妖精ルミがシャワーを浴びている。
 湯を浴びる音が何かしら期待感を抱かせる。
 風呂から上がったようだ。

「ねえ、下着はつけなくていいでしょう?」

 僕は答えた。

「いや、ショーツだけは穿いて」

 妖精ルミが僕のこだわりを理解したようでにっこりと微笑んだ。
 そして現れた。
 おっと、これは……刺激的なピンクのTバックだ。

(いかが?)

 と僕の反応を愉しむような表情で見つめなている。

 妖精ルミがソファに腰を掛けて、アイスティーを飲んだ。
 僕がルミの左側に座ると、妖精ルミはもう一度アイスティーを口に含んで僕の唇に合わせた。
 アイスティーの味が口内に広がる。
 ごくりと飲み干した。

 妖精ルミの口内にお返しとばかりに舌を軽く差し込む。
 甘い吐息が僕の顔にかかる。
 右腕で妖精ルミの肩を抱き寄せて、左手で乳房を愛する。
 僕は左利きなのでちょうどいい。
 少し前になるが、妖精ルミは自身のサイトに「Shyは左利き」と書いていたことがあった。
 いや、ズボンの中の収まり具合のことではなく、あくまで利き腕の話。

 左手が妖精ルミの乳房をまさぐる。
 美しい小顔に咲く薔薇のような唇が思わず半開きになってしまい、微かなあえぎ声を漏らせる。

 Tバックの妖精ルミをくまなく愛撫する。
 性感帯のツボがある下着の端部と肌が触れ合う箇所への愛撫は特に念入りに。
 かなり感じてきたようだ。
 でもまだ脱がさない。
 妖精ルミが「早く……」とつぶやいた頃を見計らって、下着をすべて取り去る。
 Tバックは脱がしてしまえば手のひらに収まってしまうほどの嵩しかない。
 こんな小さなものが妖精ルミの大事な部分を包んでいたのか……
 奇妙な感慨にひたってしまう。

 スキンを着けようとすると妖精ルミが拒んだ。
 経口避妊薬を服用しているからだ。
 ピストンだけではなく回転技も加えながらあらゆる角度で攻め立て、彼女の反応を確かめる。

 妖精ルミの感情が昂り、恥じらいひとつない艶やかな声をかなで、絶頂への架け橋を渡り始める。
 僕にも限界がやってきた。
 頭に閃光が走る感覚に襲われ、怒張した物体はドクンドクンと脈打ちながら妖精ルミの体内へ放出を開始した。

「もうダメ……ッ!イクイク、いっちゃう……っ!」
「うわっ!出る出るっ!気持ち良すぎる!」

◇◇◇

 ホテルを出ると外は牡丹雪が舞っていた。
 妖精ルミは車のエンジンを掛け、シフトをPからDにした。
 車が動き出した。
 寒いのに窓を開けて微笑みを浮かべて手を振っている。
 笑った時の顔がある女優さんにすごく似ていると思った。

 車は次第に小さくなっていく。
 あの人の元へ帰る妖精ルミ。
 家路を急ぎ夕飯の支度にかかる妖精ルミ。
 僕は車が見えなくなるまでじっと見つめていた。






















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