第28話  “地底旅行は快感旅行”

 産まれたばかりの巨大な未知の卵がある不気味な洞窟を通り過ぎ、嵐で荒れる「地底の海」を真横に見ながら通過しさらに地底奥深くへと進もうとするが、ありさは今それどころではない。
 ショーツのクロッチに固定されたローターがまるで携帯電話のように振動し、ありさのクリトリスをいたぶる。

「あぁぁぁぁぁ~~~だめぇ~~~~~!こんなタイミングでスイッチ押すなんて~~~ひどいよぉ~~~~~やぁん~~~~~!★☆★」
 
(ヴィ~~~~~ヴィ~~~~~)

 突然、大きな雄叫びとともに走行車を追いかけてくる轟音が鳴り響き、ありさたちの目前に溶岩から上半身を現した岩のような怪物が出現した。
 同乗のゲストたちが恐怖のあまり口々に叫んでいる。
 ありさも同様に叫んではいるが彼らとは事情が違う。

「ぎゃぁ~~~!はぁ~ん……あああっ、そこだめぇ~~~~~!★☆★」

 怪物とローターという二種類の異なる恐慌に襲われパニックに陥っている。
 もし静寂の中で、ほかのゲストたちがありさの叫び声を聞いていたら、おそらくほかのゲストたちとの違いに気づいていただろう。

 ローターがありさのクリトリスをプルプルと震わせる。
 あろうことかディズニーシー最速のジェットコースターの中で事態は起こった。
 いや、正確にいうなら事態が起きたのではなく、隣に座っている男が作為的に起こしたのだが。
 我慢しきれなくなったありさはシャイにもたれかけ彼の手をぎゅっと握りしめた。

「あぁぁぁ~、シャイさぁん~、あぁ、あぁ、すごいよぉ~、ぃやぁん~、はぁ~ん、あぁ、どうしよう~、やぁ~ん~★☆★」
「洞窟の中が狭いからすごく速く感じるね」
「そんなこと言ってる場合じゃないのに~!ありさ大変なことになってるのに~!やぁん、あぁん~、困るわ~、はぁん~~~、すごいわ~~~!★☆★」
「すごく感じてるみたいだね。設定は『中』なんだけど、走行車の振動で刺激が何倍にも増幅してるのかもね」
「そんな他人事みたいに!あぁ~、やんやんやん~~~!★☆★」

 走行車の姿を見つけた怪物が突如襲い掛かって来たとき、噴火が起こり走行車は溶岩の圧力に押し上げられ、火道を急上昇し噴火口から吐き出され落下する。
 溶岩の流れ道にできた裂け目に突入した走行車はミステリアスアイランドのカルデラのトンネル内を暴走し制御不能となってしまう。

「シャ、シャイさん!ローター止めて!ありさもう限界なの~~~!★☆★」
「ここまで来たら最後までがんばって!」
「そんなぁ!無理だよぉ!身体が痺れて来たぁ~!イクかも、イクかも!★☆★」

 走行車はどんどん加速していく。

「イこう!イこう!イッとこう~!うわぁ~!すごいスピード!」
「マジでイキそう!あぁん、もうだめっ!★☆★」
「おおお~!目が回るぅ~!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!落ちてイクぅぅぅぅぅ~~~~~!★☆★」

 ありさが絶頂に達する頃、偶然にも走行車は「地熱貯蔵庫」なる場所に無事到着する。
 ここが終点である。
 到着して降りなければならないのだが、ありさがぐったりして直ぐに立ち上がれない。

「だいじょうぶ?」
「はぁ……★☆★」

 前列のカップルも心配そうに声をかけてくれた。

「だいじょうぶですか?顔色よくないですよ」
「ありがとう……だいじょうぶです……★☆★」
「すごい声で叫んでましたね」
「えっ!?……そんなに叫んでました……?★☆★」

(やばっ!前のカップルに声を聞かれてたんだ!)
 ありさは冷や汗が出る思いがした。

 シャイは朦朧としているありさを脇に抱えるようにして走行車から降り立った。

「だいじょうぶ?どこかでちょっと休もうか」
「ラブホ★☆★」
「何を言ってるんだよ。ここはディズニーシーの中だよ。そんなのあるはずないじゃん」
「だってびしょびしょなんだもの……★☆★」
「え?もしかしてショーツが……?」
「ほかにびしょびしょになるものってあって??あぁん、どうしてくるのよぉ、気持ち悪いよぉ……それに……★☆★」
「それに?」

 ありさがシャイの耳元で顔を寄せてつぶやく。

「それに、ローターで責めまくられて、したくなっちゃったぁ~☆★☆」
「でもアレは今夜まで我慢するしかないね」
「ふぅ~ん、そっちは我慢するとしても、ぱんちゅが濡れたのは辛いなあ。一応穿き替えは持ってきてるんだけどね、シャイさんと三回作動の約束だからがんばるよ!☆★☆」
「何なら二回で切り上げてもいいんだよ。気持ち悪いままでせっかくのディズニーデートを過ごすのも嫌だろう?」
「シャイさん、やさしいね。でもだいじょうぶ、歩いているうちに乾くよ☆★☆」
「ありさちゃんの体温で乾燥させる?」
「うん、シャイさんの情熱で乾かせて♪☆★☆」
「ははは~、かわいいこと言っちゃって」
「あははははは~、ねえ、次どこ行く?☆★☆」
「近くのノーチラスギフトに寄ってみる?」
「お土産も買いたいしちょっと覗いてみようかな?☆★☆」

 激しい後はのんびりと、が遊園地を長時間楽しむ秘訣だ。
 ノーチラスギフトはミステリアスアイランドの中心にあり、下の階は軽食が取れるレストランになっている。
 ノーチラスギフトは小物ショップが中心で、日除け用のグッズや携帯のストラップ、ぬいぐるみなどが並んでいる。
 ギフトショップの割りには意外と人が少なくゆっくり見られるのが特徴だ。
 最初にありさの目に止まったのはぬいぐるみであった。


戻る/進む



















作品表紙

自作小説トップ

トップページ
inserted by FC2 system