今やバイブレーターは全盛期。
海外でも日本製は、珍重されると言う。
丁寧な作りや細かい細工の得意な日本人の真骨頂だろう。
材質や形状もさることながら、小型モーターやICなどによる細工は、電子技術王国日本ならではの逸品と言っても過言ではない。
しかし、3人に1人の女性は一度以上は経験していると言われているバイブではあるが、日本ではなぜか「ジョーク玩具」という位置づけにしか無い。
認知されていない訳である。
法律上は全く問題ないのであるが、なぜか「いやらしいもの」と言うのが中央省庁の考えであろうか?
この意味では、日本の性文化は、ちっともオープンになっていないと言えよう。
人間が快感を求め、より気持ちよくなって何処が悪いのか……と思ってしまう。
若い世代では、バイブレーターの類を使用することに、抵抗がなくなって来ているのは、大変良い傾向であると思う。
人間は、生きているうちに、あらゆることを体験して、未知の世界に足を踏み入れることは大事なことである。
それだけ、人生を豊かにできるからだ。
これは、性文化や性生活、快感においても、何ら変わらないと思う。
性行為において、タブーは存在しないかも知れない。
これは、古今東西の歴史を鑑み、各地の古文書などを参照すれば容易に理解できる。
例えば、今日のバイブレーターのルーツをたどれば、人が細工した作品という意味で、記録に残っている限りでは江戸時代に遡る。
双頭の張形
明治になって、江戸城が開城された折り、本丸にあった大奥の庭先から、大量の「張形」が出土したという記録がある。
「張形」(はりがた)とは、古い日本語で、男根をかたどった物を言う。
さて、大奥の庭先から出土した張形は、実に良く細工が施され、男根そっくりであり、大小・形状は様々で、中には双頭式のものもあったと言う。
材質は、堅い樫の木が多く、黒光りして、使い込まれた跡があったと、記録されている。
どうも、この記録は、大奥御殿を取り壊した当時の大工の日記に記述されていたらしい。
「お局」(おつぼね)らが、密かに奥の庭先に指物師(さしものし・欄間などを細工する器用な大工)を招き入れ張形を作らせたらしい。
三代将軍家光の頃は、大奥に美女ばかり3,000名が居たと言う。
将軍が「今宵の夜伽(よとぎ)を命ず」と一言言えば寝所に美女が侍るのであるから、なんとも羨まし限りである。
1日1人を相手にしても、ゆうに8年はかかる。
それに、どんな美女でも30歳になれば、夜伽ごめんの儀と相なり、後からいくらでも美女の補充がなされた。
大奥とは、とんでもない世界である。
しかし、将軍以外は女だけの世界であるから、互いに熟した女体をもてあまし、女同士で性行為に及んだことは、容易に想像できる。
お局が、若い侍女相手に、使ったのかも知れない。
張形に双頭式のものがあったのは、それを証明している。
今日の、双頭式のレズ用バイブレーターは、今に始まったことではないのはこれからも判る。
ただ、江戸時代の木製の張形と違って、現在は材質は人肌に近いシリコンで、しかも一分間に3000回も振動し、ICチップによりあらゆる動きをするバイブレーターは、快感が何倍にもなるのは当然のことだろう。
良き時代に生まれたものである。(笑)
大いに活用しなければ、バチが当たるというものである。
と言ってしまえば、現代の方があらゆる面で女性を歓ばせるためには事欠かないようであるが、色っぽさ、艶めかしさは、いくら現代の高性能なバイブであっても、江戸時代の張形には及ばないのはなぜだろうか?
現在のディルド(張形)