出発じゃ~~~!!」
「は、ははあ~!ですが、呂布将軍、いくさの準備がまだ整っておりませぬゆえ、準備ができるまでしばらくお待ちのほどを!」 「たわけが!!そんな悠長なことをのたまうな~!綾に危険が迫っているというのに!」
「ですが、今すぐにと申されましても、兵も今は休憩中ですのでわずかしか集まらないのではないかと!」
「ええい!構わぬわ!俺1人でも行く!」
「そ、そんな無茶な!いくら将軍がお強いといっても敵はおそらく城内に多くの軍勢が待ち構えていると思われます!」
「構わぬ!」
「もしかしたら、敵は罠を仕掛けているかも知れませんぞ!」
「うるさい!罠があろうが無かろうが関係ないわ!俺は綾を助けに行く!」
「はあ・・・承知しました!では直ぐに!」

 言い出したら聞かない事を武将は百も承知していた。
 諌める言葉も失った武将は可能な限り兵を集めるべく、慌しく部屋を出て行った。
 呂布は剣を握りしめ、鬼の形相で叫んだ。

「あや~~~~~!!俺が必ず助けに行くぞ~~~~~!!待っておれ~~~~~!!」

 まもなく準備の整った兵だけを集めて、呂布たちは砦を後にした。
 行く先は黄巾賊の居城である分龍城。
 およそ三里の道程を疾走すればたどり着く。
 最短は、林を抜け、谷を通る経路だ。
 当然ながら、呂布たちは最短の道を選んだ。

****************

 その頃、丸裸にされた綾は相変わらず男達の見世物にされていた。
 天井から吊るされぶらりと垂れた両脚を、数匹の犬が舐めまわすという奇妙な拷問に苛まれていた。
 膝から下の方に動物の好む香料を塗り込められていたため、数匹の犬達が我先にと争って、綾の足にそのざらざらとした舌で蹂躙を繰り返していたのであった。
 そのくすぐったさは半端なものではなかったため、綾は狂ったように泣き喚いていた。
 見物する男達はその光景を手を叩いてはやし立てていた。

「よし、やめろ」
 張宝の号令で男達は犬を取り押さえた。
 犬達は目を輝かせ舌を出し、今にも綾に食らいつこうとしている。

「どうだ?玉印の所在を吐く気になったか?」
「はぁはぁはぁ・・・ほ、本当に・・・知らないんです・・・」



第27話

「そうか、本当に知らないのか・・・。ところでお前の恋人の呂布だが・・・」

 呂布という名前が張宝の口から漏れた瞬間、うな垂れていた綾は首を上げ張宝を見つめた。

「呂布がどうかしたのですか」
「うん、安心しろ。呂布に手紙を出しておいたやったぞ。綾は元気にしておるとな。はっはっはっは~、さっき引き抜いてやった陰毛も同封しておいてやったからな。呂布は今頃驚いて腰を抜かしておるかも知れぬわ。わっはっはっはっは~」
「な、なんということを・・・」

 恨みのこもった眼差しで綾は張宝を睨みつけた。
 張宝はさらに言葉を続けた。

「綾を返して欲しければ、玉印を持って助けに来いと伝えてある。もしも2日以内に来なければお前の命はないとな。わっはっはっはっはっは~。さて、呂布は来るかな?それともお前など見捨てて他の女と遊んでおるかもな。わっはっはっはっは~」
「あの人はそんな人じゃありません!必ず私を迎えに来てくれます!見損なわないでください!」
「そうかそうか、それは悪かった。だがな、おそらくこの城までは辿りつけないと思う」
「そんなことはありません!呂布は滅法強い人です!あなたたちには到底敵いませんわ!」
「ははは、それはご挨拶だなあ。確かに奴は強いが、今回ばかりはおそらくここまで辿りつけまい。奴が来る途中の渓谷に仕掛けをしておいたからなあ」
「な、なんですって!!」
「奴が渓谷を通過する時に、上から大量の石を落とすことになっておる」
「なんと言うことを!!そ、そんな卑怯な!!そんな事止めてください!直ぐに止めさせて!!」
「もう遅い」
「うそ~~~~~っ!!やめて~~~~~っ!!」
「ははははは、いくらでも泣き喚いていろ」

 綾は散々性的な蹂躙を受けても耐え抜いてきた。
 しかし呂布が敵の罠にかかって、今にも渓谷の藻屑となると聞かされて泣き叫んだ。

「うるさい女だ。おい、誰かこの女を静かにさせろ」

 そばにいた兵士が綾の後方に回って、白い布で口に猿ぐつわを噛ましてしまった。



第28話

「うぐんぐんぐ!うぐぐっ!」
「じたばたするな!しばらく黙ってな!」
「んんぐっ!うぐっ!」
「ははは、さて、これでもう喚けまい。張宝将軍、もう大丈夫です」
「ごくろう」
「ところで将軍、先ほどからこの女を散々いたぶってはおりますが、まだ貫通式を済ませておりません。早く貫通式を行い、憎き呂布への恨みを晴らすのはいかがでしょうか。呂布の女であるこの綾を張宝将軍様のものにしてしまうことが、呂布に倒された仲間への弔いになると思うのですが」
「ははは、お前の言う事はよく分かる。だが、最後の貫通式は兄者に任せるつもりだ」
「大賢良師様のために?なんと兄上様想いなお方だろう・・・」 「いや、他の女であれば、私も兄者に遠慮はしない。だがこの綾は特別だ」
「特別と申されますと?」
「この綾なる女・・・実は兄者大賢良師様が以前よりずっといとおしく思っておられる。よって私はこの綾に対して最後の一線だけは越えるつもりはないのだ」
「何と、律儀な・・・」
「だが」
「はぁ?」
「最後の一線さえ越えなければ何もしても良いと思っておる」 「なるほど」
「今から面白いものを見せてやるわ。お前達もとくと楽しむが良いぞ」
「はぁ・・・で、一体何を?」
「ふふふ、おい!」

