5年前の話。
 酒を飲みにバーや酒場には時々行くが、スナックは1年に1回行けばよい方。
 だけどこの夜は友人(男性)に誘われるまま久しぶりにスナックに足を運んだ。
 週末ともあって店内はかなり混み合っていたが運よくカウンターが二席空いていた。
 僕はウィスキーの水割りを注文し友人はブランデーを頼んだ。

 隣の席には立派な体格の男性が二人座っている。
 そう、力士だ。
 本場所つまり大相撲の興行が今月こちらで開催されるからだろう。
 一人は当時前頭の○○海関、もう一人は当時十両の○○島関。
 体格が立派なだけあって飲みっぷりが違う。
 僕の二倍以上のペースで飲んでいる。

(ほう、さすがだなあ)

 手前の力士に話しかけると気軽に応じてくれた。
 力士と会話する機会なんて滅多にないから自然と話が弾んだ。
 初めは相撲界の苦労話やエピソードだったが、酒の量が増してくると当然のように話は『色っぽい話』へと移る。
 これってどこの世界でもどんな男でもだいたい同じ。
 僕が彼らに最も尋ねてみたかったのが『体位』のことだった。
 日本女性の平均体重は約50キログラム程度。
 そんな小柄な女性と大柄な力士はどんな格好でイタスのか?
 単純に大柄と言うだけではなく、一般男性と比べて腹が出ている力士が多い。
 果たして通常の体位は可能なのか?
 最近の力士の平均体重は約150キログラム。
 150キログラムが50キログラムの女性に乗って、女性は大丈夫なのか?
 僕は○○海関に単刀直入に尋ねてみた。
(彼は力士の中では比較的スリムな方だ)

 すると彼は笑顔で答えてくれた。

「エッチする時、自分のようなそっぷ型(筋肉質・比較的痩せ型の力士)は一般の男性とあまり変わらないけど、あんこ型(太って腹の突き出た力士)は大変なんだ。結論から先に言うと、バックと騎乗位が多いみたい。どちらの体位も女性に負担をかけないので一番好まれるようだ。両肘で支えれば正常位だってできるが、誤って女性を圧迫してしまうと大変なのであまりやらないようだ。それから力士の間では駅弁も結構人気があるよ。女性を持ち上げるぐらい朝飯前だからね」

 ふむふむ、なるほど。つまり『後背位』『騎乗位』『駅弁』が多いわけか。
 どうしても正常位をやりたければ、女性の腰の下に枕や座布団を置く『腰高正常位(もしくは枕正常位)』であれば、体重をかけないので安全にできるらしい。
 それから『松葉くずし』も可能とのこと。
 いやあ、色々と勉強になるなあ。僕が力士のセックスを勉強したって何の役にも立たないんだけどね(笑)
 
 全く未知の世界であったが、力士と夜の巷で出会ったのも何かの縁。
 文献で読むより直接聞くってやっぱり信憑性があるね。
 力士と付き合おうと思っている女性の皆さん、ぜひ参考にしてくださいね。

 ところで彼ら二人の番付が今どのくらいなのか気になって、調べてみたけど載ってませんでした。
 今頃どうしているのかなあ……元気にしてるかなあ……
 その後の彼らの消息が気になり、たまに番付を覗いています。






















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