結局、男は日本人がいい。 結婚を考えるならなおさら。 私の中で外国人離れが加速している。 外国人とばかりデートしていた学生時代、恋愛経験豊富な年上の友人に、 「そういう人って、意外と日本人で落ち着くんだよね」と言われた。 いやいや、そんな、まさか。 当時は全否定していたけど、今はすっかり日本人に夢中。 同じく、「恋のワールドカップ状態」だった友人たちも、日本人と結婚した。 私が外国人と付き合うことに限界を感じた出来事がある。 題して「にこにこぷん(おかあさんといっしょ)事件」。 「よく、にこにこぷんのキャラクターに似てるって言われるんだよねー」 と言いかけた時だった。 「私ってよく・・あっ」 「何?」 この人に、にこにこぷんの話してもわからないんだった。 「何?」 「あ、うーん。話してもわかんないから」 「話してよ」 「えっと、日本に子ども番組があるのね。セサミストリートみたいなやつ。 昔の番組で、ねずみとペンギンと猫が出てくるのがあって・・」 「うんうん」 「・・そのキャラクターに顔が似てるって話」 「へえ~」 これが日本人だったら、 「似てる!ピッコロかポロリだよね」と話が弾んだはず。 そもそも、にこにこぷんの説明なんかしなくていい。 ところが外国人は、おかあさんといっしょすら知らないのだ。 逆に彼が見て育った番組名を言われても、私はきっとわからない。 笑いを共有するのだって大変だ。ボケとツッコミは海外にないから、 「あのね、日本はボケ担当が変なこと言って、なんでやねん!って ツッコミ入れるのね」なんて解説しなくてはいけない。 好奇心旺盛な人だと、「変なことって、たとえばどんなこと言うの?」 とボケの再現まで要求されてしまう。 日本人にしかわからない細かい話って、想像以上にたくさんある。 初めて日本人の彼とちゃんとした付き合いを始めたころ、毎日が新鮮だった。 昭和のオヤジギャグに「古っ!」とつっこんでくれる。 国語の教科書に載っていた詩、昔流行ったマンガ、好きだった歌。 説明しなくてもわかってもらえる。物事をはっきり言わない、 優柔不断といった欠点もあるけれど、一緒にいてすごく楽だ。 外国人と付き合ったことがない友人は「日本人は嫌だ」と言う。 それもよくわかる。外国人とばかり付き合っていた友人は 「もう外国人はいい」と言う。それはもっとわかる。 文化の衝突を楽しむか、面倒臭いから日本人に逃げるか。 結局、日本人に戻る人たちを見ていると、 文化の違う彼と付き合うのはやっぱり大変なんだう。 終 |