第6話




野々宮ありさ




第6話「非情なる掟」

 リーダーからお墨付きが出たとあって、男たちは小躍りして一斉に全裸のありさへと飛びかかった。

「きゃぁ~~~~~~~~!!」

 いち早くありさに接近した男の指は、まっすぐに秘所へと伸びた。
 濡れてもいない亀裂に指を突き立てられ掻き回されたありさは、不快感をあらわにする。

「い、痛いっ! やめろっ!」

 粗暴な男の行為は愛撫とは程遠く、屈辱の中で喘ぐありさにとっては苦痛でしかなかった。

 さらに、身体のあらゆる箇所に複数の手が伸びた。

「では遠慮なくゴチになりま~す!」
「このすべすべした柔肌はたまらねえぜ!」
「へへへ~、こんな機会は滅多にねえぞ」

 男のよだれがしみ一つない美肌に滴り落ちる。

「こりゃすげえや! 女リーダーって吸い付くような玉肌なんだ~」

 複数の男達に押さえつけられ、身動きができない。
 こんな悪夢が現実のものとなって自分に降りかかるとは、ありさは考えたこともなかった。

 男たちの不快極まりない行為も、時間の経過とともに肉体は次第に順応して行き、やがてかすかな疼きを感じはじめていた。
 それはありさの意思とは裏腹に、肉体だけが一人歩きをしようとしていた。

 男たちの愛撫は、うなじ、乳房、乳首、背中、臀部、太もも、鼠径部、そして秘部へと施された。
 ありさが次第に美肌を紅潮させかすかだが喘ぎ声を漏らしたことで、男たちの昂りを一層高めた。
 アナル嗜好のサムは、ありさの菊門に指を捻じ込み散々いたぶった。
 愛撫は20分に及んだ。

 巧みな舌と指使いの前に、ありさは不覚にもいつしか谷間に蜜を滲ませていた。
 頬には悔し涙が光っている。
 蜜を滲ませあえぐありさの姿に、男達の蹂躙と興奮は頂点に達しようとしていた。

 そんなありさの痴態をビデオカメラに収めるリーダー。ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべている。
 
「ありさ、またとない名場面だ。記念に撮っておいてやるぜ。おまえの器量ならAVに持ち込んでも高く売れそうだな。この動画を売っちまおうか? それとも彼氏に送ってやろうか? はっはっは~」
「そ、そんなこと、絶対にやめて……動画、撮らないでええええ~~~~!」

 猥褻な動画がネットに拡散されるのも困るが、彼氏に見られるのはもっと辛い。
 リーダーの脅迫に、ありさは狼狽した。

 ときに、暴走族『ブルースネイク』は暴走行為を主たる活動とする粗暴集団であるが、そんな彼らにも彼らなりの規則が存在した。
 組織からの脱会は原則として認めていないが、リーダーが勘案して事情やむを得ないと判断した場合に限って許可されている。
 ただし脱会するためには彼ら独自の厳しい掟が待っていた。
 男性の場合は8時間のリンチに耐えた者だけに、女性の場合は8時間の輪姦に耐えた者だけに脱会が許された。

 さて閑話休題、話を戻そう。
 リーダーが「パチン」と高らかに指を鳴らした。
 次のステップに進む無言の合図である。
 手下が部屋の隅に配備しているオートバイを中央に移動させ、エンジンを始動させた。




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