女性には些か失礼な話を述べるが、どうかご容赦願いたい。
一昔前に上司(40代後半)と遠方に出張に行く機会があった。
仕事も終わり街の酒場にぶらりと寄った。
話はありきたりだが女性談義に花が咲いた。
僕はある女性のことを「すごく美人だ」と褒めたところ、その上司いわく。
「Shy君、美人が女性への最高の賛辞じゃないんだよ。もっと上があるんだけど知ってる?」
「え?まだ美人の上があるんですか?」
「あるとも。ただし最近は知らない人が多いけどね」
「へ~、興味ありますね。ぜひ教えてください」
先輩は次のように語り出した。
昔の人は、女性の美醜を『八段階』にランク付けしたという。
↑
佳人(かじん)
麗人(れいじん)
別嬪(べっぴん)
美人(びじん)
上並(じょうなみ)
並み(なみ)
醜女(しこめ・ぶす)
鬼瓦(おにがわら)
夕陽の鬼瓦(ゆうひのおにがわら)
↓
『美人』の上に『麗人』があり、さらにその上の超美しい人を『佳人』と呼ぶらしい。
ということは女性は『美人』と呼ばれたぐらいで喜んでちゃダメってことになるんだけど。
超美人には「君、すごく美しいね、佳人だね~!」
って言えばいいのだろうけど、実際の話、女性がそう囁かれても果たして喜んでくれるかどうか……
それにしても『鬼瓦』とは何とすごいたとえだろうか。
屋根の端に鎮座して睨みを利かす魔除けの意味を持つ鬼瓦。
さらにその鬼瓦が、オレンジ色の夕陽にかっと照り輝いているというのだから強烈だ。
滅多にお目にかかれないだろうなあ。
単に顔が不細工と言うだけではなくて、性格も悪ければこれに当てはまるのかも知れないね。
いくら外見が美しくても、性格の悪い人は真の美女にはなり得ない。
「真の美女」とは、外見の美しさだけではなく、美しい心とうまく調和して醸し出されるものじゃないかな。
上に示した女性のランキング……これは昔の語り草として記憶の片隅に留めてもらえればよいと思う。
女性がいるコンパなどでこの話題を出すのは控えておいた方が無難だろうね。
終
エッセイ集
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