 張宝はパンパンと手を叩いて合図を送った。
 すると隅のほうから兵士ではなく、裁縫係の2人の女官が現れ、白い布の包装から、朱色の紐を取り出した。
 女官は左右に分かれ紐の端部を持ち、部屋の両端に分かれた。
 弛んだ紐は女官が引くとピンと張り詰められた。
 そして両端部はそれぞれ固定された。
 まもなく女官の1人が壷を取り出し、その中に手を差込み何やら白いクリーム状のものをすくった。
 そして表情を変えることもなく、紐の中央辺りに手際よく塗り始めた。
 男達は一体何が始まるのか訳が分からず、女官の動作に目を凝らしていた。
 その横で、綾は口を塞がれたまま、同様に女官の行動をじっと見つめていた。
 泣き過ぎたせいか、瞼が少し腫れて瞳は虚ろであった。



第29話

「張宝将軍、今からいったい何が始まるのでしょうか?」
「ぐふふ、直ぐに分かる・・・」

 部下からの問いに張宝はまともに答えず、ニヤニヤとただ笑うだけであった。
 女官の作業は終わったようだ。
 ドロリとした粘液状のものを塗り終えた女官に、張宝は無言で合図を送った。
 女官は綾の猿ぐつわを解いたあと、左右から両腕を抱えて、張り詰めた紐のそばまで連れて行った。

「綾様、さあ、この紐にお乗りください」
「紐に乗れと・・・?まさか紐にまたがれと言うのでは無いでしょうね」
「おほほ、よくお分かりですわね。そのまさかですわ」
「いやです!そんな恥ずかしい事、私、絶対にできません!」
「拒むことはできませんわ。張宝将軍のご命令ですからね」
「いやっいやっ!先ほどから色々な辱めは受けたけど、これだけは絶対に嫌です!」

 綾は張宝にすがって泣いた。

「張宝様、お願いです!こんな恥辱を受けるぐらいなら早く殺してください!」
「今頃、呂布も石の下敷きになって大往生を遂げておるだろうから、生きていても仕方ないというわけか?」
「そ、そんなっ・・・」
「わっはっはっはっは~、だが、お前には死んでもらっては困るのだ。兄者がお前にいたく惚れておってのう。お前は兄者の花嫁になってもらわねばならないのだ」
「そんなこと絶対にお断りします!」
「断る?わっはっはっは~、無理な注文だな。そこでだ、お前には兄者が喜ぶように、できるだけ性感を鍛えてやろうと思ってな。いわば、兄孝行というわけだ。おしゃべりはこの辺で終わりだ。おい!綾をその紐にまたがらせろ!」
「はい!承知しました」

 女官ふたりに加え、さらに兵士数人が協力し、瞬く間に綾を担ぎ上げ、強引に開脚させ紐の上に跨らせてしまった。



第30話

 綾は拒絶の態度を示してみたが、両手を後手に拘束された不自由な身では、抗うことなどできなかった。
 ピンと張りつめた細い紐が、無抵抗な無毛の丘に食い込んでいく。

「いやぁ・・・許してぇ・・・」

 紐は特殊な木綿でできており、粘りがあって、少々の体重を掛けても切れる惧れはなかった。

 綾の拘束と固定は男性兵士に任せ、女官は紐を操る側に回った。 張りつめた紐をつまみ、グイと引く。
 亀裂に食い込んだ紐はさらに深く淫谷を食い込んでいく。

「あっ、あっ、いやっ・・・やめて・・・」

 女官の紐を引く手さばきは実に緩やかであった。
 間違っても操作を速めたりはしなかった。
 激しく擦ると摩擦で陰部に裂傷を負わせてしまう可能性があるからだ。
 綾は黄巾賊の総帥とも言える大賢良師張角への重要な貢ぎ物である。
 貢ぎ物に傷を負わせることは許されない。
 あくまで性感を高めるための行為なのだ。
 しかし綾にとってはそれも拷問のひとつに過ぎなかった。
 陰毛を剃られ丸見えになった女の恥部を紐で嬲られ、それを公衆の面前で晒さなければならないわけだから、一種の虐待と言っても過言ではなかった。

 女官は綾の表情を確かめるかのように覗き込み、ゆっくりと紐を操る。
 綾の額には大粒の汗が光っている。

「はぁはぁはぁ・・・いやぁ・・・あぁ・・・身体が変・・・あぁ・・・か、身体が・・・あ、あつい・・・あぁ・・・」

 張宝は淫靡に微笑みあごひげを撫でながら、興味深げに綾の変化を見守っていた。

「ふふふ、かなり効果が現れてきたようだな。ところで、紐に塗リ込めた薬はいったいどんなものなのだ?」

 女官は会釈をして慇懃に答えた。

「はい、張宝将軍。紐に塗った薬は【紅蜘蛛】と呼ばれている幻の媚薬でございます」
「ほほう、幻の媚薬か」
「はい、高山にしかない山藥と枸杞、甘草、欠實、百合等を配合して作った薬でございます」
「して、その効果は?」













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