第三話「火消しの火つけ」

「これがなにか分かるか?ハスイモの茎を干してひも状にしたものを巻きつけてこしらえた張形だ。ずいきっていってな、大奥のお女中がこっそり使ってる代物でぇ。こんな風に水をつけて挿れると……」

 ありさの小さな裂け目にごつごつした張形を突っ込もうとする源太。

「ひっ……!」

 ありさが思わず身を引いた。

「おい、動くんじゃねえ、じたばたしやがると、いてぇめに遭わせるぞ」

 源太は一喝すると、たっぷりと水を含ませた張形を小さな裂け目に捻じ込むように押し挿れてくる。

「どうでぇ?」
「ううっ!いたいっ……!」

 源太がわずかに挿し込み、抜き差しを始めた。

「どんな女もよがり狂うらしいが……どうだ?いいか……?生娘がよがり狂う姿は見ものってもんだ」
「うううっ……」

 さほど濡れてもいないのに、いきなりねじ込まれたありさは最初こそ飛び上がったものの、ジリジリとその張形から出てくる成分が粘膜を充血させ始め、次第にじっとしていられなくなる。
 ありさは両手両足を縛られた不自由な体勢のまま。腰をひくつかせた。

「あひぃ……んあっ……んぐぐっ……」

 源太は淫靡な笑みを浮かべながら小刻みに手を動かしている。

「ひいっ!ああっ!あうっ!うっ!」
「イヒヒヒヒ。もう蜜は十分だ。さてと、この張形がおまえを女にしてくれるんでぇ。よっく拝んでおくがいいぜ」
「いやです、それだけはいやっ!堪忍ですっ、もう、いっそ殺して~っ!」

◇◇◇

(ずぶっ!)

「そ~れ、そ~れ」
「あっ、あっ、あうっ、ああっ!」
「まだまだ、それ、それ」

(ずにゅり、ずにゅり!)

 張形は小さな裂け目に沈みこむ。

「ひいっ、ううっ!死にますっ!あっ、ああっ!も、もう死ぬ~~~っ!」

 絶叫を上げて花は散った。
 変えることのできぬ己の運命に泣くのか、それとも色責めの歓喜のゆえか、頬からは幾筋もの涙が伝い流れる。

 満月が土蔵の小窓から部屋の中まで明るく照らし、ありさのあられもない姿を浮かび上がらせた。
 源太がゆっくり捏ねるたびに、ありさの口から漏れるあえぎ声は大きくなり、自分でも押しとどめることのできない域に達していた。
 張形は身体に突き刺さって同化した生き物のようにありさの腰ごと揺らし始めた。
 むずむずと芯から這い上がって来る快感がありさの腰をいやらしくうねらせるのだ。
 ありさが見せ始めた女の反応に、ますます源太は高ぶりこねまわす張形に力がこもる。

「ああああぁ……ああああっ……」

 突っ込むとごつごつした突起が濡れそぼった蕾にあたり、引き抜かれるたびに充血した粘膜から淫汁がおびただしく出てくる。
 次第に我慢ができなくなり、つま先を立て、足を突っ張りはじめる。

「あぁ、ああ、あああ……」

 ずいきの効果は絶大で、ありさの身体が大きく揺れ始めた。
 細い腰は張形を深く銜えたまま淫らに震え、裂け目から淫汁がたらりとしたたり落ちた。
 頬や胸までも赤らめ、視線が宙をさまよう。
 その痴態にはさすがの源太も圧倒されるほどだ。

「ほほう、てめえはこのずいき張形がそんなにいいのか?生娘のくせになんと好色なこった」

 ありさは生来敏感な身体なのかも知れない。
 張形から出る成分が滲み始めたのだろう、充血した蕾が包皮を押上げそうな勢いで膨らんでいる。
 ありさは湧き上がってくる快感をとうとう止めることができなくなった。
 源太がことさら強く張形を押し込んだ瞬間、

「あひぃぃいっっ…………!」

 ありさの腰が弓なりに反り返り、がくがくと痙攣し、青白い月明かりに狼の遠吠えのように、長く気を遣った。
 淫らであれ、美しく官能的な情景であった。

 源太は昂ぶり、いきり勃つ肉竿をしごいている。

「さあ、これで通りもよくなったろう。ありさ、今挿れてやるぜ!」
「あ~~、死に……たい……」
「てやんでい!これから本当の男の味を教えてやるぜ。五両の金を惜しんだばっかりに、金じゃ買えねえモノを無くしちまったなあ、まあせいぜい親を恨むこった」
「も、もう縄を、はぁはぁ……身体が……ほど……いて……ああ~」

 ありさの目はうつろに潤み、小さな唇から涎を垂らしている。

「そいつあ、ならねえな」

 張形を引き抜くとそこは坩堝のように蜜があふれ出てきた。

「さあ、おいらの肉竿銜えやがれ!張形よりでっけえが肝つぶすんじゃねえぜ!たっぷり腰を動かしてくんな。ほれっ!」
「や、やめてっ!ひぃやぁっ!!」

(ズブリ!)

「あああっ……あぎぃゃっ!!」
「どうだ?おいらの肉竿の味は。遠慮はいらねェぜ。もっと泣くがよい。もっといい声を聞かせてくんな、ほれ、ほれ、ほれっ!」
「あっ、あっ、あっ……」
「その調子だ、もう一度、ほれっ」
「ああああああ~~っ!」

 暗い土蔵に女体の芳香が充満し、拒絶する心に逆らってありさの肉体の炎は消しようもないほどに燃え上がっていく。



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