第7話「迫りくる睡魔」
はたしてこれは強姦なのか。
いや、強姦は法律でいうところの不同意性交等罪に該当し『性交、肛門性交、口腔性交のほか体の一部や物を膣または肛門に挿入する行為』と法律で定めている。相手が人間か魔物か分からない今、ありさが被っている相手の行為をはたして『強姦』と呼ぶことができるのだろうか。
理屈はさて置き、現在ありさが忌むべき事態に陥っていることだけは確かだ。
ただ、ありさが恐怖のどん底に落とされたことは紛れもない事実であったが、『強姦』と大きく異なるのは、奇妙なことに快感を伴う点であった。
ありさは恐怖に苛まれながらも、身体の奥底から込み上げてくる不思議な快楽に翻弄されようとしていた。
「ふぁあ~~……やめてよぉ~……ああっ~……だめぇぇぇ~~……はぁああああ~~……」
鎌首とそれに連なる胴体は、ありさの肉道で確実に成長を遂げていた。
「うそっ……大きく、硬く、なってきてるぅ……」
膨張した鎌首は膣壁を激しく擦りつける。
「ああっ……だめぇ~……そんなにこすらないでぇ……ひぃ~・・・ふぁああああ……」
ありさの場合、Gスポットの感度がきわめて高い。
軽く触れられただけでも、跳び上がってしまうほど感じてしまう。
そんな過敏な箇所を手加減することなくこすられたらどうなってしまうのか。
たちまちありさは半狂乱となり、花芯からはおびただしい淫蜜が溢れ出す。
知ってか知らずか、鎌首はそんなありさのGスポットを徹底的にいじめ抜く。
(シュワ~~~~~~~~!!)
突然、花芯から潮が勢いよくあふれ出した。
我慢の限界に達し堪えきれずついに潮を噴出させてしまったのだ。
鎌首はそれでも構うことなく律動を繰り返す。
(ニュルニュルニュルニュル! ニュルニュルニュルニュル!)
「いやぁ~~……ひぇええ~~~~……はふぅ~ん~……」
(グニュグニュグニュグニュ! グニュグニュグニュグニュ!)
突然、鎌首は恐ろしいほどに硬化し、一度だけびくんと痙攣したあと、生温かい液体を放出させる。
そのあまりのおぞましさに我に返ったありさは絶叫する。
「きゃぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
まるで男性器から精液が膣内に放たれた時のような感覚がありさを襲った。
得体の知れないものに犯され、さらに肉体にその痕跡を残されてしまう。
渾身の力をふりしぼり避けようとしたありさだったが、すべてが徒労に終わってしまった。
まもなく怒張していた鎌首は収縮しはじめ、その美しい女壺から撤退していった。
だが拘束された両手への拘束はまだ解かれていない。
膣内に放出された液体がどろりと溢れだし太股を伝う。
嫌悪感がありさを支配する。
「いったい誰なの……こんなことするのは……」
震える声でつぶやく。
暗闇の中で巻き起こった災禍……それは突然ありさに襲来した竜巻であった。
一人の女性を渦中に巻き込み、空高く巻き上げ、大地に叩き落し、そして去っていった。
そんなありさを次に襲ってきたのは激しい睡魔であった。
得体の知れないものに散々もてあそばれ、憔悴しきったありさはいつしか深い眠りへと落ちていった。
それからどれだけの時間が過ぎたのだろうか。
ありさは寒さで目が覚めた。
気がつくとショーツは膝までずれた状態で、コートを膝にかけ壁にもたれていた。
疲れ切っていつの間にか眠ってしまっていたようだ。
寒さが身体の芯まで凍みてきた。
(ブルブル……)
「さ、寒い……」
「ん……?う、うそっ……私、こんなところで眠っていたの……?」
ありさはふと腕時計を見た。
針が午前7時を指している。
頭がぼんやりして、身体のところどころに痛みが残っている。
突然、昨夜の出来事が頭をかすめた。